ドライヤパートは古くから多筒式ドライヤで, 蒸気による熱を利用した乾燥形態を用いているが, 紙品質的には, 紙中の水の蒸発過程による水分移動の不均一性 (表裏差) や幅方向の水分の均一性がドライヤパートの紙品質に大きく関与する。ドライヤパートの形式を見ると, 高速化の流れからドライヤパート配列は, 2段ドライヤからオールトップ配列へと変遷している。
近年のドライヤパートの開発動向に目を向けると, 機長短縮やドライヤ周辺機器の充実化が主流となっている。紙の市場動向は, 国内紙需要の飽和状態より, 製紙会社による設備投資は控えられている反面, 中国を始めとする海外では, 設備投資も活発に行なわれ, 最新鋭抄紙機による紙が国内にも入りこもうとする勢いである。国内市場では, 優位性のある紙作りに動きつつある。また, 近年, オフセット輪転機が伸びており, 特有の印刷障害の改善に各製紙会社は取り組まれている。
この流れの中, ドライヤパートでできる紙品質, 特に寸法安定性, カール, そして, 最近現れている表面のボコツキ等の改善方法について, 有効なドライヤパート配列, 特にリバース群付きのトータルベルラン及びオールトップ+エアキャップを提案するものである。
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