(背景)国際的二次資料活動との協調関係に入る最初の着手として,JICSTはACSとCACondenates(以下CAC)利用のライセンス契約を結び,昭和48年度より,それによるSDIサービスを予定している。昭和47年度はその予備実験を行なう。(目的)CAC利用技術の確立と,JICST文献検索磁気テープ化学編(以下JICST一化学編)との相互有効利用のためのデータを得ることを目的として,部内実験と部外実験を行なう。本報告は部内実験の中の検索実験の結果を報告する。(方法)実験対象は昭和47年1月~6月発行のCACおよびJICST一化学編とし,用いる質問は実際に受付けた調査依頼の中から約60問を選んだ。検索ソフトウエアはJICST情報検索システムBCDモードを用い,ハードウエアはF230-50である。CASオリジナルよりJICST-CACフアイルへの変換はF230-25で行なう。機械検索の結果は4段階の適合度判定を行なう。質問の約半数は,抄録誌によるマニュアルサーチを行ない再現率を求める。(結果)検索効率の評価法を設定し,適合率と再現率によって結果を評価し,CACとJICST一化学編の相互の比較を行なった。検索効率の悪いものについて個々にその理由を分析し類型化した。プロファイル修正の効果を分析した。(考察)実験結果は一応成功とみられる。JICSTの検索能力では,CACとJICST一化学編の検索結果に有意な差はみられない。検索効率の悪いものは,現在のインデクシングおよび機械検索の限界を示している。(課題)CACの有効利用,JICST一化学編の内容改善のためには,更に精密なファイル内容の分析が必要であり,現在進行中である。
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