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54 巻, 9 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 田中 博
    2011 年 54 巻 9 号 p. 521-532
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    「国民一人ひとりの生涯にわたる健康医療電子記録」であるElectronic Health Record(EHR)のわが国での実現形態,すなわち「日本版EHR」の実現をめぐって現状,諸課題,将来の方向を述べた。まず欧米での各国独自なEHR構築状況を紹介した後,わが国における現在の問題として「地域医療の崩壊」状況を示し,再生すべき医療の基本方向を論じた。さらに現在の国の取り組みの現状や,地域医療の再生を担う地域EHRの実現を通して日本版EHRを達成する長期的戦略について述べ,そのための具体的方針を提示した。
  • 新井 紀子, 坂内 悟
    2011 年 54 巻 9 号 p. 533-544
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    科学技術振興機構が提供してきた研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と,情報・システム研究機構が提供してきたResearchmapは2011年11月をもって正式統合を果たし,ReaD&Researchmapとして新たなサービスを開始した。本稿では,研究資源・研究情報が各時代のニーズおよび技術の下でどのように収集・利活用されてきたかを概観するとともに,研究資源が発生時点からデジタルであるようなボーンデジタル時代に学術研究情報のエコシステム(循環型情報活用基盤)を今後いかに確立すべきかについて述べる。
  • 小林 麻実
    2011 年 54 巻 9 号 p. 545-554
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    2003年東京都港区に私立会員制図書館として創設されたアカデミーヒルズ六本木ライブラリーの理念と実践を紹介する。著者は,図書館の意義を「過去の先人の残した知見や同時代の他者が持つ知識・経験といった情報を共有することにより,新たなイノベーションを個人が創り出していく場」ととらえ,新しい学びや協働を育む「場」を社会人に対して提供してきた。組織を離れた個人としてのつながりや情報交換が図書館内に生まれるように8年にわたってさまざまな工夫を重ねている。その結果としてラーニングコモンズやコワーキングという言葉が生まれる以前に,その内容を実践してきた。
  • 時実 象一, 井津井 豪, 近藤 裕治, 鶴貝 和樹, 三上 修, 野沢 孝一, 堀内 和彦, 大山 敬三, 家入 千晶, 小宮山 恒敏, ...
    2011 年 54 巻 9 号 p. 555-567
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    現在海外では科学技術医学分野における主要学術雑誌の論文はほとんどPDFとともにHTMLでオンライン公開されている。これらは内部的には各種SGMLまたはXMLで編集されているが,外部に対しては,ほとんど米国医学図書館(National Library of Medicine: NLM)が策定したNLM DTD(NLM Journal Archiving and Interchange Tag Suite)にしたがったXMLで流通している。しかし日英混在の書誌・抄録・引用文献情報を持つわが国の多くの学術論文は,英語世界で生まれたNLM DTDで適切にXMLで表記することができなかった。筆者らはこのNLM DTDを,日本語を含む多言語に対応できるよう拡張するためのワーキング・グループSPJ(Scholarly Publishing Japan)を結成し,米国のNLM DTDワーキング・グループと連携しながら検討・提案を行った。その結果は2011年3月にNISO(National Information Standards Organization)のJATS(Journal Article Tag Suite)0.4(NLM DTD 3.1が移行)における多言語機能として公開された。本稿では,学術論文におけるSGML,XMLなどマークアップ言語の利用の歴史を振り返るとともに,SPJの活動の経緯,実現したJATS 0.4の概要について述べる。
  • 菰田 文男
    2011 年 54 巻 9 号 p. 568-578
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    テキストデータの電子化とコンピューターの情報処理能力の向上は,構造化されていないテキストデータを解析し,価値のある知識を取得することを可能にした。テキストマイニング研究の意義は,今後ますます高まることが予想されており,企業の技術経営(MOT)においては,事業の「選択と集中」など重要な意思決定を行う際の利用が期待されている。しかし,経営判断に影響を与えるような信頼性の高い知識を発見するためのテキストマイニング手法は,これまで十分に確立されているとはいえない。そこで本稿では,テキストマイニングに人間の実際的な知識を効果的に導入する手法を考案し,その手法が企業の意思決定に利用可能な知識を発見し得るかを検証した。具体的には量子ドット太陽電池を解析事例に取り上げ,テキストマイニングで抽出した単語に関連キーワードを組み合わせた「単語セット」を作成,進化させる方法を示し,その有効性について論じる。
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