人間工学
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37 巻, 6 号
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  • 全身シャワー浴における心身諸反応について
    中村 誠, 藤井 謙治, 山口 静馬, 佐伯 徹郎, 加藤 隆憲, 森元 映治, 大崎 榮喜
    2001 年 37 巻 6 号 p. 273-284
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究は, 全身シャワー浴における生理・心理的反応を明らかにするとともに, 特に使用者保護の観点からやさしい入浴システムを実現するための要件を提示することを目的としている. 本実験では21~23歳の健康な男子学生9名を被験者とした. 実験は常温から低温域にかけて設定した三種 (25.0℃, 19.5℃および14.0℃) の環境温度下で, 装置の筐体上壁を閉鎖あるいは開放して入浴することにより, 環境温度と筐体内温度が被験者の入浴条件と心身諸機能に及ぼす影響を検討した. その結果, 次のことが明らかになった. 1) 全身シャワー浴の入浴条件は主に湯温と入浴時間が調整される. 2) 全身シャワー浴では, 特に環境温度の低下に伴い相対的に筐体内温度の心身諸機能に対する影響が強まる. また, 人体内部への熱の伝達は環境温度と初期筐体内温度が高い入浴ほど迅速である. 3) 入浴後の温熱感と快適感は環境温度が低くなると相対的に向上する.
  • 職業の印象を分析する
    三好 美浩
    2001 年 37 巻 6 号 p. 285-292
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本論文では, モノをつくる職業の印象を扱う. 第1の目的は, モノをつくる職業の社会的な印象を明らかにすることである. 第2の目的は, 評定法による違いが結果に現れるかどうかを考察すること. 実験は, 各対象を個別に評価させるSD法と対で評価させる分類法の2つの手法を, 同じ81名の被験者に行ってもらった. 対象には, まず18職業を用い, 次にその中からモノをつくる4つの職業を取り出して, さらに解析を行った. 2つの評定法の結果は, 同じではなかった. 分類法の方がSD法よりもよく群化を見せ, 3つの群を形成していた. 職人の印象は, 評定法の違いで群化が異なった. しかし, 職人に対して同じような印象を抱いている人が多いことから, その印象が多様なのではなく個性的であることが明らかになった. 新しさに積極的に取り組んでいるか, 生活が安定しているかという2つの視点が, 芸術家, 職人, デザイナーを明確に区別していた.
  • 漢字二字熟語の漢字輝度, マスキング及び使用頻度について
    王 晋民, 椎名 健
    2001 年 37 巻 6 号 p. 293-301
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    様々な場面における視覚言語の呈示条件の設定に対して, 人間の単語認知に関する認知特性の解明と包括的なモデルの構築は強力な理論的サポートになる. 本研究では日本語の単語認知の特性を調べるために, 単語構成要素の視認性と使用頻度による単語全体の認知への効果を検討した. 実験1では漢字二字熟語の左右両漢字の輝度変化, 実験2では両漢字に対するマスキングで視認性を操作し, 語彙性判断時間への影響を調べた. 実験の結果, 視認性要因効果が認められたが, 使用頻度要因の効果がほとんど見られなかった. 視認性要因の導入によって単語の認知における被験者の方略が変化した可能性が示された. 使用頻度とマスキングの2要因間の交互作用が確認されたことは構成要素の複数特徴の間に複雑な関係が存在することを示唆し, より多くの実験データを蓄積した上で包括的な認知モデルを構築する必要性を示した.
  • 山下 利之, 島田 達巳
    2001 年 37 巻 6 号 p. 302-308
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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