情報管理
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58 巻, 4 号
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展望
  • 堀 浩一
    2015 年 58 巻 4 号 p. 250-258
    発行日: 2015/07/01
    公開日: 2015/07/01
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    人工知能の研究が再び注目を集めるようになっている。人工知能の能力が人間を完全に超えてしまう技術的特異点に関する議論も盛んになってきている。人々が人工知能に対して抱く不安も高まってきているように見受けられる。本稿では,人工知能がどのように進歩する可能性があるかではなく,人工知能をどのように進歩させたいかという問題について議論する。抽象的な不安に対して抽象的な回答を返すのではなく,人工知能を今後どのように作っていくかという設計の指針をいくつか提示することを試みる。
  • 野口 武悟
    2015 年 58 巻 4 号 p. 259-270
    発行日: 2015/07/01
    公開日: 2015/07/01
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    「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が2016年4月に施行されると,行政機関等の公的機関には障害者への「合理的配慮」の提供が義務化される(民間の企業等は努力義務)。情報面での「合理的配慮」を的確に提供するためには,その基盤となる情報のアクセシビリティ向上に取り組まなければならない。情報のアクセシビリティ向上の取り組みは,古くからボランティアの力も借りながら行われてきたが,現状でもその取り組みは不十分である。情報の発信者は,自ら発信した情報のアクセシビリティの確保に責任をもつべきである。公的機関はもちろんのこと,民間の企業等においても,社会的責任の1つとして自ら発信する情報のアクセシビリティ向上を進めていく必要がある。
  • 石井 夏生利
    2015 年 58 巻 4 号 p. 271-285
    発行日: 2015/07/01
    公開日: 2015/07/01
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    本稿は,「忘れられる権利」をめぐる一連の議論から明らかになった論点と,今後の課題を論じることを目的とする。具体的には,グーグルに検索結果からのリンク削除を命じた欧州司法裁判所の判決,英国貴族院の報告書,第29条作業部会の指針,グーグルの諮問委員会意見書の概要,および日本のヤフーが公表した有識者会議報告書および同社の対応方針を取り上げた。欧州司法裁判所の判決は,EUと米国のプライバシー保護に関する対立軸の中で下されたものであり,権利者保護に偏った判断といわざるをえない。同判決の判断基準が日本の法解釈に大きな影響を与えるともいいがたい。また,過去の情報の暴露は古典的なプライバシー侵害の問題であり,「忘れられる権利」は過去の議論の延長線上の問題としてとらえるべきである。他方,本判決およびその後の一連の議論は,検索エンジン事業者に削除基準を検討させる契機を与えるとともに,表現の自由や知る権利との関係で,削除した旨をWebサイト管理者や検索エンジン利用者に通知すべきか否か等の問題を提起した点において意義が認められる。
  • 黒沢 努, 水田 寿雄, 小賀坂 康志
    2015 年 58 巻 4 号 p. 286-292
    発行日: 2015/07/01
    公開日: 2015/07/01
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    JSTは前身のJRDC創設以来,50年以上にわたり基礎研究や産業化を通じてイノベーション創出を目指す戦略的研究ファンディング(資金提供)を実施してきた。その結果,数々のノーベル賞受賞者を輩出し,我が国の科学技術の発展に貢献してきた。すでに日本は超高齢社会と人口減少の時代に突入し,科学技術関係予算は大きく伸びる可能性は少なく,限られた科学技術関係予算でグローバル競争を勝ち抜かなくてはならない。JST-FMDBは,将来にわたって必要性の高まるイノベーション戦略策定等を情報面から支援する情報分析基盤を提供するものであり,JSTが研究開発資金を提供した2万件以上のファンディング情報の蓄積と日本最大の研究資金助成事業である科研費の情報を横断的に検索・分析できる仕組みとなっている。本稿では,JST-FMDBの構築プロセスと将来に向けたファンディングにおける情報の役割について述べる。
  • 辻 智康
    2015 年 58 巻 4 号 p. 293-300
    発行日: 2015/07/01
    公開日: 2015/07/01
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    「より正確な企業情報を,より効率的に把握することで,よりよい企業選択へのヒントを示す」ことを目的に,提供された3種のデータを組み合わせることで企業選択へのヒントを示した。具体的には,日経BP社雑誌記事データの頻出語から現在のトレンドを把握し,日刊工業新聞社新聞記事データに付けられた分野ごとの企業出現数を調べて企業をグルーピング,そして科学技術文献データの機関名から研究開発の強み分野を比較することで,企業の所属業界から強みの違いまでが容易にわかるシステムを作成する。今回は一般的な大学生像を設定し,システムの適用例および活用イメージを示した。さらに適用範囲の拡大がはかれることから,適切な利用により,よりよい企業選択に生かせるシステムであると結論づけた。
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