ECF漂白に用いるプロセス, 薬品は現在多くの選択肢が考えられる。オゾン漂白, 酸を使ったAhlstage
TM酸加水分解法, 更にこれらを二酸化塩素漂白と組合せてより効率, 経済性, 環境へのインパクトの少ない漂白プロセスが開発, 実用化されている。
近年の研究により, アルカリ蒸解中にキシランがヘキセンウロン酸 (Hex A) に変化し, 漂白工程で薬品を浪費する, 漂白性を阻害する, スケール問題, 色戻り問題を起こすなどの弊害が解明されて来た。リグニンとHexAに対してClO
2の反応速度はほぼ同一であるため, 有効なECF薬品である二酸化塩素を浪硬する。未晒パルプ中のHexA量はL材の場合, 酸素脱リグニン後でカッパ価4~6に相当する。漂白窮1段薬品をClO
2とした場合, HexAにより, この二酸化塩素が無駄に消費される, Ahl-stage
TMは, マイルドな条件下でHexAを酸加水分解する, これにより, ClO
2の節減, スケール抑制, 色戻り減少を図ることができる。HexAは酸加水分解を経てフランカルボン酸に分解するが, そのClO
2との反応速度はリグニンより, はるかに遅い。従って, 中問洗浄のないA/Doシーケンスも可能となる。オゾンはTCF漂白薬品として使われていたが近年, ECF漂白に応用されその効果が確認されている。オゾン漂白をECFに組合せることで, 塩素系薬品であるClO
2の使用量を削減する。オゾンはHcx Aと反応しシュウ酸を生じ, スケール問題を起こすので前段で酸加水分解するのが効果的である。漂白前段にA-Zを導入することで相乗効果が得られる。ClO
2の節減, スケールの抑制, 色戻りの滅少, ピッチの減少の効果がある。
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