人間工学
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51 巻, 2 号
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表紙
総説
原著
  • -ビデオ映像を用いた時間的遮蔽法による評価-
    緒方 貴浩, 福原 和伸, 井田 博史, 高橋 まどか, 福林 徹
    2015 年51 巻2 号 p. 96-102
    発行日: 2015/04/15
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,テニスサーバーの動作とレシーバーの予測の定量的関係性について,ラケット動作パラメータを説明変数,レシーバーのコース予測判断を従属変数とする重回帰分析によって明らかにすることを目的とした.12名のテニス熟練者および12名の非熟練者は,時間遮蔽で編集されたビデオ映像を観察し,テニスサービスのボール方向をvisual analog scale(VAS)により判断した.ラケットとボールのコンタクト直前の遮蔽において,熟練者群の正答率はチャンスレベルを超えているものの,非熟練者群の正答率はチャンスレベルを超えなかった.さらに,熟練者群のVASスコアを対象とした重回帰分析の結果では,ラケット動作パラメータは熟練者のボール方向の予測スコアを10.3%で説明した.この結果は,ラケット動作情報と熟練者の予測との関係があることを示している.
  • -申し送りの送り手の意図と受け手の理解に関する質的分析-
    中島 正人, 福原 知宏, 西村 拓一, 赤松 幹之
    2015 年51 巻2 号 p. 103-114
    発行日: 2015/04/15
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,介護施設における申し送りノートでやりとりされる内容を分析するとともに,介護施設の職員を対象にノートの利用に関する質的分析を行い,申し送り支援システムの設計につなげる指針を得ることを目指した.申し送りの書き込み件数が多い職員(積極的書き込み群)と少ない職員(非積極的書き込み群)にデプスインタビューを行った結果,積極的書き込み群は申し送りとして指示や要望を明示するだけでなく,言外の意図を含んで申し送りすることが明らかになった.一方,非積極的書き込み群は申し送りノートを連絡帳と捉えており,送り手の指示や要望のみがノートに書かれると考えていることが分かった.これらの言外の意図を適切に伝えることで申し送り内容を介護サービスの品質維持のため有効に活用できることが示唆された.得られた知見を申し送り支援システムの設計に活かす方策として送り手の意図を一言でラベル化して提示する方法を提案した.
  • 西島 麗, 幅舘 勇介, 畑野 裕一, 山田 裕之, 岩嵜 徹治, 茅原 崇徳, 瀬尾 明彦
    2015 年51 巻2 号 p. 115-122
    発行日: 2015/04/15
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    本研究では看護動作を想定した前屈維持姿勢を対象に,腰部ベルトの装着が作業姿勢や身体負担に与える影響を定量的に評価することを目的とした.被験者は男子学生10名,実験条件は腰部ベルトの有無が2水準,作業面高が2水準の計4条件とした.各条件において,作業姿勢,筋電図,主観評価を計測した.体幹部を胸部,腹部,腰部の3つのセグメントに分解して結果を検討すると,ベルトの装着によって体幹屈曲位置が変化することが明らかとなった.これはベルトを装着することで,腹部と腰部が一体となり,腹部の可動域に制限が発生したからである.具体的には,ベルト無の条件では腹部を,ベルト有の条件では胸部を屈曲することで体幹を前傾させていることが分かった.それにより腰部ベルトの装着は椎間板圧縮力の減少を引き起こし,背部の主観的負担感の減少に繋がることが明らかになった.
  • 山形 隆造, 井上 哲, 黒住 千春, 高橋 尚, 古我 知成
    2015 年51 巻2 号 p. 123-130
    発行日: 2015/04/15
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    動揺性視覚刺激は悪心に先行する自律神経反応を誘発しうる.この自律神経反応に対する高濃度酸素吸入の有効性について検討した.健常者24名(20.9±2.7歳)を対象とし,胃電図(EGG),皮膚コンダクタンス(GSR),心拍数,SpO2,呼吸数を計測した.計測は映像視聴前の安静期間から行った.室内大気を吸入する群を対照群,30%酸素を持続吸入する群をO2群とした.映像視聴により悪心を訴えるものはいなかった.映像視聴後のEGGの積分値は対照群で有意に増加したが,O2群では有意差は認められなかった.GSRの相対値(映像視聴中vs.安静期間)を,対照群とO2群で比較した所,有意にO2群が低値だった.心拍数,SpO2及び呼吸数は実験中に有意差は認められなかった.これらの結果より,動揺性視覚刺激により誘発された胃運動や発汗量の増加は,30%酸素吸入により抑制されることが示された.
  • 高島 実穂, 松延 拓生, 満田 成紀, 福安 直樹, 鯵坂 恒夫
    2015 年51 巻2 号 p. 131-140
    発行日: 2015/04/15
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,電子書籍ビューワによる縦書き文書の戻り読み時の視線位置の調査をすることである.PC上で動く電子書籍ビューワを模したアプリケーションを用い,タッチパネル対応PC用ディスプレイで操作するタスクを,4インチ,7インチ,10インチの3サイズの表示領域で課した.その際に視線計測装置を使用して視線情報を取得した.それをもとに戻り読み時の被験者の視線位置を,表示領域のサイズやスマートフォン・タブレット所有の有無,使用UI,操作方向の視点でまとめた.結果としてタップによる戻り読みでは視線が縦方向に大きく移動する動きは少ないこと,ページの進行方向を注視している場合が多い可能性があること,スライダー操作中に端末非所有者がスライダーを見る割合が多いことなどが分かった.
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