本稿では,電子ジャーナルを使用して大学論文の計量書誌学的諸特性を把握しようと試みた。基礎データを得るための調査は2003年7月と8月に実施した。2003年の論文数上位30大学を決定し,該当大学の1997年と2003年の論文から書誌情報を抽出して調査を進めた。抽出したのは論文数,発表雑誌数,共著者数,共著機関数,共著企業および共著外国機関などである。また,1997年の11,921論文については被引用回数を調査した。この調査からは,発表論文が特定の雑誌に集中していること,両年度間で外国機関との共著率は4ポイント増加したものの企業との共著率は変化がなかったこと,1997年については被引用回数0回の論文が全体の1/3以上あったことなどがわかった。
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