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55 巻, 5 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 伊藤 啓
    2012 年 55 巻 5 号 p. 307-317
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2012/08/01
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    遺伝子の変異や目の疾患によって色の知覚が異なる人が,日本には500万人以上存在する。これらの人は,特定の組み合わせの色が識別しにくい以外に,赤い表示を見落としやすい,色名がわからないなどの不便が生じる。フィルターやパソコンソフトで提供されているツールを使うと,こうした色の見分けにくさを疑似体験できる。色を使ったデザインを行う際は,これらのツールで確認しながら,できるだけ見分けやすい配色を選ぶ,形の違いなど色以外の方法を併用して情報を伝える,色名を表記するなどの工夫を行い,伝えたい情報が誰にでも理解してもらえるようなカラーユニバーサルデザインに配慮する必要がある。
  • 島田 貴史
    2012 年 55 巻 5 号 p. 318-328
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2012/08/01
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    慶應義塾大学メディアセンターが2010年度から2012年度に行った電子学術書利用実験プロジェクトの最終報告として,実験の成果や意義を報告した。同実験は学術出版社や協力企業と共同で電子化した学術書(既刊書・和書)を学内に提供する実証実験で,大学図書館に対して,学術書を中心とする電子書籍提供モデルの可能性について検討を行うものであった。本稿は利用実験に焦点を当て,アンケート調査と聞き取り調査をもとに,「学生は電子書籍をどのように感じ,何を期待しているか?」を中心に論じた。利用者は検索,表示,目次の機能を重視し,「調べる読書」の電子化への要望が強い。また学習に関する電子化された情報を管理するネット上の「場」を望んでいることがわかった。得られた結果をもとに,教育インフラとしての電子書籍や新しい教科書の可能性を探った。研究や学習・教育の変化により,日本の大学図書館では学術書籍の大量電子化作業が不可欠である。慶應義塾大学メディアセンターでは他機関図書館との共同実験を計画し,電子書籍の汎用的な利用モデルの実現を目指している。
  • 三輪 唆矢佳, 安藤 聡子
    2012 年 55 巻 5 号 p. 329-338
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2012/08/01
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    リサーチフロントとは,「強い共引用関係によって結び付けられる高被引用論文(Highly Cited Papers)グループ」を指す。それらの論文グループが示すのは確固たる名前のついた研究分野として確立する以前の「先端研究領域」と考えられる。本稿ではリサーチフロントの概念を解説し,この手法によりどのような研究評価が可能かを考察する。そして,過去3回行われたトムソン・ロイターの「リサーチフロントアワード」を振り返り,その意義と日本の研究の萌芽を紹介する。リサーチフロントの概念は,国の重要な科学技術関連資料に取り入れられている。研究機関・大学の研究評価のためのビブリオメトリックス手法の1つとして,インフォプロにとっての活用例を紹介する。
  • 長澤 洋
    2012 年 55 巻 5 号 p. 339-346
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2012/08/01
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    グローバル化の流れの中で企業はその生き残りをかけて海外進出を果たし,それに伴い知財も海外との関わりを必然的に深めている。一方で知財を取り巻く環境が大きく変化しつつあり,IT分野などでは知財を武器として特許訴訟が多発し,そのための特許や企業の買収などが起きている。本稿では企業の海外進出の背景や現状,知財環境の現状を眺め,さらには知財情報の現状と問題点を検証した上で,今後は知財情報の一元管理を行うようなシステムを作り,そこから情報が提供されるようにすべきとの提案を行う。さらにグローバル化と知財環境の変化に対応する人材の資質として,強い意志を持っていること,言語や習慣の違いを乗り越えて自分の考えを的確に伝えることができるコミュニケーション能力を持っていることが必要であり,そのような人材をどのように育成していったらよいのかを提案する。
  • 畠中 秀樹
    2012 年 55 巻 5 号 p. 347-353
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2012/08/01
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    多数乱立する生命科学系データベースの統合は,従来日本では関係する省ごとに取り組まれてきた。この取り組みをオールジャパンで進めるために,内閣府の主導のもと2011年度より,文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省の間で協力体制が築かれ,カタログ・横断検索・アーカイブ・再構築の4つのステップに沿ってデータベースの統合が進められている。本稿ではこの4つのステップの現状を紹介するとともに,データ共有やRDF化など,各ステップにおける課題に触れる。
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