日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1990 巻, 6 号
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  • 大寺 純蔵, 野崎 一
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 601-610
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    1・3-ジ置換1・1,3,3-テトラアルキルジスタノキサンの特異なテンプレート効果とそれを利用する合成反応についてまとめた。それらの化合物では中心酸素および1,3-位にあるハロゲンまたはヒドロキシル基が隣の鎖中のスズに配位することにより特異なはしご状二量体構造が形成されている。1,3-位にあるこれらの基は橋かけのために活性化されておりアルコキシル基により容易に求核置換される。一方・ハロゲンあるいはヒドロキシル基に結合しているスズはLewis酸性が高く,カルボニル酸素がさちにこのスズに配位することができる。ジスタノキサンは無機性の中心骨格を有するにもかかわらずすべての有機溶媒に易溶である。したがって,極性反応を脂肪族炭化水素のような非極性溶媒中で行うことができる。このような特性を活かして極めて温和な条件下でのカルボニル基の様々な変換反応が可能となった。
  • 遠藤 邦彦, 古橋 昭子
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 611-614
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    cit,trans-亜硝酸午チルの13C同位体種 (13CH3CH2ONO, CH313CH2ONO) のマイクロ波スペクトルを10から34GHzの領域で測定し,基底状態におけるa型R枝およびb型Q枝遷移を帰属して,つぎの回転定数を得た。
    A B C
    13CH3CH2ONO 18018. 90 ± 0. 08 MHz 2931. 14 ± 0. 01 MHz 2604. 6 81 3 ± 0. 01 MHz
    CH813CH2ONO 17868. 37 ± 0. 10 MHz 3008. 28 ± 0. 01 MHz 2662. 09 ± 0. 01 MHz
    ノーマル種および上記の13C同位体種の回転定数の解析から,CiS,trans一亜硝酸エチルのC-C結合0距離としてr6(C-C)=1.517±0.004Åを決定した。ここに得られた亜硝酸エチルのC-C結合距離およびすでに報告されている類似分子のC-C結合距離は,エチル基に結合する原子の電気陰性度が大きくなるにしたがい結合距離は短くなる直線的な傾向がみられる。
  • 出来 成入, 永田 員也, 大村 浩之, 嶋田 幸雄, 河村 浩, 梶並 昭彦, 金治 幸雄
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 615-620
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    プロトン型-陽イオン交換樹脂を用いて調製したメタタングステン酸アルカリ金属(Li+,Na+,K+)塩水溶液を急速脱水することにより,試料を合成した。得られた試料は,X線的に非晶質であった。これら試料に対して,X線回折,熱分析(DSC),IR吸収スペクトル,水素濃淡電池起電力法によるプロトン輸率,Wagner直流分極法による電子輸率,および交流電気伝導度測定などを行った。その結果,これら試料のプロトン輸率(tH+)が飽科水蒸気圧下でTH+=1,また電子輸率が10-3以下となった。以上の結果からこれら試料の導電種が,プロトンであることが明らかとなった。非晶質試料の電気伝導度は,Li+塩の場合,結晶試料の約102倍程度の値を示した。また電気伝導度は,対陽イオンの種類および含水量に依存していることが明らかとなった。これら試料の構造中では,結晶試料にくらべ水の構造性が低下しており,イオ-水聞相互作用の弱い水分子が多く存在することが明らかとなった。
  • 井筒 雅, 東 雅幸, 木村 利昭, 福島 正義
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 621-627
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    繊維状に裂くことのできる構造を持ったチーズは,Mozzarella チーズを製造する過程から得られる。すなわち,乳凝固物(ヵ-ド)を温水中で50~60℃ に加熱し,流動性のある状態で静かに混練して均質な粘弾性体にした後,一方向に延伸して直ちに冷却水中で硬化することにより製造する.従来,繊維状の構造を付与し,冷却硬化する工程は手作業に依存していた。繊維状に裂くことのできる構造を持ったチーズの製造を工業規模で機械化する目的で,カードのレオロジー的性質を延伸,成形f硬化との関連で検討した。カードのYoung率,粘性率は温度によって顕著に変化することから,このチーズの製造では,温度は極めて大きな制御因子であることがわかった。カードは35℃ 以下では流動性を失って硬化することから,この温度以上で成形工程を完了している必要がある。50℃ 以上のカードには降伏値は認められず,また50~60℃ の温度範囲ではNewton流動に近い挙動をする。カードのPoiSSon比は約0.5であり,剛性率(G),伸び粘牲率(λ)は三倍則を適用して算出できる。
