紙パ技協誌
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76 巻, 12 号
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環境特集
  • 環境技術委員会
    原稿種別: 会議報告
    2022 年76 巻12 号 p. 1033-1034
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
  • 豊岡 正志
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1035-1044
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    オーザック(OZAC)排水処理システムは,マイクロ・ナノバブル発生装置「YJノズル」を応用した革新的排水処理システムである。オゾンファイン(マイクロ)バブルの圧壊作用によるフリーラジカルにより有機物を直接分解し,更に,活性炭含有特殊担体「ACBキャリア」による高効率な微生物処理により,薬剤に頼らずにBOD,CODを大幅に低減することが出来る。加えて,従来では考えられなかった汚泥減容,能力アップ,省エネルギーを可能にした排水処理システムである。
    ファインバブル新時代の排水処理システムとして,小さな浄化槽から大規模な工場排水処理まで,様々な排水処理に対応できる。主な特徴として,①汚泥が殆ど発生しないため沈殿槽不要で河川放流を実現。②排水につきものの臭気が発生しない。③薬品激減,余剰汚泥が殆ど発生せずランニングコストを大幅にカット。④同じ水槽で処理能力を従来の2倍以上にアップできる。⑤油やSSといった従来の水処理が苦手な部分を得意としている。⑥薬品を使用しない処理,電力的にも省エネな処理を可能にする。等多くのメリットがある。また,既存の施設を改造することなく,調整槽や曝気槽をそのまま利用して設置できるため,大規模な工事を行う必要がなく,低価格での導入が可能である。すでにいくつかの工場に導入済みで,有名どころでは中国電力やイオンモールなどへの実績もある。以下の通り,製紙工場での排水処理テストでも良好な結果が得られている。
  • 小松 和也
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1045-1049
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    排水中の有機物を酸素のない嫌気環境においてメタンと二酸化炭素にまで分解する嫌気処理技術は,活性汚泥法に代表される好気処理と比べて,省エネ,省廃棄物,バイオガス利用によるエネルギー回収が可能といったメリットがある。嫌気処理は,嫌気性菌が自己造粒したグラニュール汚泥により高負荷処理を可能とするUASB法,EGSB法が食品,飲料工場等を中心に普及している。しかし,SSや油分を含む排水,CODCr濃度が数万mg/Lを超える排水に対しては安定処理が困難であり,前処理でのSS除去や希釈が必要であった。
    嫌気MBRプロセスは,完全混合型の発酵槽においてスラリー状の汚泥により処理を行うとともに,膜により汚泥を固液分離して発酵槽内に保持することで,こうした排水に対して前処理や希釈なしに処理を行い,バイオガス回収が可能な処理プロセスである。
    CODCr濃度15,000 mg/L,SS濃度6,000 mg/L,油分濃度1,000 mg/Lのアイスクリーム製造排水の処理において,前処理を伴うUASB法を適用したケースに対し,シンプルなフローとなることで設備全体の必要スペースは40%程度縮小される見込みとなった。また,ランニングコストについても前処理由来の汚泥発生がなくなることで40%程度削減され,バイオガス発電による売電メリットを考慮した場合にはランニングコストを実質的にゼロにできる試算結果が得られた。
  • 荻田 竜史
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1050-1056
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    本報では,J-クレジット制度の目的に由来する「追加性」や「永続性」の要件について森林吸収プロジェクトはどのような規定となっているか,森林吸収量(排出量)の算定方法はどのようなもので,2022年8月の改定で何が算定対象に追加されたか等について解説する。
  • 中俣 恵一
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1057-1062
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    地球温暖化防止のための再生可能エネルギーの一つとしてバイオマスエネルギー発電の導入が進められているが,近年EUを中心として持続可能性という観点から見直しが進んでいる。バイオマス燃料の持続可能性基準は,燃料の調達に関する人権や合法性の確保,生物多様性への配慮に加えて,2018年に発効した新たな再生可能エネルギー促進指令では,燃料のライフサイクルGHGが基準燃料より8割削減することが求められた。バイオマス燃料用の木材を調達するためにEUの森林の皆伐が進み,環境保護団体から強い反対運動が起こっていることや,学者や研究者達から「再生可能エネルギーとして認定するものは,木材廃棄物と残留物に限定するよう」提案されていることなどが,見直しの背景にある。
    EUの動向を受けて,日本でも資源エネルギー庁が見直しを開始し,持続可能性基準の導入に向けた検討を進めている。
  • 清水 俊貴
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1063-1069
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    ポリ塩化ビフェニル(PCB)は,特に絶縁性が優れることから,電気機器の絶縁油に広く使用されていた。しかし,人体や環境への有害性が指摘されたため,PCBを使用する機器の廃棄処理が進められている。
    PCB廃棄物は高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類される。高濃度PCB廃棄物は中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で処理し,低濃度PCB廃棄物は各都道府県知事および政令市長の許可施設で処理する。適正な処理方法はPCB特別措置法と電気事業法で定められており,処分期間が明示されている。
    本報告では,全国に広く残留している,PCB廃棄物の廃棄スケジュールと進捗状況について,および,PCB汚染物質の調査と判別方法および見つかった場合の処置方法について解説する。
  • 荒井 次郎
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1070-1077
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    本報では,成長に資するカーボンプライシング(CP)について,気候変動に関する国内外の動向や経済産業省における取組を交えながら説明した。
    カーボンニュートラル(CN)実現に向けた経済的手法の一つであるCPは,その主体や価格の明示性の違い等により,炭素税・排出量取引・クレジット取引等の様々な手法が存在する。これまでの政府方針では,産業の競争力強化やイノベーション,投資促進につながる「成長に資するCP」として,まずは自主的かつ市場ベースでのCPを推進していくとされている。
