腕運動制御系に付加し, 補償させる要素として一定張力, 弾性負荷, 粘性負荷, 慣性負荷を選び, サーボモータを利用してそれらを発生する装置を工夫した. これを前腕部に付加し, 腕運動制御系の変化を測定し, ボード線図やナイキスト線図でもって評価した. その結果, 次の事柄がわかった. 1) 弾性負荷によって制御系の位相はすすみの方向へ, ゲインは減少の傾向を示した. 2) そして制御系の速応性は増大し, 安定性も良くなった. 3) 慣性負荷によって, 制御系の改善はみられず, 不安定状態となった. 4) 腕運動距離の増大によって, コーヒーレンシイの周波数は増大した. 5) 各種外部負荷によって低周波数帯域での制御系の変化が顕著であり, 腕運動制御系の最適周波数範囲は, 0.25~0.5Hzと考えられた.
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