  • 柴田 雅敏, 木村 久道, 増本 健
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 628-635
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アモルファスAu-Zr合金を酸化処理して調製した触媒が,分子内に二つの不飽和結合を持つカルボニル化合物および炭化水素の部分水素化反応において,優れた部分水素化の選択性を持つことを見いだした。不飽翻カルボニル化合物(2-butenal)の水素化においては,カルボニル基が選択的に水素化されたエノール(2-buten-1-ol)が主生成物であり,二つの二重結合または一つの三重結合を持つ炭化水素の水素化においては,モノオレフィンへの高い選択性を示した・さらに,1-buteneの水素化速度は・1, 3-butadieneの水素化速度よりもニケタも低いという特異な反応性を示した。組成分析の結果,この触媒の不純物量は非常に少なく,さらにXPS分析の結果表面への不純物の濃縮も認められなかった。不純物を添加した系でのイソプレソの水素化反応結果からは・水素化活性が不純物に基づくものでないことが確認できた。酸化処理したAu-Zr合金の水素化活性点については,確証を得ることはできなかったが,Auの一部が高分散状態になって電子状態が変化し,水素化の活性点となったのではないかと考えている。
  • 川村 吉成, 河野 保男, 佐野 庸治, 岡戸 秀夫, 高谷 晴生
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 636-641
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタノールからの低級オレフィソ合成に対し500℃ を越える高温下で高性能を示したアルカリ土類金属含有ZSM-5型ゼオライト,とくにカルシウム含有ゼオライトの触媒寿命の改善を目的としてこのゼオライトの微結晶化を検討した。その結果,ゼオライト合成時にホウ酸を添加することにより,ゼオライト結晶子径を制御することができ,カルシウム含有量が多く・結晶子径も1μm以下の微結晶のゼオライトが得られることがわかった。なお,妻ゼオライト合成時に添加したホウ酸の大部分は,NH4CIおよび熱処理により除去された。また,この微結晶ゼオライトを用いてメタノール転化反応を行いその触媒性能を調べた結果,ホウ酸無添加で合成したカルシウム含有ゼオライトと同じ触媒活性を示し,かつその触媒寿命(エチレソ+プロピレン選択率が50%以上を保持する時間)は約1・6倍になった。
  • 斎藤 保夫, 栗田 勉, 橋本 義嗣, 川俣 正巳, 吉利 朝子, 小林 俊裕, 白土 政志
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 642-648
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    PdCl2を原料とする含浸法Pd/MgO触媒は,残存する塩化物の影響によってメタノール分解活性と選択性あるいは表面積が低下した。すなわち,共存C-イオンは,焼成(600℃)中に担体MgOの細孔形成を妨げるとともに触媒性能を低下させた。塩化物の除去には,脱イオン水による煮沸処理が有効であったが同時にPd2+イナンの一部流出も避けられなかった。そこで・あらかじめ予備焼成(600℃)を加えたあとに煮沸一炉過による脱CI-処理を行ったところ,これらの触媒の表面積(100~170m2/gcat),Pd分散度(0.6~0.9),Pd含有率(0.7~0.9Wt%)はいずれも高い値を示した。そして,MgOを,塩化物残存中で沸騰処理すれば大部分Mg(OH)2に変化したことから,C1-イオンはMgOの水和反応の健進剤になっていることが考察された。また,メタノールからCO.H2への活性および選択性はいずれも約100%を与えた。なお,Pdの分散度は焼成温度(400~700℃)によらずほぼ一定であり,活性はさらに還元温度(400,600℃)にもほとんど依存しなかった。
  • 黒川 秀樹, 上田 渉, 森川 豊, 諸岡 良彦, 伊香輪 恒男
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 649-654
