人間工学
Online ISSN : 1884-2844
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58 巻, 5 号
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エディトリアル
リサーチ・イシュー
  • 藤田 博紀, 佐野 研二
    2022 年 58 巻 5 号 p. 213-222
    発行日: 2022/10/15
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    本稿は新しい目を休ませる方法として『iCLO(アイクロ)』を人間工学研究者に紹介することを目的としている.iCLOは「漫然と目を開けているだけで,実際には目を閉じても支障がない時には,安全な環境を確保した上で短時間でも目を閉じること」と定義される.iCLOにより,眼精疲労,ドライアイ,目のかすみといった自覚症状が改善し,瞬目間隔が短縮することが報告されている.iCLOは自分のペースで狭い部屋でも実施できるため,特にリモートワーク時に適している.今後iCLO workingやiCLO web surfingなど様々な『iCLO~』による新しい目の休め方が可能になると考えられ,iCLOのリサーチ・イシューの範囲はかなり広いと想定される.iCLOは外界からの視覚情報を受け取るタイミングや量を選択的,能動的に制御することにより,コンピュータービジョン症候群の予防やパフォーマンス向上に大きな役割を果たすことが期待される.

実践報告
  • -3DCG映像を対象として-
    須藤 信, 横山 清子
    2022 年 58 巻 5 号 p. 223-231
    発行日: 2022/10/15
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,ショット構成,連続性担保の手法,ショットサイズの違いがトランジション時の連続性に及ぼす影響を調査した.刺激として,ショット構成(寄り→引き,引き→寄り),連続性担保の手法(スタンダード,動きの不一致,位置の不一致),画角(32°,47°,66°)の3要因を採用した映像を用いた.映像は3DCGで作成することにより,分析対象の変動要因以外を確実に固定し分析の精度向上を意図した.実験では参加者に刺激を提示し,2つのショットの繋がりが連続的に見えたかどうかを5段階で評価させた.実験の結果,ショット構成では「引き→寄り」の映像を用いた場合に連続性が担保されやすいことが示唆された.また,用いるショット構成が「動きの一致」の効果に影響を及ぼすことが示唆された.手法では,連続性担保の手法として知られる「動きの一致」「位置の一致」には,連続性を担保する効果が認められた.この効果は,今回用いたショット構成,画角に関係なく認められた.

短報
  • 山下 咲衣子, 髙橋 一誠, 三善 将也, 市川 陽子, 横山 清子
    2022 年 58 巻 5 号 p. 232-236
    発行日: 2022/10/15
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,手の動き(以後ジェスチャーとする)を入力とするウェアラブルナースコール開発に際し,その誤伝達を抑制するため,患者の日常動作時の手の動きと重なりにくいジェスチャー候補を見出すことを目的とする.まず,Webアンケートから入院患者の入院中の日常生活で頻出する動作(以後日常動作とする)を明らかにした.次に,その頻出する日常動作を健常な高齢者が演じた際に,複数想定したウェアラブルナースコールの入力ジェスチャーとどの程度類似するかを調査した.その結果,〇と△のジェスチャーを組み合わせるなどの工夫をすることによって,精度を上げることができる可能性がある.

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