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扇谷 信幸, 横田 博, 湯浅 亮
1988 年 50 巻 4 号 p.
843-850
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
植物精油成分オイゲノールを投与したラット肝ミクロゾームにおけるベンツピレン変異原性抑制現象の要因について検討し, 以下の知見を得た. (1)オイゲノール投与・ラット肝ミクロゾームでは, チトクロームP-450 (P-450)により触媒される薬物酸化活性のうちベンツピレン水酸化活性のみが顕著に低下していた. 他のミクロゾーム電子伝達系成分の量や活性値は殆ど変わらなかった. (2)肝ミクロゾームのP-450を可溶化し, DEAE-TOYOPEARLを用いた陰イオン交換室温クロマトグラフイーでP-450を分離した結果, オイゲノール投与肝ミクロゾームでは, ベンツピレン水酸化活性が存在する画分のP-450含量が低下していた. (3)ゲル内沈降反応の結果, 無処置ラット肝ミクロゾームはP-450c (3-メチルコラントレンで誘導され, 高いベンツピレン水酸化活性を有している分子種)に対する抗体と反応しなかった. また, そのベンツピレン水酸化活性はP-450c抗体で阻害されなかった. 以上の結果から, オイゲノール投与ラット肝ミクロゾームでは, ベンツピレン水酸化活性を触媒する種類のP-450 ( P-450cとは免疫化学的に異なる)の量的低下が示唆された.
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畔高 政行, 小西 信一郎
1988 年 50 巻 4 号 p.
851-858
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
1985年冬東京地区の, 約150頭を飼育する繁殖場で元気消失, 食欲不振, 発咳, 鼻漏を特徴とした犬の呼吸器疾患の流行を認めた. 罹患犬はほとんどが約3ヶ月齢で, 全発症例33頭のうち症状の激しかった4頭を剖検したところ, 主要病変は肺に限られ, 気管支上皮細胞には核内封入体が多数認められた. また合計6頭から犬アデノウイルス2型(CAV-2)と犬パラインフルエンザウイルス(CPIV)が分離され, 両者が混合感染している例も見られた. ウイルス検索と同時に実施した細菌検索の結果, Bordetella (B) bronchisepticaが純培養状に分離された例があったが, 他の分離菌株は正常菌叢の構成菌で, 特に単独で有意の菌は認められなかった. またこれらの犬における分離ウイルスに対する抗体調査の結果, CAV-2の抗体はウイルス未分離の犬で90%以上が保有しており, 高い抗体価を示す例もあった. 一方CPIVの抗体陽性例は2例のみであり, CPIVは本流行の主因とは考えられなかった. 以上の結果より, 本流行はCAV-2の感染を主とし, CPIV とB. bronchisepticaおよび正常細菌叢を構成する菌の二次増殖が関与して起こしたkennel cough complexと考えられ, わが国における本病の最初の確認および病因の解析となった.
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新井 敏郎, 望月 真理子, 大木 与志雄
1988 年 50 巻 4 号 p.
859-864
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
正常ハタネズミ, KKマウスの肝解糖系酵素(グルコキナーゼ, ピルビン酸キナーゼ)活性は, C57BLマウスのそれのそれぞれ1/4, 1/2であった. 濃厚飼料を給与した糖尿病ハタネズミでは解糖系酵素活性は, 糖尿病初期にはインスリン分泌の増加にともない正常値の2倍を示し, 末期にはインスリン分泌が著しく低下して欠乏状態に陥り, 解糖系酵素活性は正常の1/2以下になった. 尿糖陰性の若齢KKマウスの血漿インスリン値はC57BLマウスの約3倍で, 尿糖陽性の老齢マウスのそれは, さらに高かったが, 肝解糖系酵素活性は, ほぼ正常値と同等であった. 以上の成績から, ハタネズミとKKマウスにおける糖尿病のタイプは著しく異なり, ハタネズミではインスリン依存性, KKマウスではインスリン非依存性と考えられた.
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近平 雅嗣, 浜田 耕吉
1988 年 50 巻 4 号 p.