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    La2O3,MgO,CaO,ZrO2およびZnOの5種の表面塩基性質を有する金属酸化物に,MnII,CoII,FeIIIおよびCuIIIの各金属イオンを添加した触媒を用い,室温下,2,6-ジアルキル置換フェノール類の液相酸素酸化を行った。2,6-ジ-t-ブチルフェノール(DBP)の酸素酸化において,MnII-MgOがきわめて高い活性を示し,酸化脱水素二量化生成物であるジフェノキノン(DPQ)が100%の選択率,98%の収率で生成することを見いだした。これに次いで,CoII-La2O8が高い活性を示し,少量のベンゾキノン(BQ)が生成するものの,高い収率でキノンが生成した。触媒の酸化活姓発現には金属イオンの存在が不可欠で,金属イオンの種類により,活性f選択性が大きく変化する一方,金属イオンと塩基性酸化物との組み合わせも重要で,金属イオンの存在状態と触媒の表面塩基性質が活牲,選択性に大きく影響していることが示唆された。用いる反応溶媒は,非極性,非プロトン性溶媒がよく,またアルキル置換基がメチルの場合,ポリフェニレンオキシドが生成し,無置換フエノールはまったく反応しなかった。
  • 星 敏彦, 大窪 潤, 小野 勲, 渡邊 誠一, 井上 廣保, 桜井 忠光, 小林 遁夫
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 655-661
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジー2一ピリジルエタンジオンの吸収塔ペクトルをエチルエーテル:イソペンタン:エタノールの5:5:2混合溶媒(以下EPAと略記)中室温および101Kで測定し,ベンジル(ジフェニルエタンジオン)のスペクトルと比較した。また,ジー2一ピリジルエタンジオンとその半分のπ電子系をもつ2一アセチルピリジンの偏光吸収スペクトルを延伸高分子膜法により測定した.その結果たとえば,ジー2一ピリジルエタンジオンの320~430nmにある振動構造をともなった非常に弱い吸収帯は二つの電子遷移からなっており,その0-0遷移は398および352.Onmにあることがわかった。これら二つの遷移はいずれも酸素原子のn軌道からπ*軌道への遷移である∵ 二つのn→ π*遷移の分裂幅についての実測値とMO計算の比較から,ジー2一ピリジルエタンジオンは溶液中で中央のC-C結合のまわりに約80。ねじれていると推定された。また,Configuratiananalysisの結果から,ジー2一ピリジルエタンジオン,の398捻m帯は二つの2一アセチルピリジン骨格にそれぞれ局在化したぬ→ π*遷移であり,352.Onm帯は一方の酸素原子のn軌道から他方のπ電子骨格への分子内電荷移動型のn→ π*遷移であることがわかった。
  • 佐藤 謙二, 本田 俊廊, 杉浦 裕一, 小中原 猛誰
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 662-668
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メラミンのホルムアルデヒド(F)にキるヒドロキシメチル化反応について,N-(2-シアノエチル)モルホリン(B)とこの共役酸(HB+)緩衝液を用い,pH4.9([HB+]/[B]=2.0)~pH5.9([HB+]/[B]=0.2)の水溶液中,40~62℃ で速度論的検討を加えた。この結果,初速度R。=k[MHf]0[F]0で与えられる二次速度定数たは.k-k'=KHB+[HB+]+KB[B]で与えられた。ここでMHf ,K'はそれぞれ遊離のメラミン,非緩衝液中の速度定数である。ついで,酸触媒反応(上式右辺第1項)と塩基触媒反応(右辺第2項)についてArrheniusプロツトを行い活性化パラメーター(頻度因子,活性化エネルギー)を算出した。この頻度因子の見地から,酸触媒機構を考察し,あわせてBronstedプロット(勾配0・35)から考察した.この結果,律速段階はメラミンに対するホルムアルデヒドの付加反応による窒素-炭素結合生成(双性イオンを含む錯体,T+.HB+の生成)と推定された
  • 上宮 成之, 佐々木 秀人, 松田 剛, 菊地 英一
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 669-675
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    選択的水素透過性を示す担持パラジウム薄膜の調製におけるパラジウム無電解めっき浴の最適条件と支持体表面の活性化の検討を行った。二液型活性化処理で支持体表面を活性化すると,処理回数とともにパラジウム核担持量が増加し,初期めっき速度は増加した。しかし,処理回数が30回以上ではスズがパラジウム核を被覆し,初期めっき速度は減少した。また,二液型活性化処理に硝酸銀処理工程を導入すると,初期めっき速度が大きくなった.パラジウムテトラアンミン錯体,EDTA,アンモニア水を含むアルカリ性溶液からのパラジウムめっきについて,最適めっき浴組成や条件を求めた。パラジウムの析出速度に大きく影響する因子は,浴温とヒドラジン濃度であった。
  • 堂野 礼三, 大淵 真一, 三浦 智弘, 加世田 定道, 白子 忠男
