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57 巻, 4 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 樋口 万季
    2014 年 57 巻 4 号 p. 223-233
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/07/01
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    2011年11月に開館した千代田区立日比谷図書文化館のねらいと方針をまず提示し,前身の日比谷図書館の歴史と,東京都から千代田区への移管の背景を概観する。次に現在の実践について,特に図書部門の企画サービス活動を中心に,その内容と企画主旨を紹介する。当館は,前身の日比谷図書館を基盤に,ミュージアムやカレッジを組み入れた複合施設として「知の拠点」を目指し,新しい都市型図書館像を具体化しようとしている。さらに指定管理者として民間のノウハウを活用し,積極的な事業展開により区の負担を抑制し,既存の図書館のイメージにとらわれない新しい文化施設を目指している。最後に,21世紀の都市型図書館を考える1つのきっかけとして,当館の成果と今後の課題・展望を提示する。
  • 大木 洵人
    2014 年 57 巻 4 号 p. 234-242
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/07/01
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    本稿では,情報技術を駆使した聴覚障がい者向けサービスを紹介する。日本の聴覚障がい者が直面している社会課題を取り上げ,その解決に情報技術がどのように役立つのかを著者が代表を務めるシュアールグループの事例を中心に説明する。(1)聴覚障がい者や手話に対する理解の低さ,(2)聴覚障がい者と聴者における機会提供の格差,(3)聴覚障がい者に向けたサービスの限界などの社会的背景から,(1)手話通訳者の不足,(2)手話から引く辞典の欠如,(3)手話による娯楽の不足といった社会的課題に直面している。これらの課題を解決するために,シュアールでは,(1)遠隔手話通訳,(2)手話キーボード,(3)手話ガイドアプリ,(4)手話ポッドキャストの4つのサービスを提供している。これらすべてのサービスは近年の情報技術の発展がなければ生まれなかったものであり,まさに情報技術が社会課題の解決に寄与する実例である。
  • 最上谷 誠
    2014 年 57 巻 4 号 p. 243-250
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/07/01
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    リコーイメージング株式会社では,他社特許の評価を技術者と知財担当者が協力して行うのに効率的な特許評価システムの構築を行い,運用することになった。これは,特許調査ツールを利用することにより,管理も含めて互いの進捗状況が見えるシステムである。本稿では,システムの概要と運用面での注意点について報告する。併せて本システムの重要項目の1つである,独自キーワード付与からパテントマップへの応用など,データ活用事例についても報告する。
座談会
  • 高木 聡
    2014 年 57 巻 4 号 p. 257-265
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/07/01
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    近年,「3Dプリンター」が急速に注目を集めている。経済産業省では,2013年10月から2014年2月まで「新ものづくり研究会」を開催し,付加製造技術について議論した。付加製造技術は,(1)精密な工作機械としての発展可能性(付加製造装置)と,(2)個人も含めた幅広い主体のものづくりツールとしての発展可能性(3Dプリンター)の2つの方向性をもち,航空機分野や医療分野といった先進分野での応用が期待されるだけでなく,多くの人々のアイデアがつながることで,これまでにない新しい製造業のかたち(インディーズ・メーカー)を実現する可能性がある。2020年における付加製造技術の経済波及効果は,総額で約21.8兆円に達することが予想され,わが国も「3次元造形システム」の研究開発によって,装置,ソフト,材料の開発を進めつつ,普及を促すうえで知的財産権や製造物責任等の課題がないか,昨今の事例も踏まえて引き続き検討していく。
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