理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
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27 巻, 3 号
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原著
  • —Internal Focus of Attention教示とパフォーマンスの知識との組合せによる運動学習への効果—
    鈴木 博人, 大柄 亨, 木村 裕, 鴫原 ゆう季, 柴田 宝子, 星 杏奈, 明庭 圭吾, 藤澤 宏幸
    2012 年 27 巻 3 号 p. 249-255
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕姿勢最適化トレーニングのモデルとしてファンクショナル・リーチ(FR)を取り上げ,internal focus of attention(IFA)教示に対して,パフォーマンスの知識(KP)を与えた場合の運動学習への効果を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常大学生23名とした.〔方法〕プレテストにてFR距離および重心位置を測定した後,被験者をIFA群とコントロール群に割り付けた.その後,5日間連続でFR動作の練習期間を設け,IFA群にのみIFA教示とKPを与えた.練習期間終了の翌日と1週間後における保持テストの測定値を群間比較した.〔結果〕IFA群は練習期間の経過に伴い,練習日内の前半に最大のパフォーマンスを示す傾向がみられた.〔結語〕KPを組み合せたIFA教示はパフォーマンスの即時的な発揮を促す可能性が示唆された.
  • 今岡 真和, 樋口 由美, 呉本 冬馬, 藤堂 恵美子
    2012 年 27 巻 3 号 p. 257-261
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕介護老人保健施設入所車椅子使用者を対象に,転倒発生状況と関連要因を検討した.〔対象〕車椅子使用高齢者で,車椅子を自走する123名とした.〔結果〕調査期間内に転倒した者は68名(女性42名)で,そのうち21名が入所から2カ月以内に転倒していた.転倒場所はベッドサイドとトイレに集中しており,転倒の方向は後方転倒が74%を占めた.〔結語〕車椅子使用者の転倒予防には,入所早期の適切な転倒リスクアセスメント,居室環境と排泄関連動作の安全性を向上させる必要性が示唆された.
  • 藤高 紘平, 藤竹 俊輔, 来田 晃幸, 橋本 雅至, 大槻 伸吾, 大久保 衞
    2012 年 27 巻 3 号 p. 263-267
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足部アーチ保持筋力トレーニング効果が大学サッカー選手の足関節と足部のスポーツ傷害に及ぼす影響を検討した.〔対象〕大学サッカー選手30名とした.〔方法〕対象を2群に分け,足趾把持筋力,アーチ高率,最大1歩幅,片脚立位保持時間などを測定し,経過観察中に発生したスポーツ傷害を調査した.トレーニング群には,1年間の足部アーチ保持筋力トレーニングを実施し,2群間で測定・調査項目を比較した.〔結果〕トレーニング群では足趾把持筋力,最大一歩幅,片脚立位保持時間が有意に増加し,足関節捻挫発生数が有意に少なかった(χ2=4.66).〔結論〕足部アーチ保持筋力トレーニングにより,足趾把持筋力の向上や姿勢制御能の改善が導かれ,足関節捻挫の発生数低下に影響を与えたと推察された.
  • 上田 泰久, 大竹 祐子, 上條 史子, 金子 雅明, 千代丸 正志, 望月 久
    2012 年 27 巻 3 号 p. 269-272
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    要旨:〔目的〕感覚入力の制限された環境下で頭頸部アライメントの変化が重心動揺に及ぼす影響を検討した.〔対象〕健常な成人男性10名とした.〔方法〕運動課題は開脚10 cmの立位姿勢を20秒間保持するものとした.感覚入力の制限は,感覚を制限しない条件,視覚系を制限した条件,体性感覚系を制限した条件,体性感覚系と視覚系を制限した条件を設定した.頭頸部アライメントは,頸部中間位,頸部屈曲位,頸部伸展位の3種類を設定した.感覚入力制限の各条件において頭頸部アライメントが重心動揺に及ぼす影響を検証した.〔結果〕体性感覚系と視覚系を制限した条件では,頸部を伸展位にすると他肢位よりも重心動揺が大きくなった.〔結語〕感覚が複合的に制限される条件ほど,姿勢保持において頭頸部アライメントの重要性が高くなることが示唆された.
  • 永渕 輝佳, 前 達雄, 永冨 孝幸, 玉木 彰, 米田 稔, 綾田 裕子
    2012 年 27 巻 3 号 p. 273-277
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕鏡視下バンカート修復術後の術前から術後24週までの下垂位外旋可動域に対する年齢の影響を評価することを目的とした.〔対象と方法〕鏡視下バンカート修復術を施行した90例90肩を対象とし,10歳代(A群),20歳代(B群),30歳代(C群)の3群に分け,各対象者の外旋角度を測定した.また,術前からの低下率を算出し3群で比較した.〔結果〕平均可動域は,術前と術後24週ではAとC群間のみに有意な差が認められた.術前からの低下率は,C群は術後6週,8,12週においてA群よりも有意に大きかったが,24週では有意差は認められなかった.〔結語〕年齢が高い程,可動域の改善が遅延することから固定期間の短縮や可動域訓練の迅速化など,後療法を再考する必要があると思われた.
