最近,「マルチメディア」という言葉が,様々な局面で登場するようになった。それは,日本企業と海外の企業との共同開発,業務提携,出資,また企業内組織として「マルチメディア」対応の部署ができたなどのニュースであったりする。ニューメディア関係では,ある「メディア」がマスコミに登場する頻度が高くなると,そのメディアは成功しないというジンクスがある。果たして「マルチメディア」も同様であろうか。事実,具体的な応用イメージが掴めないという声も聞く。将来への期待と不透明感が人々の混乱のもとになっているのかもしれない。ここでは,「マルチメディア」の現状を第一回目で概観し,第二回目に,その応用事例を述べるとともに,課題を見つめ,将来を展望していくことにしたい。進展しつつある「マルチメディア」の把握に役立てば幸いである。
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