米国国立医学図書館(NLM)の起源は1836年に設立されたワシントンの軍医総監図書室である。今日,NLMは専門研究領域における世界最大の学術研究図書館であり,そのサービスと情報資源は保健医療専門家,研究者,さらに一般の人々にとって欠くことのできないものになっている。NLMはMEDLARSシステムにより,約40のデータベースを制作しており,合計1,800万件にのぼるレコードが蓄積されている。NLMは臨床医学と生物医学研究にはたすディジタル画像の重要性が増大することを予見している。そして,書誌データベースとファクトデータベースによるサービスは,高速なコンピュータネットワークと大容量媒体によって提供されるディジタル画像を付加することで完全なものになると考えている。最終目標は印刷資料と画像情報を統合した医学情報資源を形成することである。日本における医学データベースの今後を検討するために,NLMの研究活動とデータベースサービスの現状をレビューしたものである。
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