  • 豊田 愼一, 唐沢 延幸, 日比野 至, 坂野 裕洋, 古川 公宣, 沖田 実
    2012 年 27 巻 3 号 p. 279-284
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕末梢神経軸索損傷に対する超音波療法の影響を確認すること.〔対象〕8週齢ウィスター系ラット18匹を無作為に無処置対照群,坐骨神経圧挫後超音波治療群,坐骨神経圧挫後超音波非治療群に分けた.〔方法〕治療群,非治療群は両側坐骨神経圧挫損傷処置を行い,治療群に対しては週5日の超音波治療を行った.刺激条件は,周波数1 MHz,強度1.0 W/cm2,パルス照射20%,治療時間10分とし,2,4週目に坐骨神経を採取し組織学的検索に供した.〔結果〕平均有髄神経数は治療群が2週目より有意に高値を示し,4週目において顕著な増加を認めた.平均軸索直径は,治療群が2,4週目において有意に低値を示した.〔結語〕末梢神経軸索損傷に対する超音波療法は,神経再生を促進する効果があることが示唆された.
  • 山本 洋之, 柳田 泰義
    2012 年 27 巻 3 号 p. 285-289
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕歩行中の膝関節角度の変動パターンが,伸張性テープを大腿前面に貼付することによりどのように変化するかを確認すること.〔対象〕通常歩行中の膝関節角度の変動パターンが,正常とされるパターンではないタイプを示す10名.〔方法〕通常の歩行と,伸張性テープを大腿前面に貼付した状態での歩行を行わせ,歩行中の膝関節角度を電子角度計で測定した.膝関節角度の時間的変化をグラフ化し正常な変動パターンとの比較をした.〔結果〕10名中6名においては膝関節角度の変化が改善され正常なパターンに近似するものとなっていた.〔結語〕伸張性テープを大腿前面に貼付することにより,歩行中の膝関節角度の変動パターンは変化した.膝関節角度の変化は随意的な筋力調整ではなく,皮膚からの刺激により反射的な張力の変化が生じた可能性が示唆された.
  • 小島 基永, 大渕 修一
    2012 年 27 巻 3 号 p. 291-296
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者向けマシントレーニングで,判定者の熟練度に依らない負荷見極め方法の確立を目指し,動作中加速度の時系列スペクトルから算出するエントロピーの有用性を検討した.〔対象〕ディサービス利用者21名とした.〔方法〕運動指導者による負荷見極めによる判定が,良好である動作と不良である動作それぞれにおいて算出したエントロピーを比較した.〔結果〕動作の範囲が負荷の増大とともに小さくなった6名を除いた比較で,不良と判定された動作において,統計学的に有意に大きなエントロピーが認められた.〔結語〕運動指導者による動作範囲の低下への注意に,このエントロピーを組み合わせると,より定量的な評価に基づく負荷の見極めが可能になる.
  • 西尾 大祐, 前島 伸一郎, 大沢 愛子, 平野 恵健, 皆川 知也, 木川 浩志, 丸山 仁司
    2012 年 27 巻 3 号 p. 297-301
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕早期在宅復帰に向けた回復期リハビリテーション(リハ)病棟への転院に適した脳卒中患者の条件を明らかにすることを目的とした.〔対象〕回復期リハ病棟に入院した脳卒中患者118名とした.〔方法〕背景,退院計画の内容,入院経過,神経症候,日常生活活動(ADL)を評価し,その値を在宅復帰群と施設・転院群の2群間で比較した.〔結果〕年齢,性別,同居家族数,発症から転院までの日数は両群間で差を認めなかったが,在院日数,入・退院時の神経症候・ADL,ADLの改善度は両群間で差を認めた.また,在宅復帰群は施設・転院群に比べて,同居家族によるADL介助を前提とした在宅復帰の希望が多かった.〔結語〕同居家族が患者の病状を認識してADL介助に協力的であることが,回復期リハ病棟への転院において重要である.