865-873
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
Vibrio fluvialisおよびVibrio furnissiiの環境由来株(40株)およびヒト下痢症由来株(8株)について, 兎結紮腸管ループ試験, 株化細胞(CHO-K 1)の伸長(CEF)・致死作用(CKF), その他の生物活性を調べた. 下痢症由来株のすべてはV. fluvialisで, ループ試験では液体貯留を示した. 環境株は両菌種ともに陽性数は少なく, またFA値も低かった. CHO試験では, 48株中39株がCKFを有し, 18株がCEFを有し,ー部のCEFは抗コレラ毒素血清(ACT)により中和されたが, CKFは中和されなかった. また, 38株のポリミキシンBによる抽出物中26株において, ELISAでCT陽性反応が認められたが, CEFと下痢原性の関連性については確認できなかった. マウス致死作用及び赤血球溶血作用は株の由来, 菌種による区別なく多くの株で認められた.
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樽見 千利, 玉木 たか子, 森 昌弘, 増田 裕
1988 年 50 巻 4 号 p.
874-878
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
環境制御条件下で飼育された4例の雌ビーグルについて, 連続する2回の性周期における血清総コレステロールを測定し, 第1回周期中には同時にリン脂質, トリグリセライド, 遊離脂肪酸, エストロジェンおよびプロゲステロンも測定した. 血清総コレステロールは発情後に上昇し, 第1回発情後5.3週に226±25mg/100ml, 第2回発情後4.8週に234±20mg/100mlのピークを示した. また, リン脂質は発情後5.8週に475mg/100ml, プロゲステロンは発情後2.0週に18.7±1.6ng/mlのピークを示した後, 漸減し, 総コレステロールの変動パターンと類似した. これに対し, トリグリセライドは発情後軽度に低下し, 遊離脂肪酸は変化しなかった. エストロジェンは発情時に33.0±7.8pg/mlの高値を示した後, 発情後1週に急激に低下した.
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後藤 直彰, 土居 和久, 井上 武, 村井 洋子, 藤原 公策
1988 年 50 巻 4 号 p.
879-885
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
弱毒マウス肝炎ウイルスMHV-2-CC株による胸腺欠損ヌードマウスの活動性肝炎に対する組換型インターロイキン2 (rIL-2)の効果について検討した. ヌードマウスにMHV-2-CC, 6×10
5PFUを腹腔内接種後, rIL-2, 0.1, 1, 10μgを毎日腹腔内に投与した. 接種後7-21日に1μg投与マウスの肝臓のウイルス価はrIL-2無投与対照マウスに比べて1/10であった. rIL-2投与マウスに特徴的な病変は1および10μg投与群にみられ, 肝臓の多発性, 円形, 境界明瞭の壊死病巣で, 病巣内に肝細胞の残存および炎症細胞の集簇はみられなかった. 病巣周縁には多数の変性に陥ったウイルス抗原陽性の肝細胞があり, 多数の単核細胞がとりまいていた. これら単核細胞中にはasialo-GM 1抗原陽性のものも認められた.
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平野 雅裕, 上田 英夫, 三森 国敏, 真板 敬三, 白須 泰彦
1988 年 50 巻 4 号 p.
886-893
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
塩化メチル水銀のマウスの腎発癌性に又ぼすホルモンの影響を以下の4群の雌雄動物(各群各性50匹)について検索した. I群-無処置, 基礎飼料給餌群, II群-無処置, 塩化メチル水銀10ppm添加飼料群(MMC飼料), III群-精巣(卵巣)摘出, MMC飼料群, IV群-精巣(卵巣)摘出, テストステロンプロピオネイト(TP)s.c.0.2mg/頭/週, MMC飼料群. 生存率は雌雄ともIV群において最も低く, これは, 中毒性腎障害の重篤化およびアミロイドーシスの発生頻度増加に起因するものであった. 腎上皮性腫瘍(15/50)および尿細管上皮過形成(6/50)の発生頻度はII群雄において有意に増加した. II群雌およびIII群の雌雄においては, 腎腫瘍および上皮過形成の発現は認められなかった. IV群では, 腎腺癌が雄2匹, 雌3匹に, 尿細管上皮過形成が雄3匹, 雌2匹に観察され, TPの関与が示唆された. 以上の結果から, 塩化メチル水銀によるマウスでの腎腫瘍誘発には精巣の存在が重要であると推察された.
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石田 敏雄, 桐沢 力雄, 小沼 操, 三上 祐二, 今津 佳夫, 川上 善三
1988 年 50 巻 4 号 p.
