耳鼻と臨床
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38 巻, 3Supplement1 号
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  • 単回および連続投与による臨床第I相試験
    奥田 稔, 池園 哲郎, 村山 雅庸
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 299-309
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    新しく鼻アレルギー治療用に開発された局所用副腎皮質ステロイド Fluticasone propionateのエアゾール剤についてヒト健常成人男子における忍容性および体内動態を本剤の単回 (100μg, 200μg, 400μg, プラセボ, n=6) および連続 (400μgまたはプラセボ, n=5, 14日間) 投与により検討し, 以下の成績を得た.
    1.自覚症状, 前鼻鏡検査, 理学的検査, 副腎皮質機能検査, 一般臨床検査, 尿生化学的検査, 鼻腔および咽頭真菌検査ならびに鼻腔粘液線毛機能検査について検討したが, 100μgの単回投与時1名に吸入直後一時的な鼻腔内刺激感を認めた以外には本剤に起因すると考えられる異常は認められなかつた. 以上のことから本剤は1日400μg, 14日間連続投与の範囲内で忍容性があることが確認された.
    2.200μgおよび400μgの単回投与と400μg/日連続投与で測定した血漿中未変化体濃度はいずれも検出限界 (50pg/ml) 以下であった.
  • 通年性鼻アレルギーに対する至適用量の検討
    奥田 稔, 海野 徳二, 佐々木 好久, 冨田 寛, 松永 亨, 犬山 征夫, 福田 諭, 形浦 昭克, 朝倉 光司, 小島 正, 高橋 光 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 310-332
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギーの成人患者を対象としてFluticasone propionateエアゾール剤50μg/日, 100μg/日, 200μg/日および400μg/日を2週間投与し, 本剤の有効性および安全性を検討し, 併せて至適用量について確認した.
    1.最終全般改善度において4群間に有意な差がみられた (H検定, p≦0.05), 「著明改善率」は50μg/日群5.4%, 100μg/日群18.6%, 200μg/日群40.0%, 400μg/日群33.3%であり, 200μg/日以上の2群が100μg/日以下の2群に対し, 高い「著明改善率」を示し, 「中等度改善」以上の改善率は50μg/日を除く3群で70%以上の高い改善率を示した.
    2.副作用は198例中6例に認められたが, 主な症状は噴霧時の鼻内刺激感・鼻内痛であり, 重篤なものはみられなかつた.
    以上の成績より, Fluticasone propionateエアゾール剤の有効性および安全性が確認され, その至適用量は200μg/日 (1回25μg各鼻腔2噴霧ずつ1日2回) が適切であると考えられた。
  • 血管運動性鼻炎に関する試験
    奥田 稔, 海野 徳二, 佐々木 好久, 冨田 寛, 馬場 駿吉, 松永 亨, 犬山 征夫, 福田 諭, 形浦 昭克, 朝倉 光司, 小島 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 333-348
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    血管運動性鼻炎患者に, Fluticasone propionateエアゾール剤200μg/日を原則として2週間以上, 最長16週投与し, 本剤の有効性および安全性を検討し, 以下の結果を得た.
    1.総投与例数は72例であつた.
    2.最終全般改善度は, 「中等度改善」以上および「軽度改善」以上改善率はそれぞれ73.1%および88非5%と高い値を示した.
    3.副作用は1例も認められず, 臨床検査値異常は4例に認められたが, いずれも軽度であつた.
    以上より, Fluticasone propionateエアゾール剤は血管運動性鼻炎に対しても有効で安全な薬剤であることが確認された.
  • 通年性鼻アレルギーに対する長期投与試験
    奥田 稔, 海野 徳二, 佐々木 好久, 冨田 寛, 馬場 駿吉, 松永 亨, 犬山 征夫, 福田 諭, 形浦 昭克, 朝倉 光司, 小島 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 349-366
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギー患者に, Fluticasone propionateエアゾール剤200μg/日または400μg/日を原則として4週間以上, 最長24週間投与し, 本剤の有効性および安全性を検討し, 以下の結果を得た.
    1.総投与例数は68例で, その内訳は200μg/日投与57例, 400μg/日投与11例であつた.
    2.最終全般改善度は, 「中等度改善」以上改善率で約80%, 「軽度改善」以上改善率で約90%と高値を示し, 投与終了1週間後にも約80%の症例で効果の持続が認められた.3.副作用は4例に, 臨床検査値異常は1例に認められたが, いずれも軽度であり, 投与の長期化に伴い発現率が上昇するような傾向は認められなかつた.
    以上より, Fluticasone propionateエアゾール剤は優れた有効性を有し, 長期連続投与しても安全な薬剤であることが確認された.
  • 小児通年性鼻アレルギーに関する試験
    馬場 駿吉, 松永 亨, 斎藤 等, 藤枝 重治, 柳田 則之, 中島 務, 鈴木 亨, 小出 純一, 高木 一平, 横田 明, 伊藤 弘美 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 367-383
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    小児通年性鼻アレルギー患児を対象に, Fluticasone propionateエアゾール剤の1日2回投与による100μg/日 (25μg各鼻腔1噴霧) と200μg/日 (25μg各鼻腔2噴霧) の2投与群で本剤の有効性および安全性について検討し, 併せて至適用量を確認した.
    1.最終全般改善度は著明改善率が100μg/日群37.0%, 200μg/日群44.0%, 中等度改善以上が100μg/日群89.1%, 200μg/日群74.0%であり, 両群間に有意の差は認められなかつた.
