人間工学
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46 巻, 6 号
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原著
  • ~基底面から重心投影点が飛び出してもバランスが保持できる制御~
    斎藤 寛樹, 江原 義弘, 岩谷 友倫, 大崎 諒
    2010 年 46 巻 6 号 p. 355-361
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/07/08
    ジャーナル フリー
    一般的なバランス制御の身体運動は倒立振り子モデルに当てはめられ解析されることが多い.このモデルでは関節モーメントを変化させ床反力作用点の動く範囲の上に重心を留めることでバランスを保持している.つまり支持基底面内に重心投影点をとどめている制御である.しかしこの制御方式はヒトのバランス制御を完全には網羅しているとはいえない.今回の研究では支持基底面外に重心投影点が飛び出してもバランスが保持される制御方式を実験的に証明するために,身体を足部と上部身体に分け,矢状面の二次元においてつま先立ち動作を解析した.この制御では床反力作用点を動かさずに,全身の角運動量の変化を大きくし,床反力による重心回りのモーメントを生じさせていた.それによって床反力が重心よりも大きく逸れ,身体が倒れていく方向とは逆方向に力を作用させることでバランスを保つことができた.
  • 市来嵜 治, 山崎 友彰, 金沢 孝
    2010 年 46 巻 6 号 p. 362-372
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/07/08
    ジャーナル フリー
    近年の製造業では,変動する需要に合わせた製品の供給が求められ工程編成が頻繁に行われている.手組付けが多い事務機器の工場では,作業者への作業手順訓練の機会が増加し,作業手順習得の効率化がひとつの課題になっている.本研究は実験的な検証を通して,習得中の間違いと確信度合が習得に及ぼす影響に関する基礎的な知見を得ることを目的としている.難しい技能を必要とせず,作業手順の基本的要素である位置と順序を習得する作業による実験から,習得中の間違いや確信度合が習得に及ぼす影響に関するポイントを抽出した.それらをもとに習得時の条件を変更することで習得中と習得後への影響を検証した.その結果,(1)習得中に曖昧状態で作業を行っても習得にはつながりにくく,これを禁止することで習得に要する試行回数を少なくできる,(2)習得中の曖昧状態での作業を禁止しても習得中と習得後の間違いは増加せず,間違いを抑制できる可能性があることが示唆された.
  • 村田 厚生, 王 曙光
    2010 年 46 巻 6 号 p. 373-388
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究では,20人の被験者を用いて自動車用スイッチのタイプと設置位置が作業効率,被験者の視線の動き,作業負担と操作性の主観評価に及ぼす影響を調べた.番号選択型,カーソル移動型の非統合スイッチと親指操作型,従来型の統合スイッチを用いて,これらをステアリング部,被験者の左前方,運転席の左側面のいずれかに設置し,実験を実施した.いずれのタイプのスイッチも,ステアリングに設置した場合に,作業時間,脇見時間が短くなる傾向が観察された.番号選択型スイッチをステアリングに設置した条件の作業時間,脇見時間が最も短くなることが示された.カーソル移動型スイッチに関しては,他のスイッチよりも設置位置の影響が小さかった.また,非統合スイッチのほうが統合スイッチよりも作業時間,脇見データの観点から優れていた.主観評価結果では,いずれのスイッチもステアリングに設置した条件で負担度が少なく,操作性が高かった.
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