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45 巻, 11 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
講演
  • 丸島 儀一
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2003 年 45 巻 11 号 p. 745-752
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/02/01
    ジャーナル フリー
    知的財産,特許の世界は近年非常に注目されており,大きく変化している。わが国を見るなら,日本経済再生のキーとして,知財立国という国家戦略が立てられた。また日本の産業競争力はかつての世界を席巻していた時代と大きく変わり,現在低下している。一方,米国は1980年代に入ってプロパテント政策をとり,結果,産業競争力は回復し,さらに強化されている。米国では,知財戦略として税制面での配慮,バイ・ドール法の施行,ベンチャー企業の活性化,CAFCによる特許訴訟の判決の統一化などを実施してきた。日本では日本版プロパテント政策を目指しつつ,知的財産戦略大綱の中で関連項目を取り入れている。研究開発投資に見合うリターンが期待できる環境整備,例えば発明に対し適切で強い権利を与える,権利の保護の対象を広げるなどの整備,研究開発におけるオリジナリティーの重視,いわゆる創造の重要性,それら創造的活動を大学に期待する,特許訴訟の判決の統一化,などである。また,産学連携の重要性,大学での知的財産戦略の重要性についても述べた。また,企業が知財に対してとるべき戦略,知的財産部の人たちのなすべきこと,などについても触れた。
解説
  • ―職務発明の対価―
    青山 紘一
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2003 年 45 巻 11 号 p. 753-763
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/02/01
    ジャーナル フリー
    研究開発に対するインセンティブを与える制度である特許法制度では,特許を受ける権利は,発明者に原始的に帰属するものとし,例外的に,職務発明については使用者等に予約承継を認めるものの,その際には,使用者等に,発明者に対して相当の対価を支払うべきことを義務づけている。最近,発明者がかつて在籍していた会社を相手取って,職務発明に対する高額の対価を請求する訴訟が続発している。2002年11月29日の東京地裁判決(日立事件)では,企業に対して,発明者(元従業員)に約3,500万円という過去最高額の職務発明の対価を支払うよう命じた判決があった。特許の対象とならない類の研究成果,著作物などに対しては,これとは別の扱いとなる。本稿では,研究開発など創造的活動の成果の帰属,研究者に対する補償制度についての現状と課題について考察することとし,本号では,最近の職務発明訴訟における補償の状況について検証した。
  • ―栄光の日々と落日―
    藤野 仁三
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2003 年 45 巻 11 号 p. 764-769
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/02/01
    ジャーナル フリー
    米国の特許法解釈は1990年代後半から従来と異なる展開を見せている。連邦最高裁判所が,これまで特許法を巡る司法解釈を連邦巡回控訴裁判所にゆだねていた方針を改め,連邦最高裁自らがそれを裁くことを鮮明に打ち出したからだ。1982年の創設以来,連邦巡回控訴裁判所は,米国のプロパテント政策推進の牽引(けんいん)役を務めてきた。その過程で大きな影響力と権威を獲得してきた。しかし,特許法の持つ社会・経済への影響が大きくなり,連邦最高裁が法解釈のさじ加減を行うことを決断したのである。今後,連邦巡回控訴裁判所は,特許専門の中間裁判所としてより専門的な役割に収れんしていくことになろう。
  • 原田 英二, 渡辺 怜子, 児嶋 紀子, 水野 充
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2003 年 45 巻 11 号 p. 770-780
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/02/01
    ジャーナル フリー
    インターネット時代の到来により,電子ジャーナル出版は加速され,学術雑誌の世界では一般的なものとなってきた。電子出版には従来の冊子体ベースの出版物にはないさまざまなメリットが見られるが,電子化により,雑誌に縛られない,論文単位での扱いが容易となった点もそのひとつである。そして,それに応じて論文の個別売り,いわゆる一部売りサービスが登場してきた。一部売りサービスによる論文の購入は,出版社だけでなく,アグリゲータ,二次データベース経由によっても可能となってきている。ここではそれら一部売りを扱う業者を出版社,アグリゲータ,二次データベースサービスに分けて整理し,それぞれの特徴をまとめた。さらに,提供業者ごとの価格を調査し,比較を行った。
  • ―各国特許庁(中国,韓国,台湾,シンガポール,タイ)の活用と特許調査―
    小川 裕子
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2003 年 45 巻 11 号 p. 781-797
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/02/01
    ジャーナル フリー
    特許調査は,大別すると公報類を検索対象とした調査と,該当する特許の権利判断情報の取得のための調査とがある。公報検索においては,その膨大な出願の中から目的の特許を漏れがないように,また調査対象特許の対応特許や引用文献についても緻密な調査を要求されることが多い。本シリーズでは,特許調査において活用できる有用なデータベースについて,提供されるデータおよびそれらの検索法を解説する。全体の構成を3つに分け,今回の第2回はアジア諸国の特許庁で公開されている公報特許情報を説明する。対象となる国は,中国,韓国,台湾,シンガポール,タイである。各国特許庁のホームページを示しながら,データ項目,情報の検索方法を解説する。
  • 成清 正和
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2003 年 45 巻 11 号 p. 798-803
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/02/01
    ジャーナル フリー
    香港は,極めて良好な通信インフラを持つ一方で,電子製造業は衰退が進んでいる。香港から中国への物流・貿易関連サービスの分散やアジア通貨危機後の不動産市況の低迷を受けて,これまで香港経済の牽引(けんいん)役を果たしてきた貿易業,不動産業の今後の成長が期待できない中,香港政府は,IT振興政策等の産業高度化政策を打ち出している。しかしながら,研究開発の素地もなく,IT人材も不足しており,その試みは始まったばかりである。香港において自前のIT人材が育成され,知識・技術集約型産業が根づき,香港経済の牽引役として大きく発展するには,もうしばらく時間がかかると思われる。
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