電通MAPシステムは,マーケティング・アドバータイジング・プラニングのためのシステムで,計画,データ,コントロールの3サブシステムから成る。与えられた課題に対し,コントロール・システムの下で計画システムの中の適当な処理プロシデュアとデータ・システムの中の適当なデータが選ばれ,処理されて供給される仕組みである。このシステムが生まれて5年を経過したので,反省をかねてシステム・チェックを行なった。用いた方法は,PPBSを基礎とする効果固定方式のM. S. Magsonの方法である。現在のMAPのあげている効果とそれに要している費用(cost1)を基準とし,現実的と考えられる代替案を設定し,同様の効果をあげるために必要とみられる費用(cost2)を算定する。そして便益率を 便益率=cost1-cot2/cost1で求める。この結果,現実的に考えられる代替案の現行MAPよりも2倍の経費がかかるほか,いくつかの点で現行システムの優れている点が示された。