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60 巻, 7 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
記事
  • 河野 崇
    2017 年 60 巻 7 号 p. 461-470
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
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    シリコン神経ネットワークは,神経細胞に対応するシリコンニューロン回路,シナプスに対応するシリコンシナプス回路を組み合わせることによって作られた電子回路版神経ネットワークである。脳神経系の電気生理学的活動をリアルタイムあるいはそれ以上の速度で模倣することにより,超低消費電力や少ないデータからの学習など脳神経系のもつ優れた特性を受け継ぐことができると期待されている。しかし,神経ネットワークにおける情報処理の原理が完全に解明されておらず,脳神経系に匹敵するシステムの実現のために,シリコン神経ネットワークの研究者も「構築による解析」の立場からこの問題に寄与することが求められている。このため,現代のシリコン神経ネットワークにおいてはモデルの設計方法がより重要であり,いくつかのアプローチが存在するが,それらについて簡単に解説する。

  • 福井 浩二
    2017 年 60 巻 7 号 p. 471-480
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
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    電力系統の周波数は,発電所の出力を需要に応じて調整することでバランスを保っている。近年,この調整を需要の制御で行う,「ディマンドリスポンス」という取り組みが期待されており,日本においても技術実証や制度設計が進められている。本稿では,ディマンドリスポンスの意義や日本での取り組み状況について触れる。次に,スマートエネルギーネットワーク,新電力への活用,2015年度および2016年度の実証等,大阪ガスがこれまでガスコージェネレーションシステムを用いて取り組んだ実例を紹介する。最後に,今後の市場拡大の可能性を踏まえ,大阪ガスが準備すべき課題について言及する。

  • 松澤 孝明
    2017 年 60 巻 7 号 p. 481-492
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
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    研究倫理教育には,研究者の職制を考慮した研究倫理教育だけでなく,「場」の教育や再教育が必要である。まず,研究実施者に対する研究倫理教育(第1段階)に加え,研究指導者・管理者に対する研究倫理教育(第2段階)や,研究機関の研究倫理教育の責任を担う「研究倫理教育責任者」を継続的・組織的に育成するための教育(第3段階)が必要である。研究者のライフサイクルにはいくつかの転換点があり,各段階で必要となる教育は前もって行われる必要がある。他方,研究を実施する側だけでなく研究を取り巻く「場」の教育(第4段階)も,研究倫理教育の重要な使命である。研究倫理は公正な研究活動の奨励・推進の役割があり,公正な研究活動の保障や研究者の人権への配慮が必要である。「証拠の優越」原則や,不正行為としての「研究妨害」,「研究不正事案の取り扱い」に関するガイドライン等について正しく理解し,研究不正の申し立て等の乱用を防止し,安心して研究活動に取り組める環境を整備することも重要である。また,研究不正の程度を考慮し,研究者に再教育による復帰の機会を与えることも研究倫理教育の重要な役割である(第5段階)。研究倫理教育の機能や教育対象を整理(研究倫理教育の類型学)し,系統的・体系的な教育システムを整備することが求められている。

  • 松原 徳和
    2017 年 60 巻 7 号 p. 493-501
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
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    現在,全国の地方公共団体は観光分野に力を入れている。観光客や訪日外国人の傾向,人の流れを把握し分析するために,携帯電話やスマートフォンを用いたビッグデータ分析が注目されている。本稿では,NTTドコモが提供する「モバイル空間統計」による「動態人口」をテーマに取り上げ,これまでの国勢調査等による静的な人口把握を概観しながら,動的な人口の見方,「アウェイ人口」という考え方を提示する。具体的に,静岡県,東京都府中市,埼玉県の例を挙げ,「アウェイ人口」を把握することの意義と可能性,今後の行政運営の中での活用に向けた提言を行う。

  • 安藤 聡子, 澤 綾子, エドモンズ, マチルダ
    2017 年 60 巻 7 号 p. 502-511
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
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    クラリベイト・アナリティクス社が提供する学術情報プラットフォーム「Web of Science」上の引用索引データベース「Web of Science Core Collection」に追加された,新しい引用索引ファイル「Emerging Sources Citation Index(ESCI)」を概説する。同時に引用索引の有用性検討の歴史を振り返るとともに,ESCIと従来のジャーナル引用索引であるScience Citation Index(SCI),Social Sciences Citation Index(SSCI)等との違いやインパクトファクターとの関係,ESCIの登場に伴う最新のジャーナル審査基準および審査プロセスの変更点を概説する。

連載
視点
情報論議 根掘り葉掘り
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