耳鼻と臨床
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52 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 内耳前庭系によく見られる機能障害の病理と症状と診断、Dix & Hallpikeの原著
    安田 宏一
    2006 年 52 巻 4 号 p. 219-228
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 雅博, 原田 博文, 力丸 文秀, 加藤 寿彦
    2006 年 52 巻 4 号 p. 229-236
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    ニオイ刺激により、脳内酸化ヘモグロビン濃度の変化が前額部で最も著明に認められた。側頭部、頭頂部、後頭部では酸化ヘモグロビン濃度に明らかな変化を認めなかったことにより、前額部での脳内酸化ヘモグロビン濃度の測定は、嗅覚に関与しているといわれている前頭葉眼窩回における脳活動を反映しているのではないかと推測した。ニオイ刺激により、酸化ヘモグロビン濃度がいったん減少し、その後上昇する結果が得られた。これは、ニオイ刺激に対する脳活動亢進により酸化ヘモグロビンが消費されることでいったん減少し、その後脳活動亢進が進み脳血流量が増加することで酸化ヘモグロビン濃度が上昇したものと考えた。自覚的に不快なニオイや強いニオイほど酸化ヘモグロビン濃度の変化が大きいことが観察された。ニオイ刺激に対する脳活動の評価として、脳波、脳磁図、PETやfunctional MRIなどが用いられているが、近赤外線分光法も、ニオイ刺激に対する脳活動の評価を行う方法として有用であると考える。
  • 杉下 周平, 川崎 聡大, 片岡 裕子, 福島 邦博, 武田 靖志, 野崎 園子, 西崎 和則
    2006 年 52 巻 4 号 p. 237-240
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    超音波検査によって嚥下時の舌の運動を評価することが可能であることが示された。プリンを用いた場合には個体ごとの運動特性を反映させることが可能であった。画像解析によって恣意性の少ない、より客観的な評価が可能であり、臨床観察上の知見を定量解析することの可能性が示唆された。今後は特に口腔相に問題を抱える摂食・嚥下機能障害症例に対して検討を加えていきたい。
  • 荻野 敏, 門田 亜矢, 角谷 千恵子
    2006 年 52 巻 4 号 p. 241-246
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    鼻アレルギーガイドライン、Japanese rhinoconjunctivitis quality of life questionnaire ( JRQLQ) での2種類の鼻症状重症度分類を比較した。全体としてはよい相関がみられたが、くしゃみや鼻をかむ回数が1-5回であっても約半数の患者は「症状なし」と回答するなど、特に軽症においては二つの重症度分類にはばらつきが見られた。今回の成績から、2種類の重症度分類間には全体としては極めてよい相関が見られ、いずれを用いても患者の重症度をかなり明確に表すことができると思われた。しかし、特に軽症な患者では一致しないことも少なくなく、それらの特徴を十分に理解した上で使用する必要があると思われた。
  • 荻野 敏, 入船 盛弘, 有本 啓恵, 岩田 伸子, 荻野 仁, 菊守 寛, 瀬尾 律, 竹田 真理子, 玉城 晶子, 馬場 謙治
    2006 年 52 巻 4 号 p. 247-251
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    73名のスギ花粉症患者を対象に、スギ、ヒノキ花粉の飛散量にかなりの変動が認められた2001年1月からの3年間、特異的IgE抗体価の経年的変化を検討した。スギ、ヒノキの大量飛散によりスギ、ヒノキ特異的IgE抗体価は翌年の1月には有意に上昇し、飛散少量年の翌年には有意に低下する経年的な変化が見られた。それに対し、HD、カモガヤでは同様の変動は見られなかった。この変動は年齢にかかわらず認められた。以上のように、特異的IgE抗体価はアレルゲンの曝露量に極めて大きな影響を受け、スギ、ヒノキ花粉の大量飛散後には、特異的IgE産生が亢進し、翌年まで高抗体価を持続することから、少量飛散年と予測されても被曝量を減らすことを考慮した生活指導が必要と思われた。
  • 柴田 修明, 中川 尚志, 賀数 康弘, 田中 俊一郎, 松本 希, 高岩 一貴, 小宗 静男
    2006 年 52 巻 4 号 p. 252-256
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    1994年から2003年の間に当科にて初回手術を行った真珠腫性中耳炎の117例について術後鼓膜陥凹、再発性再発の有無を検討した。耳小骨連鎖再建の型と換気ルート確保の副術式が再発と関係するかどうかを調べた。この結果からはI型とIII・IV・w/o型の間で術後鼓膜陥凹、再発性再発に関して有意な差は出なかった。またanterior、posterior tympanotomyの施行の有無も同様であった。鼓膜チューブ留置についてはIII・ IV・w/o型では有意差が得られなかったが1型では有意に再発を予防した。
  • 中 希久子, 松岡 寿子, 小川 晃弘, 松本 亮典, 伊賀 奈穂子, 松村 正
    2006 年 52 巻 4 号 p. 257-262
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    症例は46歳女性、発熱、頸部リンパ節腫脹を主訴に来院。リンパ節生検で壊死巣とアポトーシスを示唆する核崩壊像を認め、亜急性壊死性リンパ節炎と診断しステロイドなどを投与したが奏功せず、高熱が持続、汎血球減少を呈し初発から約4カ月の経過で不幸の転帰をとった。経過中フェリチンやLDH、可溶性IL-2Rが異常高値を示し、 Epstein-Barr virus (EBV) 再活性化の所見を認めた。骨髄生検では血球貧食像を検出できなかったが、剖検で骨髄に組織球による血球貧食像を認め、亜急性壊死性リンパ節炎に続発したEBV関連血球食食症候群と考えられた。
  • 佐藤 奈央, 平田 佳代子, 佃 守
    2006 年 52 巻 4 号 p. 263-269
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    嚥下訓練に栄養サポートチーム (nutrition support team: NST) が協力して非常に経過良好であった3症例を報告した。症例1は61歳男性で口腔底癌術後の嚥下障害、症例2は79歳男性で脳血管障害の偽性球麻痺による嚥下障害、症例3は54歳男性で中咽頭癌に対する化学放射線療法後の嚥下障害であった。これらの症例に対して嚥下訓練と NSTによる栄養管理を協力して行った。症例1は入院時には経口摂取不能であったが、退院時には七分粥五分菜きざみと高カロリー流動食を経口摂取できるようになり、症例2は入院時にはミキサ一食を少量摂取できていたのみであったが、最終的には全粥軟菜きざみを摂取できるようになった。また、症例3は入院時には経口摂取不能であったが、最終的には全粥ととろみ付きミキサー食および高カロリー流動食を経口摂取できるようになった。3症例とも嚥下障害重症度が改善し、栄養状態も改善傾向を示した。嚥下治療とNSTの連携は効果的である。
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