船舶制御においては, 意思決定者である航海士は視界やレーダによって航路状況を知り, 操舵員に対して舵角や針路を指令する. 操舵員は, 針路偏差や舵角などの情報をもとにして, 指令に従った制御を行う.
本研究は, 保針制御について提示する情報と人間の制御の関係を検討しようとするものである. その結果, 次のようなことが明らかとなった.
(1) 船舶が大型化するほど, 回頭角速度計の効果が大きいこと. (2) 船舶の大型化につれて, 位相補償量が増加すること. (3) ノイズが大きくなると, 長時間の制御が困難となること. (4) 小型船の制御においては, 視界情報は十分に有効であること.
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