人間工学
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32 巻, 4 号
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  • 武田 正治, 林 喜男, 鈴木 郁
    1996 年 32 巻 4 号 p. 167-173
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    光刺激のちらつき光の周波数弁別閾は Schwarz, Wintzer や Gebhard らによって報告されている. しかし, 10HzからCFFに至る周波数弁別閾の基準データとしては測定装置の進歩やデータの統計処理の点から問題点を含んでいる. 本実験研究では2個の parallel test spot をコンピュータ制御により標準刺激と変化刺激に使い分け, 被験者に変化刺激の周波数を手元のボリューム操作により標準刺激の提示周波数に合わさせる方法で行った. 標準刺激は10~35Hzまで5Hz刻みの6段階とした. 被験者は正常な視覚を有する18名 (男子12名, 女子6名, 年齢20~23歳) である. 結果は15Hz, 20Hz, 25Hz, 30Hzにおいてウェーバー比 (ΔS/S) である一定の約4%が成立した. Schwarz らの実験結果をより正確な基準データにより検証することができた.
  • 堀井 健
    1996 年 32 巻 4 号 p. 175-182
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    斜め方向での滑動性眼球運動の限界速度に関する実験を行い, まず, 斜め方向での滑動性眼球運動は追従の際の水平・垂直両方向でのいずれの眼球運動もスムーズ性であるときにのみ認められることを示した. また, 斜め方向での限界速度は, 与えられた視標の運動振幅の水平および垂直成分に相当するそれぞれの限界速度の合成値で表されることがわかり, 両方向での滑動性眼球運動制御系の独立性を明確にすることができた. さらに, 理論的に水平方向より15deg近傍の斜め方向に限界速度の極大値が存在することを示した.
  • 井上 剛伸, 廣瀬 秀行, 今泉 寛
    1996 年 32 巻 4 号 p. 183-188
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    高齢障害者の転倒は骨折の危険性を多く含んでいる. 転倒の主な原因のひとつは, 車いすのブレーキかけ忘れである. 本論文は, これを防止する3つの装置について記述している. 1番目の装置は, 片方のブレーキがかかると, ブレーキと足台の状態をチェックし, 音声警告を発する. 2番目の装置はブレーキをかけないと立ち上がれない装置で, ブレーキレバーが患者の前方にあり, 車いすから立ち上がるためにレバーを持ち上げると, 両側のブレーキがかかる. 3番目の装置は, 患者が立ち上がると, 座面の下に配置した圧縮ばねの効果で座面が持ち上がり, その動きと連動してブレーキが自動的にかかる. 老人病院での臨床評価の結果, 2番目の装置が最も有効性が高かった. 1番目の装置は適応する患者がいなかったが, 車いす操作の訓練には有効であると考えられる. また, 3番目の装置は機構的な完成度が上がれば, 最重度の高齢障害者に有効になると考えられる.
  • 中里 央, 池浦 良淳, 猪岡 光
    1996 年 32 巻 4 号 p. 189-196
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    古くからある自動人形は, カムやギヤなどのみで構成されていたため, ひとつの動作しかできなかった. そこで我々は, プログラムを変えることによってさまざまな動作ができるコンピュータ制御の自動人形を開発している. このような人形の動作計画は人間の感性に基づいているため, 人間が動作教示することが望ましい. そのような理由から人間の踊りの動作を元に教示を行おうとしているが, ハードウェアの設計上, 人間と同じだけの自由度を人形にもたせることは難しいため, 人間の踊りのデータをそのまま人形に再現させることができない. そこで本研究では, 踊りの動作にとって重要な関節を選び出し, 不要な関節を拘束する方法を提案する. この方法において, 人体モデルにおける各リンクの図心位置の変動量 (Cg) を用いて, 人間の動作から得られた動作モデルの各関節に対し, その重要度を評価した. また, この方法で作成した動作モデルに対して主観評価を行い, この方法の有効性について検討した. その結果, 指標Cgを用いることで, その踊りにとって重要な関節を的確に選び出せることが示された.
  • 福田 亮子, 佐久間 美能留, 中村 悦夫, 福田 忠彦
    1996 年 32 巻 4 号 p. 197-204
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究は従来の注視点の定義を再検討し, 新しい定義を提案することを目的としている. 眼球運動速度を基準とする注視点の定義は, 運動する視対象を観察しているときのデータにも適用できるうえ, 実験中にリアルタイムで注視点を抽出することができる. しかし5deg/sを注視状態の閾値とする従来の定義では, 注視点を抽出するのが困難な場合がある. そこで, 一定角速度で水平方向に直線運動する視標を眼で追ったときの眼球運動, および一定角速度でパンニングする映像を観察したときの眼球運動を詳細に分析し, 注視状態の閾値を再検討した. その結果, 視対象が運動している場合の閾値は約10deg/sとなることが示された. さらに, この結果を実際の眼球運動データの分析に応用したところ, 視対象が高速で運動している場合に被験者の実感とあった注視点分布が得られた. したがって, 注視点の定義は視対象の動きに応じて変える必要がある.
  • 石田 久之
    1996 年 32 巻 4 号 p. 205-208
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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