    政府方針を受け,経済産業省では,参画企業が自ら高い排出削減目標を掲げ,目標達成に向けて各企業が排出量取引を行う「GXリーグ」を設立。GXリーグはCNに向けた未来像の議論・創造や市場創造・ルールメイキングを議論する場でもあり,今年2月にGXリーグ基本構想を公表して以後,440社が賛同し,日本の排出量の4割以上をカバーしている。
    同時に,国内で流通するJ-クレジット,JCM等のクレジットの価格が公示され,取引の活性化を図るため,カーボン・クレジット市場を構築していく。
    以上のGXリーグ,カーボン・クレジット市場は,クリーンエネルギー戦略や新しい資本主義「実行計画」等の最新の政府方針において,今年度中に実証試験を行い,来年度に本格稼働する旨が位置づけられているところであり,引き続き成長に資するCPの取組を進めていく。
  • 江藤 文香
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1078-1085
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    プラスチックは,その有用性から,幅広い製品や容器包装にあまねく利用されている現代社会に不可欠な素材である一方,海洋プラスチックごみ問題,気候変動問題,諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として,国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性が高まっている。このような背景から,「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(令和3年法律60号)が成立し,令和4年4月1日に施行した。本法律は,プラスチック製品の設計から廃棄物の処理に至るまでのライフサイクル全般にわたって,3R+Renewable(再生素材・再生可能資源への切替え)の原則に則り,あらゆる主体のプラスチック資源循環等の取組を促進するものである
  • 京田 直之
    原稿種別: その他
    2022 年76 巻12 号 p. 1086-1095
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル 認証あり
    近年,パリ協定やCOP26による1.5℃目標の追求やTCFD提言などの関連イニシアティブにより,自社(スコープ1+2)だけでなくサプライチェーン全体(スコープ3)の排出量も計上する必要が生じている。スコープ3の会計処理方法はいくつかありますが,物理量や金額データに基づく方法よりも,サプライヤー固有の値(カーボンフットプリント)に基づく方法が好まれる。スコープ3の排出量削減を実現するためには,企業だけでなくステークホルダーも巻き込む必要がある。
シリーズ : 大学・官公庁研究機関の研究室紹介 (148)
研究報文
  • 柴田 葵介, 江川 美千子, 久保田 岳志, 小俣 光司, 宮崎 英敏
    原稿種別: 研究論文
    2022 年76 巻12 号 p. 1100-1104
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究ではPS中のCaCO3に対してpHモニタリングを行いながら,最適な量での塩酸処理によるCaCO3の除去の実現化を目的とした。
    CaCO3粉末と塩酸の反応を調査するために,市販のCaCO3粉末で調整した懸濁液と塩酸を反応させた。反応の結果,懸濁液中のCaCO3粉末は,塩酸との反応に約10分必要であった。また,CaCO3粉末は,pH 2以下となるまで塩酸を加えることで,ほぼ除去できることがわかった。
    この結果を用いて,pHモニタリングによるペーパースラッジ中(PS)のCaCO3を塩酸で効率的に除去することを試みた。PSを塩酸処理後に焼成した試料について,粉末X線回折(XRD)および蛍光X線元素分析法(XRF)を行ったところ PS中のCaCO3はほぼ除去され,処理溶液からは除去されたCaCO3がCaCl2・2H2Oとして高純度で回収された。PSの塩酸処理前後の試料の走査型電子顕微鏡(SEM)より,PS中の紙由来の繊維は,pH 2での塩酸処理ではほとんど溶解しなかった。また,PS中に有機物由来の繊維が残ることでPSの燃焼およびPSが一部自燃した。以上から,PS中のCaCO3除去処理において,懸濁液のpHモニタリングにより,PS中のCaCO3に対する塩酸滴下量の最適化を実現した。
  • Kisuke Shibata, Michiko Egawa, Takeshi Kubota, Kohji Omata, Hidetoshi ...
    原稿種別: research-article
    2022 年76 巻12 号 p. 1105-1110
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル フリー
    In this study, we aimed to realize a removal of CaCO3 by hydrochloric acid treatment at the optimum amount while pH monitoring was performed on the PS suspension. Initially, as a standard measurement, suspensions prepared with commercially CaCO3 powder were reacted with hydrochloric acid. The CaCO3 powder in suspension was taken to react in about 10 minutes. Furthermore, it was also found that CaCO3 powder could be almost completely removed by adding hydrochloric acid to less than the suspension pH of 2. Using these results, we attempted to efficiently remove CaCO3 in paper sludge (PS) with hydrochloric acid under monitoring pH of suspension. X-ray diffraction and X-ray fluorescence elemental analysis were performed on samples of PS calcined after hydrochloric acid treatment, and CaCO3 in the source PS was almost removed. The removed CaCO3 from the PS was recovered from the treated solution as CaCl2・2H2O. Scanning electron microscopy (SEM) of samples of the PS before and after hydrochloric acid treatment revealed that paper-derived fibers in the PS were hardly dissolved by hydrochloric acid treatment at pH 2. In addition, we confirmed partially self-ignition of the acid treated PS because of the organic-derived fibers remaining in the acid treated PS.
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