    2.副作用は, 108例中100μg/日群1例に噴霧直後の一過性頭痛が認められたのみであつた.また, 臨床検査値の投与前後の変動は数項目について差が認められたものがあつたが, いずれも正常範囲内の変動であつた.
    以上の成績より, 小児通年性鼻アレルギー患児における本剤の有効性および安全性が確認され, 小児の通常用量として100μg/日 (1回25μg各鼻腔1噴霧1日2回) 投与が適切であると判断された.
  • 通年性鼻アレルギーに対するBeclomethasonedi propionateとの二重盲検比較試験
    佐々木 好久, 海野 徳二, 奥田 稔, 犬山 征夫, 福田 諭, 形浦 昭克, 朝倉 光司, 小島 正, 高橋 光明, 北南 和彦, 奥出 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 384-403
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギー患者を対象にFluticasone propionate (FP) エアゾール剤200μg/日 (分2) 投与の有効性, 安全性および有用性を客観的に評価するため, Beclometh非asone dipropionate (BP) エアゾール剤400μg/日 (分4) 投与を対照とし, 二重盲検比較試験を実施した.
    最終全般改善度は, FPまたはBP群それぞれ 「著明改善」 33.3%, 37.5%, 「中等度改善以上」73.1%, 83, 0%, 「軽度改善以上」ともに96%以上と高い改善率を示し, 両群間に有意な差はみられなかつた. 概括安全度は両群ともに高い安全性を示した, 有用度では, FPまたはBP群それぞれ 「きわめて有用」 34.6%, 36, 4%, 「有用以上」80.8%, 85.2%, 「やや有用以上」ともに97%以上と高い有用率を示し, 両群間に有意な差はみられなかった.
    以上よりFPエアゾール剤は, 1日4回投与のBPエアゾール剤と同様に高い有効性と安全性を示し, 1日2回投与でも有用性が期待できる薬剤であることが示唆された.
  • スギ花粉症に関する試験
    奥田 稔, 冨田 寛, 大西 正樹, 小山 英明, 安田 正秀, 山田 久美子, 目澤 朗憲, 菊池 恭三, 牧山 清, 岡崎 健二, 野村 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 404-419
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症に対するFluticasone propionateエアゾール剤 (FP) のシーズン前投与による抑制効果と安全性をプラセボ (P) を対照に二重盲検法により比較検討した. また, シーズン中はFPの治療効果についても併せて検討した.
    FP群の抑制効果は飛散初期においてP群に比べ有意に優れていた. 両群ともFPに切り替えた飛散中期および後期にはその両群間に差はなく, いずれも高い抑制効果を示した.
    治療効果は飛散中期および後期において「著明改善」がそれぞれ33%, 62%, 「中等度改善」以上が64%, 88%, 「軽度改善」以上が91%, 94%と優れた効果を示した.
    副作用は飛散前・初期にFP群2例, P群1例, 飛散中期・後期に3例がみられ, 臨床検査値の異常変動は飛散後期に1例みられたが, いずれも重篤なものではなかつた.
    以上よりFPはスギ花粉のシーズン前投与による著明な症状の抑制, および発症後の投与による速やかな症状の改善を示し, スギ花粉症に有用な薬剤であることが確認された.
  • 単回および連続投与による臨床第I相試験
    奥田 稔, 平良 晋一, 村山 雅庸
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 420-430
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    新しく鼻アレルギー治療用に開発された局所用副腎皮質ステロイドFluticasone propionateの点鼻液についてヒト健常成人男子における忍容性および体内動態を本剤の単回 (100μg, 200μg, 400μg, n=6) および連続 (400μgまたはプラセボ, n=5, 14日間) 投与により検討し, 以下の成績を得た.
    1. 自覚症状, 前鼻鏡検査, 理学的検査, 副腎皮質機能検査, 一般臨床検査, 尿生化学的検査, 鼻腔および咽頭真菌検査ならびに鼻腔粘液線毛機能検査において本剤によると考えられる異常は認められなかつたことより, 本剤は1日投与量400μg, 投与期間14日間の範囲内で忍容性があることが確認された.
    2. 200μgおよび400μgの単回投与と400μg/日連続投与で測定した血漿中未変化体濃度はいずれの値も検出限界 (50pg/ml) 以下であつた.
  • 通年性鼻アレルギーに対する至適用法・用量の検討
    奥田 稔, 海野 徳二, 佐々木 好久, 冨田 寛, 馬場 駿吉, 松永 亨, 犬山 征夫, 福田 諭, 形浦 昭克, 朝倉 光司, 小島 ...
    1992 年 38 巻 3Supplement1 号 p. 431-457
    発行日: 1992/06/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギー患者を対象として, Fluticasone propionate点鼻液100,200および400μg/日, 1日2回ならびに200μg/日, 1日1回をそれぞれ2週間投与し, 本剤の有効性, 安全性および至適用量・用法を確認した.なお, 1日2回投与の3用量問の比較は二重盲検法により, 200μg/日における1日1回と2回投与の比較はオープンラベル法により検討した.
    1.用量検討における最終全般改善度では著明改善率は, それぞれ32, 44および41%であり, 200μg/日以上が100μg/日に比して高い改善率を示した.また, 用法検討においては1日2回投与が1回投与に比し, 有意に優れていた.
    2.副作用は215例中2例に認められたがいずれも重篤なものではなかつた.以上の成績より, 本剤の有効性, 安全性が確認され, その至適用量・用法は200μg/日 (50μg各鼻腔1噴霧ずつ1日2回) が適切であると考えられた.
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