世界48の国・地域の特許を収録したDerwent World Patents Index(DWPI)は,サービス開始から50年を迎えた。この半世紀の間にわたる特許情報の提供,利用環境は劇的に変わったが,付加価値型二次データベースとして世界中の企業等で特許調査に利用されている。DWPIの特徴は,専門家による抄録,それも特許固有の情報要素を反映した構造化抄録と各技術分野に応じた独自の分類等の付加索引にある。ここでは,この構造化抄録に注目して,日本の特許公報を対象に評価検討した。構造化抄録のフィールドには,必須フィールドとオプションフィールドがあるが,必須の3フィールド,すなわちNovelty,Advantage,Useについて評価検討し,いくつかの知見を得たので報告する。
生物医学画像データを自動分類できる能動学習型ソフトウェアClustering-Aided Rapid Training Agent(CARTA)を開発した。CARTAは,自己組織化マップによる画像のクラスタリングを介して,専門家の意見を繰り返し学習することで,研究や検査目的にあった的確な分類基準を自動的に検討して選択する。判別が難しい2種類のがんについて核磁気共鳴画像法で画像を取得し,CARTAを用いて分類したところ,2種類のがんを由来別に,高精度で分類することができた。CARTAは生物学,医学,数学と情報科学が融合した学際的な次世代ソフトウェアであり,今後,生物医学画像の自動分類や定量解析の有力な支援ツールとなる。