人間工学
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53 巻, 4 号
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原著
  • 中村 誠, 太田 博光, 渡邉 敏晃, 徳永 憲洋, 川口 健太郎, 前田 俊道
    2017 年 53 巻 4 号 p. 107-115
    発行日: 2017/08/20
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    本研究は,習熟した魚市場の競り人による鮮魚の外観評価と同等のモデルを設計して鮮魚の流通における品質管理に資することを目的としている.試料には山口県の近海で漁獲された後,習熟した競り人により5段階に外観評価された8魚種を用いた.競り人による鮮魚の評価,魚体の色彩および魚肉鮮度との関係を統計的に解析した結果,魚体の色彩を4個組合せることで外観評価と魚肉鮮度の程度をよく反映することが明らかとなった.これらの色彩の組合せをファジィ規則の前件部変数に用いたファジィ推論モデルの有用性をシミュレーションと評価実験により検証した結果,モデルによる予測結果と競り人の品質評価は84.6%以上が一致した.

  • ~熟練度による差異の分析~
    横井 元治, 青木 和夫, 堀内 邦雄
    2017 年 53 巻 4 号 p. 116-124
    発行日: 2017/08/20
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    自動二輪車(以下,二輪車)における狭路極低速走行(以下,一本橋走行)は基礎運転能力向上のために必須の技術であるが,その訓練方法は指導者の経験に基づいたものになっており,動作メカニズムは解明されていない.そこで本研究では,初級群と熟練群におけるライダーの動作と車体の挙動の差を明確にし,一本橋走行の指導向上につなげていくことを目的とした.実験は熟練度の異なる14名のライダーにおいて,二輪車を用い走行制限の高い狭路での走行を実施した.その結果,継続した低速での走行を可能としていた熟練群は,一本橋走行中に,(1)大きなハンドル転舵角領域を活用し走行する.(2)頭部のロール動作を少なくしている.(3)ハンドルの上下方向の荷重を活用し走行する.という3つの特徴的な操作および動作が確認できた.以上の結果から,ハンドルの上下方向の荷重を活用して頭部ロールを抑制することが,一本橋走行技術の向上につながり,新たな指導法として有効である可能性が示唆された.

  • 菅間 敦, 瀬尾 明彦
    2017 年 53 巻 4 号 p. 125-132
    発行日: 2017/08/20
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    脚立など高所作業用具上での作業における姿勢安定性の向上に向け,本研究では狭い足場板上での静的立位姿勢の安定性を評価した.実験は男性11名を対象とし,前後幅6~25 cmまでの足場板上に50秒間静止した際の姿勢安定性を,矢状面における身体動揺に基づき評価した.具体的には足場の前後幅が身体質量中心と床反力作用点の位置および速度,関節角度,角速度,筋電図,主観評価に与える影響について検討した.その結果,足場幅の減少に伴い床反力作用点の移動速度が非線形的に増加しており,それぞれ足場幅の逆数の関数として精度よく近似できることが示された.本研究より現在広く使用されている脚立のステップ幅上では姿勢が不安定になりやすいと考えられ,高所作業用具上で平地と同程度に姿勢を安定化するにはステップは前後に15 cm以上必要であることが示唆された.

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