王子マテリア㈱釧路工場では,計器用(オイルレス・除湿)エアと雑用エアを各々専用のコンプレッサから供給している。
この内,計器用エアは,3台のコンプレッサから2台の除湿機を介し供給しているが,主力機が老朽化により維持困難となったことを受け,更新を計画するにあたり,構内のエア消費状況を調査し,露点管理基準,除湿方式の見直しを行った。
その結果,プラントに必要な計器用エア消費量を約15%削減した上で,計器用エアコンプレッサを1台に統合し,更新を実施した。
更新後,課題が2点確認された。1点目は,想定を超える計器用エア消費量の削減により,計器用エアコンプレッサに余力が生じ,供給過多によるサージングが発生したことである。
2点目は,1台に統合更新した計器用エアコンプレッサは,電力会社側の系統に接続されているため,電力会社側での事故等による系統連系解列(工場単独運転)時に,計器用エア圧力を維持できず,ボイラ・タービン,用排水設備等のユーティリティー設備が停止する危険性が高いことである。
これらの課題を解決するため,計器用エアコンプレッサを2台体制とし,電力系統側の他,自家発電側に接続された既設1台をハーフ運転(50%ロード・アンロード切替運転)で残すことで,突然の系統連系解列時も計器用エア圧力を維持できるようにした。
また,供給過多となる計器用エアの一部は,除湿前エアとして雑用エアラインへ供給し,既設雑用コンプレッサを1台停止することで,計器用及び雑用エア全体でバランスを取り,省エネを図った。
抄録全体を表示