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48 巻, 8 号
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  • 安岡 孝一
    2005 年 48 巻 8 号 p. 487-495
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/11/01
    ジャーナル フリー
    日本の漢字情報処理における難題のひとつに,異体字処理の問題がある。当用漢字表およびそれに続く常用漢字表が,固有名詞を埒(らち)外としてしまった結果,人名における漢字と,地名における漢字が,それぞれ異なる字体を持つに至った,という現実が,この問題をさらに複雑なものとしている。この問題を解決するには,Unicodeのような「漢字統合」を主眼とする文字コードでは力不足であり,むしろ日本国内向けに特化された文字コードが望ましい。本稿で紹介するAdobe-Japan1-6は,Adobe Systems社が日本向けに開発した文字コードだが,日本市場でのニーズ,特に異体字処理を,非常に強く意識した文字コードとなっている。
  • 阿蘓品 治夫
    2005 年 48 巻 8 号 p. 496-508
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/11/01
    ジャーナル フリー
    大学からの情報蓄積・発信の切り札とする意図を持って機関リポジトリを構築するのであれば,持続可能な事業として学内に定着させることが何よりも重要である。この目的を果たすため,機関リポジトリの運用者である図書館は次の3種類の実務に取り組む必要があろう。それは,第一に,「機関の事業として大学上層部の承認(学内合意)を得ること」,第二に「研究者になり代わってコンテンツを継続的に探し,集め,登録すること」,第三に「研究成果ショーウィンドウの素材として機関リポジトリを活用すること」,である。本稿は,これらの実践上のポイントについて千葉大学の機関リポジトリ(CURATOR)の構築経験を踏まえて記述するものである。
  • 後藤 敏行
    2005 年 48 巻 8 号 p. 509-520
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/11/01
    ジャーナル フリー
    電子ジャーナルのアーカイブへのアプローチには,集中型と分散型がある。本稿は,アーカイブ中のコンテンツへのアクセスという観点からそれらを考察する。集中型では,アクセスはこれまで限定的なものとされてきた。より広いアクセスの経路として,過去の購読者や,発展途上国からのものが考えられる。NESLi2やHINARI(The Health InterNetwork Access to Research Initiative)などがそれらへの示唆を与えている。分散型(LOCKSS)では,アクセスは,アプライアンスどうしの監査目的の場合と,出版社のサーバが利用不能になった際に読者に提供される場合がある。LOCKSSの体制が妥当なものかどうかを判断するためには,全体的な視点からのコスト分析が必要である。
  • 小林 昭夫
    2005 年 48 巻 8 号 p. 521-529
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/11/01
    ジャーナル フリー
    インターネットに接続するとメールやホームページの閲覧など便利で興味深い事柄が居ながらに利用できる。しかしながら自分の方からのみ接続しているということではなく,インターネット側からも接続がなされていて,ウイルス,データ流出やファイルの消去等,予期しない事柄が起こる可能性もある。マスコミ等でもセキュリティ関連の記事が頻繁に取り上げられ社会的問題ともなっている。一般利用者においてどのような脅威があり,どのような対策をするのが望ましいかを考察する。
紹介
連載:世界各国のIT政策
  • 兼子 利夫
    2005 年 48 巻 8 号 p. 539-546
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/11/01
    ジャーナル フリー
    世界的に1990年代からインターネットとPCが急速に普及し始め,産業活動はもちろんのこと一般社会にもその活用が広がりつつある。その1つのビジネス形態が,電子商取引である。各国の政府機関等では,これらの情報技術(Information Technology: IT)を積極的に政策に取り込み,自国のIT政策として展開している。本稿では, 最初にフランスのIT政策の経緯を述べ,そして,新しいIT政策である「情報社会におけるデジタル共和国構想:RE/SO 2007」の概要について述べる。次に,電子商取引の現状について,最後に,電子政府推進プロジェクトについて記述する。
視点
情報と規範
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