英国Oxford大学で作られている「健康と病いの体験」のデータベースDIPExは,1,500人を超す患者のインタビューを収録したデータベースである。その一部はインターネットを介して一般に公開されており,患者や家族,医療提供者がビデオ映像を通じて,さまざまな“病いの語り”に触れることができるようになっている。「患者体験」に注目が集まる昨今,国内でも闘病記や闘病ブログのデータベースがネット上に誕生しているが,それらのサイトとDIPExはどのような点で異なるのだろうか。DIPExを支える理念と英国における実践,日本でも始まった「がん患者の語り」データベース作成プロジェクトの進捗状況について報告する。
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