  • 出口 直樹, 岩本 久生, 金澤 浩, 白川 泰山
    2012 年 27 巻 3 号 p. 303-307
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的はバランスツールの違いによってエクササイズの効果が異なるかを明らかにすることである.〔対象〕70歳以上の高齢者45名(平均年齢83.2歳)とした.〔方法〕対象はバランスエクササイズを実施しないC群とバランスエクササイズをディスク上で実施するD群とバランスパッド上で実施するP群とに分類し,週に2回4週間の介入を行った.評価は,Functional reach(FR),Timed up and go test(TUG),10 m walking test(10mWT)と重心動揺とし介入前と介入後に測定した.〔結果〕介入前後の変化量は,C群に比べD群で大きく重心動揺測定の全項目とFRの項目で有意な改善を認め,FRではD群はP群と比較し大きな改善を認めた.一方,C群に比べP群は,単位軌跡長と実効値面積のみ有意な改善を認めた.〔結語〕パッドはディスクに比較するとツール上の重心動揺が大きく,バランスの改善には大きな重心動揺を引き起こすエクササイズが有効であるかもしれない.
  • 末廣 忠延, 渡邉 進
    2012 年 27 巻 3 号 p. 309-313
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕コルセット使用の有無が腰部安定化運動中の体幹筋活動に及ぼす影響を検討した.〔対象〕健常成人男性10名(平均年齢21.3±0.5歳)とした.〔方法〕ダーメンコルセットを装着した条件としなかった条件でブリッジ,バードドッグ,下肢伸展拳上時の体幹筋活動を測定した.〔結果〕コルセットを装着した条件において,ブリッジとバードドッグ[右上肢・左下肢拳上]で右の内腹斜筋の活動が,また右下肢伸展拳上で右の内腹斜筋と腹直筋の活動が有意に低値を示した.〔結語〕コルセットを装着したブリッジ,バードドッグ,下肢伸展挙上の腰部安定化運動では内腹斜筋の活動が低下するため,より頻回に腰部安定化運動を行い,ローカル筋群の賦活を促していく必要があると考えられた.
  • 下田 武良, 岡 真一郎, 中原 雅美, 甲斐 悟
    2012 年 27 巻 3 号 p. 315-318
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,二重課題(DT)条件下での歩行速度の低下と,注意機能の関係を明らかにすることである.〔対象〕要支援から要介護1の認定を受けた虚弱高齢者23名である.〔方法〕自由歩行(ST歩行)時間とDT歩行時間から算出された歩行時間の変化率(Δ歩行時間)と,注意機能(Trail Making Test part A・B; TMT-A・TMT-B,TMT変化量; ΔTMT)との相関を検討した.〔結果〕Δ歩行時間とTMT-B,ΔTMTとの間に有意な正の相関が認められたが,TMT-Aとの間には有意な相関は認められなかった.〔結語〕虚弱高齢者における二重課題条件下での歩行速度の低下には注意機能の中でも分配性注意が関与していることが示唆された.
  • —基本動作能力の変化による検討—
    松本 孝彦, 國澤 洋介, 武井 圭一, 藪 純, 小林 沙希, 小林 大祐, 國澤 佳恵, 高倉 保幸, 前川 宗之, 下松 智哉, 山本 ...
    2012 年 27 巻 3 号 p. 319-324
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕被殻に限局した脳出血例に対する,歩行,階段昇降,床からの立ち上がり動作の練習開始時期を定めたフローチャートの導入効果を明らかにすることとした.〔対象〕初回発症の被殻に限局した脳出血例54例とした.〔方法〕フローチャートの導入前後に対象を分類し,各動作の練習開始時期と自立到達時期,転帰,在院日数の調査と,発症後3週でのFMSを測定し,2群間で比較した.〔結果〕導入後において,練習開始時期,自立到達時期は導入前に比べて早くなる傾向を示し,FMS合計点では導入前に比べて有意に高値を示した.〔結語〕フローチャートの導入は,練習の開始時期を早め,基本動作能力の早期回復に影響を与えた可能性が考えられた.
  • 松永 秀俊, 山野 薫, 上田 周平, 安田 大典, 藤縄 理, 吉澤 隆志, 島崎 保, 武田 功
    2012 年 27 巻 3 号 p. 325-328
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕学生指導の参考にするため通学環境と学生の不安との関連性を分析することを目的とした.〔対象〕理学療法学科に入学した大学生.〔方法〕実家からの通学群または実家以外からの通学群に分け,通学環境と不安との関係を分析した.次に両群を実家からの距離で2群に分け,実家からの距離が心理面に与える影響を分析した.〔結果〕実家からの通学群と実家以外からの通学群では不安度に有意差を認めなかった.しかし,実家以外からの通学群で実家が遠い場合は近い場合に対し有意に不安度が高かった.〔結語〕一人暮らしを始めるに当たって,全員が同様に不安を抱いている様に考えがちであるが,実家からの距離によって不安度は異なっており,環境別に対応する必要性がある.