894-899
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
北海道のヒツジを対象にChlamydia psittaciの分離と補体結合(CF)反応による抗体調査を行った. ヒツジ血清212例中74例(34.9%)がCF抗体陽性であった. 見かけ上健康なヒツジの糞便からC. psittaciの分離を試みたところ, 1986年3月に収集した材料では8例中3例, 6月に収集したものでは16例中7例から分離された. これらのうち2頭のヒツジからは3月と6月の両方で分離された. 以上の結果から, C. psittaciは北海道のヒツジの間に広く蔓延し長期間糞中に排泄されていることが示された.
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小野 恵利子, 安倍 健彦, 田口 清, 佐藤 輝夫, 内貴 正治
1988 年 50 巻 4 号 p.
900-907
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
産前あるいは産後の起立不能および下痢症状を示し, 高遊離脂肪酸血症 (血中遊離脂肪酸濃度902-2172μEq/l)を伴った13頭の乳牛(3-8歳)の肝臓について, その脂質と脂肪酸組成を正常牛のそれと比較した。疾病牛で脂肪含有量は増加の傾向を示した。中性脂質の構成比ではトリグリセリドの増加とコレステロールエステルおよびリン脂質の減少が特徴的に見られた。このリン脂質の減少はホスファチジルエタノールアミンとスフィンゴミエリンによるものであった。脂肪酸組成では, 主にコレステロールエステルと遊離脂肪酸に飽和脂肪酸C18に対する不飽和脂肪酸C18-1, C18-2の比の増加が, スフィンゴミエリンを除く脂質に多不飽和脂肪酸C20-3, C20-4, C22-4の減少が認められた。多飽和脂肪酸はプロスタグランジンなど生理活性物質の前駆体であり, 疾病牛ではこれら生理活性物質の合成不全が推察された。
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藤 正治, 大熊 浩樹, 石田 陽, 今井 壮一, 石井 俊雄
1988 年 50 巻 4 号 p.
908-912
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
埼玉県および千葉県より搬入された壺形吸虫寄生猫4頭の糞便中に排他される虫卵数と腸管内の寄生虫体数との関連および壺形吸虫の産卵能力と糞便検査による検出限界について検討した。その結果, 本吸虫のEPDPW (eggs per day per worm)は, 約1,000個であった。また, 本吸虫1隻寄生の場合に, 通常, 糞便量0.5gを用いたMGL法により検出できる虫卵数は, 平均19.1個 (範囲6.5~34.4個)となり, 本法は, たとえ少数寄生であっても本吸虫の寄生を確認する上で, 極めて確実性が高い。
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岡本 宗裕, 神谷 正男, 奥 祐三郎, 大林 正士, 松崎 哲也
1988 年 50 巻 4 号 p.
913-917
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
実験動物化されたナキウサギに, 反芻獣由来消化管内寄生線虫を感染させたところ, Haemonchus contortus, Ostertagia circumcincta, Trichostrongylus axei, T. colubriformisで感染が成立した。T. axeiとT. colubriformisは感染率が高く, 感染後70日でもpatent infectionが持続し, spontaneous cureは見られなかった。O. circumcinctaは, 感染後20日に剖検したナキウサギから虫卵を保有した雌2虫体が回収されただけであった。H. contortusは, 感染率は低いながらも感染後20日までは回収されたが, 感染後45日以降は回収されなかった。また, 回収された虫体はすべて未成熟であった。Strongyloides papillosus, Bunostomum trigonocephalum, Chabertia ovina, Mecistocirrus digitatusは, 感染が成立しなかった。
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熊澤 教眞, 加藤 英一, 高羽 孝成, 横田 司
1988 年 50 巻 4 号 p.
918-924
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
腸炎ビブリオ及び大腸菌を経口投与したイシマキガイ (汽水産巻貝)及びアマオブネ (海産巻貝) を各々25℃及び28℃の人工海水を入れた紫外線照射装置付環流式水槽内で飼育し, 貝体内での投与菌株の生残菌数の推移を観察した。イシマキガイの体内における神奈川現象陽性腸炎ビブリオD-3株の生残量は貝の飼育水の塩分濃度によって異なっていたが, 塩分濃度15及び20g/lの人工海中で飼育する貝の体内には投与後21日目まで最も多くの菌が生残していた。神奈川現象陰性菌R-13株の生残量はD-3株よりも少なかった。大腸菌YS-2株は10
3 cfu/g以下のレベルで貝体内に生残した。イシマキガイから検出される腸炎ビブリオの菌数は経時的に不規則に変動したが, 大腸菌数の変動幅は小さかった。D-3株とR-13株を混合投与した貝の体内における両菌株の菌数の推移は単独投与の場合の変動幅の範囲内にあり, 貝体内での投与菌株の神奈川現象の変換は観察されなかった。塩分濃度35 g/lの人工海水中で飼育するアマオブネからはすべての菌株が投与後72時間以内に消失した。
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須永 藤子, 並河 和彦, 菅野 康則
1988 年 50 巻 4 号 p.
