女性の産道に常在するB群溶連菌 (GBS) は, 近年, 新生児敗血症や髄膜炎の原因菌の一つとしで圧目されている. 今回, 妊婦及び非妊婦のGBS陽性率について, 妊娠時期別, 月経周期別, さらに年齢別に検討し, GBS陽性例については血清型を検討したので報告する.
対象は, 中央鉄道病院産婦人科外来患者301名 (妊婦177名, 非妊婦124名) であり, GBSの検出方法は, 滅菌綿棒で腔粘膜を擦過し, 腔帯下を採取, 滅菌シリカゲル入り小試験管内へ挿入し輸送後, Pikeの培地にて増菌し, 5%羊脱線維素血液加ハートイソヒュージョン培地にて分離培養した. コロニーの形態, 溶血性, バシトラシン威夢株試験及びPhadebact Streptococcus Testにて群別を確認し, 神奈川衛研の抗血清を用いて血清型を検査した.
妊娠のGBS陽性率は13.6%で, 女壬娠時期こおける陽性率の変動濡めなかつた.
非妊婦のGBS陽性率は218%で, 月経周期に伴う陽性率の変動は認めなかつた:
なお, GBS陽性率は加齢とともに増加する傾向があり, 閉経後では35.3%であつた.
GBSの血清型については, 妊婦ではIII型, Ia型が多く, 非妊婦ではIa型, Ic型が多かつた. III型が妊婦に多く, 非妊婦に少なかつた (p<0.05) こと以外に特徴ある所見はなく, また, 妊娠時期における血清型の変化は認めなかつた.
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