紙,フィルム,等はロール上に多層に巻き取られたロールとして出荷される。巻取りロールは,幅方向に沿って巻取りムラが生じることが多い。これは微小の厚さの紙,フィルム,等が多層の巻取りロールとなり,硬さムラが生じるからである。この硬い部分は巻取りロールの中で部分的な張力により延ばされ巻き取れた結果,巻取りロールを解くと硬く巻かれた部分は張力が除かれ,紙,フィルム,等に凹凸が生じる。この凹凸が生じることにより,紙皺,印刷不良,等の原因を与える。このため,巻取り硬さの測定は重要な品質管理項目となっている。
ロールの幅方向の硬さ変動を正確に管理するにより,製品品質および歩留の向上,ダウンタイムの減少につながる。
TAPIO社は,従来のロールの硬さ測定では実現が出来なかったこの要求に応えて,2003年ハンディ型RQPとオンライン型RQPを販売した。RQPは測定ヘッドのハンマーを連続的に紙ロール表面に打ち当てながら移動させることにより,ロール表面沿って減速度を正確に測定するとともに,移動距離を自動測定してロール表面の硬さを連続測定するものである。再現性は非常に良く,個人誤差も皆無であり,測定結果の保存,解析も可能で,ロールの品質管理に威力を発揮するものである。
さらに2009年これらの製品に加えて,更に高性能なワイヤレスRQPを販売した。このワイヤレスRQPは,旧型で使用した減速度測定ではなく位置測定によるものである。測定ヘッドのハンマーの侵入距離を測定し,各種の硬さを測定出来,また異なった測定器間でも同じ測定結果が得られる絶対値測定である。
今回,ワイヤレスRQP,オンライン型RQPについて紹介する。
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