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 676-681
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の非環状ジアミド化合物L1,,L2,L3および転を合成し,こ流らを配位子として遷移金属イオくン(Co2+.Ni2+.Cu2+.Zn2+)の溶媒抽出ならびに液膜輸送を脂溶性の対陰イオン(ピクリン酸イ,オン,C104-)の共存および非共存系について行い金属イオンの輸送能を検討した。L2はC104-存在下,pHが約3~5.3の範囲でCu2+のみを選択的に抽出し,他の遷移金属イオンはほとんど抽出されない。さらに・脂溶性の大きなピクリン酸イオン共存下ではCu2+の袖出率は増大したが,脂溶性の対陰イオンが共存しないCuC12単独の溶液ではCu2+を抽出しない。また,L4についてもピクリソ酸イオンおよびCIO4の共存下ではL2の場合とほぼ同様の結果が得られ,L2,L4はともにCu2+に優れた選択性を示すことが認められた。しかしL4ではCuC12単独の溶液においてもCIO4-共存系と同程度めCu2+を抽出し,ま・た平衡状態におけるCu2+の輸送率は90%以上になる.一方,L4の水-メタノール溶液にCuC12を添加するとpHがいちじるしく低下するが,L2ではこの様な現象は見られず,L4はアミド水素を解離してCu2+と非イオン性錯体を形成していることを示唆している。
  • 山崎 澄男, 木騎 洋一, 大浦 博樹
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 682-687
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    塩基性溶液中でヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)6]3-)の光分解反応を紫外線光源(低圧水銀ランプ)を用いて窒素雰囲気中で検討した。[Fe(CN)6]3-の光分解反応は水酸化物冴オンの濃度に依存して複雑に変わることがわかった。o.1mol.dm-3 NaOH溶液では[Fe(CN)6]3-が,初めにペンタシアノアクア鉄(II)酸イオン[Fe(CN)5.H20]-3とシアン化物イオン(CN-)になり,さらに照射を続けると[Fe(CN)5・H2O]3-は水酸化鉄(III)の沈殿となり,CN-はOCN-に酸化される。.また,2mol・d-3 NaOH溶液では[Fe(CN)6]3-は初めヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)6]4-)になった後に,[Fe(CN)5.H20]3-を経ながら可溶性鉄(III)物質とOCN-になる。以上,各NaOH濃度溶液においては,[Fe(CN)6]3-のFe(III)が[Fe(CN)5・H20]3-および[Fe(CN)]4-のFe(II)に還元され,さらに再びFe(III)に酸化されている。一方,CN-はOCN-になっている。また,中性および弱酸性溶液においては[Fe(CN)6]3-が主にFe(II)とCN-に解離するのみでOCN-は生成しなかった。これら,Fe(III)のFe(II)への還元および再酸化,またCN-のOCN-への酸化などの現象は,下記のOH-の光分解によって生成する電子(e)と酸素(02)によるものと思われる。2 OH- --. 1/2 O2+H2O+2 e-そこで,[Fe(CN)6]3-の光分解反応に二,三の金属酸化物半導体の添加効果を調べたところ,Tio2(ルチル型),ZnOなどが触媒効果を示すことがわかった。
  • 高橋 一暢
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 688-691
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    原子吸光分析法によって養殖ブリの各臓器(筋肉,肝臓,血液,胃,腸,幽門垂,脾臓,腎臓および卵巣)中の微量元素(スズ,銅,亜鉛およびマンガン)の定量ならびに筋肉部位の試料採取方法について検討した。養殖ブリの各臓器約10gを100 mlKjeldahlフラスコに秤取して,16mo1・dm-3硝酸-31%過酸化水素水により加熱分解し,各臓器中の微量元素の含有量(wet,μg/g)を求めた。その結果,銅の含有量は,肝臓>>血液>腎臓,腸>脾臓,胃>幽門垂,筋肉,卵巣亜鉛の含有量は,卵巣>>腎臓>脾臓>肝臓,胃>幽門垂,腸,血液>筋肉マンガソの含有量は,肝臓>腸>腎臓>胃,脾臓,幽門垂>血液>筋肉,卵巣であた。なお,スズの含有量はいずれの臓器も1Oμg/g以下を示した.また筋肉部位中の銅含有量は頭部から尾部に接近するにつれて増加した。このことから,尾部に接近するほど筋肉中の赤身肉が多くなり,この赤身肉によって銅含有量が支配されると推察した。
  • 田中 茂, 岡森 克高, 橋本 芳一, 大歳 恒彦
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 692-698