925-929
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
Babesia gibsoni感染犬4頭の体温リズムと原虫寄生率との関係を解析したところ, 原虫寄生率が高い時期に, 感染犬の体温リズムは, 感染前のリズムと逆の頂点位相を示すことが明らかにされた.
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佐藤 英明
1988 年 50 巻 4 号 p.
930-932
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
ウシ卵胞液の凍結乾燥粉末からクロロホルム・メタノール(2 : 1, v/v)により抽出した脂質分画をエチレンビニルアセテートコポリマーでフィルム状に固め, マウスの腹直筋筋膜外壁に移植したところ, 投与量に依存した血管造成作用が観察された.
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中村 義男, 清水 眞也, 南 哲郎, 伊藤 進午
1988 年 50 巻 4 号 p.
933-935
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
酵素抗体法(ELISA)によるAnaplasma centrale抗体の検出を試みた. 本法は感度が高く, 実験感染牛では補体結合反応より早期から感染抗体を検出することが可能であった. A. marginale感染牛血清とは交差反応を示したが, A. centrale, A. marginale感染牛血清のいずれもヘテロの抗原との反応に比べてホモの抗原との反応でより高いELISA値を示した.
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並河 和彦, 須永 藤子, 菅野 康則
1988 年 50 巻 4 号 p.
936-938
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
Babesia gibsoni人工感染犬の末梢血で, 従来報告のない2~8個の虫体が網状物で連なる像(網状型原虫)が認められた. 電顕観察では, 核, 多数のリボソーム, ロプトリー様構造物, ミクロネーム様構造物および粗面小胞体が認められた.
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鷲巣 誠, 小儀 昇, 小林 圀仁, 織間 博光, 小山 秀一, 鷲巣 月美, 石田 卓夫, 本好 茂一
1988 年 50 巻 4 号 p.
939-941
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
著明な神経および消化器症状を呈する症例(1才, 雌, シーズー)に遭遇し, 臨床症状, 血中アンモニア値および胆汁酸値の上昇からPCSと診断した. 門脈圧を測定しながらシャント血管の部分結紮を実施したところ順調な回復を示した.
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三浦 康男, 宮里 俊光, 久保 正法, 後藤 義之, 甲野 雄次
1988 年 50 巻 4 号 p.
942-945
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
非化膿性脳炎を示した1頭の子牛の肺, 肝, 腎, リンパ節, 血液等から同一抗原性を示すウイルスが分離された. 脳, 脊髄からは分離されかなった. このウイルスは形態的にオルビイィルスの特微を示し, 寒天ゲル内沈降反応でEHD血清群ウイルスと共通抗原を持っことが明らかになった. 中和試験ではEHD血清群のニュージャージー株と片側交差を示したが, アルバータ株, イバラキウイルスとは反応しなかった. 疫学調査の結果, 本ウイルスは子牛の非化膿性脳炎とは関係のないウイルスであることが判明した.
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荒井 惣一郎, 中西 宥
1988 年 50 巻 4 号 p.
946-948
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
ニワトリ肝臓から単離した核を固定後凍結割断し, 走査電顕により観察した. クロマチンは直径20~40nm の細い線維, およびその回旋またはよじれ合いにより形成された直径60~100nmの太い線維から構成され, クロマチンの構築は, 細胞核内でのそれとほとんど同様であった.
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高瀬 公三, 内村 哲也, 山元 通孝
1988 年 50 巻 4 号 p.
949-950
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
トリレオウイルス(ARV)に対する移行抗体保有または非保有発育鶏卵の尿膜腔内あるいは卵黄嚢内にARVを接種し, 胚の死亡を観察した. 両発育鶏卵におけるARVの50%胚致死量および胚の平均死亡日数の差はいずれも小さく, 移行抗体の影響は少ないものと考えられた.
