人間工学
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48 巻, 4 号
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原著
  • 志田 敬介, 室山 仁美, 三浦 郁央
    2012 年 48 巻 4 号 p. 163-169
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,周辺視を活用した目視検査方法について検討するため,欠点の特徴の相違が欠点検出の難しさに及ぼす影響について検証した.欠点の特徴として,欠点の大きさ,濃淡,色を変動要因とした実験を行った.その結果,欠点の大きさが小さいほど,欠点検出が困難であることを示した.さらに,欠点の濃淡や色の影響は,欠点と背景との輝度コントラストによって評価できることを実験的に明らかにし,輝度コントラストが小さいほど,欠点検出が困難になることを示した.また,この輝度コントラストに欠点の面積を乗じて得られる面コントラストを欠点検出の難しさを評価する指標として提案し,その妥当性について実験的に明らかにした.
  • 吉竹 淳樹, 金 相賢, 盛川 浩志, 三家 礼子, 河合 隆史
    2012 年 48 巻 4 号 p. 170-178
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,二眼式立体映像の呈示方式が与える生体影響に関して,基礎的な検討を行った.家庭向けの主要な呈示方式として,時間多重方式と空間多重方式に着目し,各方式において特有のアーチファクトを抽出し,それらの生理・心理的な影響について評価した.具体的に,時間多重方式ではファントムアレイ,偽視差,フリッカ,空間多重方式では,視野闘争,偽視差,解像度低下というアーチファクトを定義し,それらの強度や随伴の容易な単純刺激を用いて実験を行った.結果から,実験刺激によるアーチファクトの生起が確認され,それらが生理・心理的な影響を与え得ることが分かった.そして,アーチファクトの種類による影響の差異や相互作用と同時に,呈示方法の工夫によりアーチファクトを軽減する可能性も示唆された.
  • 大塚 有希子, 高野 研一
    2012 年 48 巻 4 号 p. 179-186
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    ITプロジェクトの成功に寄与するプロジェクトマネージャー(以下PM)のマネジメント・コンピテンシー(高業績者の行動特性)について,日本国内の情報通信・IT開発プロジェクトのPM約200名に対し,プロジェクトマネジメント知識体系による42のプロセスを自己評価する質問紙により調査した.得られた結果を因子分析し「リスクマネジメント」「進捗マネジメント」等の9因子を抽出した.これらの因子指数を直近プロジェクトの成果の成功群と不成功群で比較した後,パス解析により成功・不成功に対する因果関係を調べた.その結果,プロジェクトの時間的な成功に「引渡成果物マネジメント」の,コストの成功に「要求事項マネジメント」のコンピテンシーが影響することがわかったが,2つのコンピテンシーには「進捗マネジメント」のコンピテンシーが間接的に影響していることも確認できた.以上よりこの3つのマネジメント・コンピテンシーのITプロジェクトに対する重要性が示された.
  • 米良 亮平, 岡島 寛, 松永 信智, 川路 茂保
    2012 年 48 巻 4 号 p. 187-195
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    上肢6筋モデルは筋活動と関節角度の変化より関節トルクや手先剛性を推定できるため,腕の姿勢が変化する動作の解析に適用できる.このような解析を行うためにはモデルの剛性パラメータを推定する必要がある.しかし,筋肉付け位置,長さ,断面積などの生体パラメータを多く含むため,動作範囲が広い場合は筋の長さや断面積の変化が筋のばね定数に大きく影響し,剛性パラメータの推定は困難になる.これに対し本論文では,広い動作範囲を持つクランクタスクを用いて,上肢6筋モデルにおける筋の剛性パラメータの推定手法を提案する.まず,すべての筋を均質な弾性体と考え,それぞれの筋の弾性係数を共通した縦弾性係数を用いて表し,最小二乗法に筋の縦弾性係数に関する勾配法を併用して筋パラメータを推定する.さらに,提案手法によって得た筋パラメータに対する剛性分析により,求まった筋パラメータの有効性を検証する.
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