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    黄砂の発生源である中国砂漠土壌および日本各地の土壌と,1980年4月から1982年3月までの目本各地の大気粉じんとを蛍光X線分析法で多元素分析し,環境試料中のRbとSrとの濃度比から黄砂現象が環境大気におよぼす影響を推定した。土壌中のRbとSrとの濃度比は,中国砂漠土壌で約0.47,西日本地域土壌では0.8以上,東日本地域土壌では0.6以下の値となり,その濃度比に顕著な地域的相違が認められた。一方,日本各地での大気中のRbとSrとの月別濃度比を測定しtその年平均値をとった結果,東日本地域では約0.4,大都市・工業地域では約0.90西日本地域では約0.6となり土壌中のRbとSrとの濃度比と同様に地域的相違が認められた。しかし,黄砂が全国規模で発生した1981年5月においては,全国各地での大気中のRbとSrとの濃度比は中国砂漠土壌中のRbとSrとの濃度比(0.47)の値に収束した。この傾向は黄砂の影響を大きく受ける西日本地域において顕著に現われ,黄砂境象が日本の大気にばく大な影響をおよぼしている事が推定された。
  • 西山 丈夫, 亀岡 弘
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 699-701
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Reactions of 2-cyano-4-(m-methoxypheny1)-3-methy1-2-butenenitrile (2) and ethyl 2cyano-4-(m-methoxypheny1)-3-methyl-2-butenoate (3) with concentrated sulfuric acid afforded 2, 3, 6-trisubstituted 1-naphthylamines ( 4 ) and (5 ), respectively. Reaction of (3)with acetamide afforded 2, 3, 8- and 2, 3, 6-trisubstituted 1-naphthols, (6 ) and ( 7). Compounds, (8 ) and ( 9 ) obtained by methylation of (6 ) and (7), reacted with methylmagnesium iodide to give 2-acetyl-1-naphthols, (1O) and (1 1), which were analogous to musizin (2acetyl-3-methy1-1, 8-naphthalenediol).
  • 重本 匡史, 伊藤 胸彦
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 702-704
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    p-Propylphenol was coverted to p-methoxyphenylpropane and then oxidized with lead tetraacetate in acetic acid to give anethole. The synthetic route may be general for a-acetoxylation of the side chain of alkylphenol derivatives. Intermediate α-acetoxylated compounds were also isolated and their 'H- and 13C-NMR spectra were presented together with those for final products.
  • 柿並 孝明, 岡本 厳, 末永 博之, 宇都宮 朋久, 梶返 昭二
    1990 年 1990 巻 6 号 p. 705-708
    発行日: 1990/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Yamaguchi University; Tokiwadai, Ube-shi 7 5 5 Japan The reaction of acetanilides with equimolar amounts of benzyltrimethylammonium tribromide and zinc chloride in acetic acid under mild conditions gave the bromo-substit-4-ted acetanilides in good yields. Halogenation Using Quaternary Ammonium Polyhalides, XXV.
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