  • 片岡 弘明, 田中 聡, 宮崎 慎二郎, 石川 淳, 北山 奈緒美, 村尾 敏
    2012 年 27 巻 3 号 p. 329-334
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,男性2型糖尿病者の筋量と血糖コントロールの関係を明らかにし,運動処方の一助とすることである.〔対象〕骨関節疾患および運動器疾患のない男性2型糖尿病者58名とした.〔方法〕血糖コントロール別に良好群14名,可群20名,不可群24名の3群に分類し,生体電気インピーダンス方式体組成計を用い上下肢・体幹筋量を測定した.〔結果〕上下肢・体幹の全てにおいて,不可群は良好群よりも有意な筋量の減少を認めた.さらに上肢,体幹においては,不可群は可群よりも有意な筋量の減少を認めた.〔結語〕上下肢・体幹筋量は,血糖コントロール不良者ほど減少していたことが明らかとなったことから,運動プログラム立案時には有酸素運動とレジスタンス運動を併用した運動を考慮する必要性が認められた.
  • 文野 住文, 鈴木 俊明
    2012 年 27 巻 3 号 p. 335-339
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕イメージする等尺性収縮による母指対立運動の収縮強度の違いによる脊髄神経機能の興奮性変化をF波を用いて検討した.〔対象〕平均年齢24.7±7.27歳の健常者25名とした.〔方法〕F波測定を安静時,ピンチメータを軽く把持しながら最大収縮の10%または50%収縮強度での母指対立運動をイメージした状態(10%運動イメージ試行,50%運動イメージ試行),運動イメージ直後,5分後,10分後および15分後の各時点で,この順に行った.〔結果〕F波出現頻度,振幅F/M比は,10%・50%運動イメージ試行共に安静試行と比較して有意に増加した.また,安静時に対する50%運動イメージの振幅F/M比の相対値が10%条件と比較して増加傾向であった.〔結語〕運動イメージの際,目的とする運動を行う筋の収縮強度を考慮する必要が考えられた.
  • ─三次元動作分析システムを用いて─
    岩本 直也, 藤 大樹, 勝平 純司, 丸山 仁司, 満倉 靖恵
    2012 年 27 巻 3 号 p. 341-344
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕右ストレートパンチ動作における,初心者への指導ポイントを抽出するために,群間(経験・未経験)における骨盤の動きを比較した.〔対象〕競技経験者5名(27.3±4.5歳)と未経験者7名(22.3±1.2歳)とした.〔方法〕実験では三次元動作分析システムを用いて,パンチ動作は3回計測した.測定項目は骨盤の回旋角度と回旋角速度,および回旋時間とした.骨盤の最大回旋角度を基準とし,加速期と復元期に分割した.各期間における各測定項目の平均値を用いて,経験群と未経験群に対して有意差検定を行った.〔結果〕群間における最大回旋角度と両期間の最大角速度,および復元期の平均角速度に有意差を確認した.〔結語〕ボクシング初心者の指導では,すかさず“構え”に戻れるように指導する必要性が示唆された.
  • 岡本 光央, 山崎 貴博, 木藤 伸宏, 佐々木 久登
    2012 年 27 巻 3 号 p. 345-349
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Active Straight Leg Raise時に下肢が重いという感覚の有無と体幹筋および下肢筋の筋活動量との関連性を調査した.〔対象〕11人の男性健常者とした.〔方法〕被検者にASLRを実施し,重いと感じる側の下肢を判別した.さらに,負荷がある時と負荷がない時のASLR時における両側体幹筋および下肢筋の筋活動量を検討した.〔結果〕負荷がありで重いと感じる下肢挙上側と反対側外腹斜筋の筋活動量が同側外腹斜筋の筋活動量に比べてより低値を示した.さらに,負荷がない時に重いと感じる下肢挙上側と反対側中殿筋の筋活動量も外腹斜筋と同様のパターンを示した.〔結語〕ASLR時の下肢が重いという感覚の有無は,下肢挙上側および反対側外腹斜筋,および反対側中殿筋の活動性低下に関連している.
  • 内田 全城, 丸山 仁司
    2012 年 27 巻 3 号 p. 351-354
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕立位頸部回旋位が自覚的視性垂直定位に与える影響を把握すること.〔対象〕健常人20名(平均年齢22.7±1.7歳)とした.〔方法〕立位にて7条件(0度,左右15度,30度,45度)に設定した頸部回旋位において自覚的視性垂直定位を測定し,頸部0度におけるSVVとの偏位量を算出した.統計解析として二元配置分散分析,およびその後の多重比較検定を用い頸部回旋運動が自覚的視性垂直定位に与える効果の有無を検証した.有意水準は5%未満とした.〔結果〕頸部左右回旋0度より30度および45度においてSVV偏位量が高値を示した.また左右回旋30度および45度において頸部回旋方向への有意なSVV偏位を認めた.〔結語〕頸部回旋位では側屈による眼位のズレにより,回旋性視運動刺激の影響を受けることが示唆された.
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