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葛谷 光隆, 横山 英明, 児玉 義勝
1988 年 50 巻 4 号 p.
951-953
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
豚毒素原性大腸菌線毛(K88およびK99)の簡便な精製法について検討した. その結果, 両線毛は抗線毛抗体をリガンドとして用いたアフィニティーカラムにより, 従来の方法に比較して効率的に精製された.
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播谷 亮, 志村 亀夫, 岩渕 功, 小林 勝, 成田 實
1988 年 50 巻 4 号 p.
954-956
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
先天性トキソプラズマ感染を疑う死産子豚のパラフィン包埋組織切片を用い, 酸素抗体法によりToxoplasma gondii抗原の検出を試みた. その結果, 脳と肺でToxoplasma gondiiの抗血清に対して特異反応を示す虫体が確認された.
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清水 真也, 津田 知幸, 大西 彰, 三浦 克洋, 三上 仁志, 後藤 信男, 南 哲郎, 小野寺 節
1988 年 50 巻 4 号 p.
957-959
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
キメラマウスでTheileri sergenti抗原と羊赤血球を免疫すると, 羊赤血球に対する免疫増強作用が見られた. この増強作用は親系統では認められず, Fマウスより著明であった. しかし増強の程度はキメラの度合とは相関しなかった.
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林谷 秀樹, 本多 英一, 中村 孝, 森 裕司, 沢田 拓士, 小川 益男
1988 年 50 巻 4 号 p.
960-962
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
昭和61年8月, N牧場に飼育されていたシバヤギ32頭のうち11頭が肺炎症状を呈し内9頭が死亡した. 病理学的, 微生物学的検索の結果, この肺炎はPasteurella haemolytica血清型2によるものと診断された. また, 疫学的な検討の結果, この事例は本菌で汚染されたT牧場の山羊を非汚染のN牧場ヘ導入したことにより引き起こされたものと推測された.
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安田 和雄, 小野 憲一郎, 佐々木 伸雄, 林 俊春, 長谷川 篤彦, 本好 茂一, 友田 勇
1988 年 50 巻 4 号 p.
963-965
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
Heidenhainの小胃を設けた成牛1頭を用い, TDNの50%(条件1), と80%(条件2)を濃厚飼料で給餌した際の血中ガストリン値(IRG)と第四胃酸分泌(TTA)の変動を観察した. 条件2のIRGは130~228pg/ml, TTAは20.2~35.3mM/lであり, 条件1の123~183pg/ml, 0~12.5mM/lと比較して高値を示した. また, 小胃粘膜の組織学的検索により条件2では壁細胞数の増加, ならびに潰瘍の形成が観察された.
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松坂 尚典, 伊勢 浩昌, 坂本 秀樹, 品川 邦汎, BERG Dieter, KOLLMER Willy E.
1988 年 50 巻 4 号 p.
966-967
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
正常亜鉛飼料および低亜鉛飼料給与下の幼若および成熟マウスに,
65Znを腹腔内あるいは経口的に1回投与して, 体内残留率を測定した。正常亜鉛飼料給与の場合に比較して, 低亜鉛飼料給与下では
65Znの体内残留率が上昇した。体内残留率曲線より
65Znの消化管における吸収率を求めたところ, 正常亜鉛飼料給与下では, 幼若マウスが高い吸収率を示したが, 低亜鉛飼料給与の場合には,
65Znの吸収率は両年齢群ともほぼ同程度促進されることが観察された。さらに,
65Znの代謝回転率は低亜鉛飼料給与によって著しく低下した。
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並河 和彦, 佐久間 佳子, 須永 藤子, 菅野 康則
1988 年 50 巻 4 号 p.
968-970
発行日: 1988/08/15
公開日: 2008/02/13
ジャーナル
フリー
抗ピロプラズマ剤のtetrocarcin-Aとジミナゼン製剤をBabesia rodhaini感染マウスに併用し, 両剤の種々の用量の組み合わせにおける抗ピロプラズマ効果の増強および毒性の軽減について検討した。その結果TC-Aの3/4ED
50とジミナゼンの1/4ED
50を併用した場合に抗原虫作用は相乗的に, その割合での毒性は拮抗的に作用し, 毒性が強く安全域の狭いTC-Aがジミナゼンとの併用により抗ピロプラズマ剤として有効であることがわかった。
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