表面筋電図 (EMG) の周波数 (最も顕著に現れたパワー・スペクトル密度から分類) について, 4人の男子について分析した. 静的な運動 (筋収縮) は立位, 後傾, 前傾, しゃがみ姿勢の保持の4種類で, 動的な運動は連続的な垂直とび, とびおり着地動作から構成した。
60秒間の運動により-40dB以上のEMGスペクトル密度が3つの周波数帯域に分類され, 低い帯域は45Hz以下, 中間の帯域は46~80Hzの間, 高い帯域は81Hz以上で, クラスター分析と判別分析によって有意に統計処理された. 3種類の周波数帯域は運動様式と関係深く, 低周波数帯域は大腿直筋の静的運動時にみられ, 中・高周波数帯域は腓腹筋の動的な運動時に多くみられた. このように周波数帯域は運動の様式や筋群の種類によって左右される. 抗重力筋群は持続的な筋収縮中に低い周波数帯域に現れ, その反対に相動筋群はジャンプや着地の動的な筋収縮中に高い周波数帯域に多くみられた.
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