近年, エネルギーの有効利用及び環境問題への対応等, 将来へ向けての課題が多くある中, 回収ボイラーにおいても, 高温・高圧・高効率化, 更には大容量化が進みつつある。
当新潟工場は, 回収ボイラー2缶, 及び重油ボイラーの運転で操業を行ってきたが, 現状の問題点の改善と将来計画に沿った回収ボイラー導入の検討が行われた結果, 黒液固形分1,900T/D, 主蒸気条件110kg/cm
2×515℃の高温・高圧・高効率・大容量の第7号回収ボイラー (三菱重工業製) の導入が決定され, 建設が行われた。平成9年1月使用前検査を終了し, 以降営業運転を開始, 現在に至っている。運転当初は, SO
2の変動等操業の不安定もあったが, 原因の把握と対策及び調整運転を繰り返すことによって安定操業の実現を達成することが出来た。
7号回収ボイラー導入の背景として, 設備トラブル, 操業トラブルによる操業の不安定化, 並びに回収ボイラー定期検査による操業度の低下, 臭気騒音等環境問題への対応, 設備近代化による諸効率の改善等細部にわたり検討が行われた。7号回収ボイラー運転後, 従来の操業での問題点改善と安定操業を達成することが出来, 工場収益改善に大きく寄与している。
今後, 工場生産増加に伴い, 回収ボイラーの定格負荷が実現する中で, 高負荷連続操業を実現するかが今後の課題であり, 現状把握と操業経験を活かし, 長期安定操業の実現を図って行く。
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