適当な大きさの円を紙に書いて, 次に, 眼を閉じてその円をなぞってみる. 眼を閉じて書いた円は, 必ず小さくなっているはずである.
この現象を手がかりとして, 手と足の随意運動の特性について, 光電式運動記録装置を作って解析した. 一般に, 手と足の随意運動の大きさは, 眼を閉じたときに小さくなる. このとき, 運動の速度は, 動作の大きさに比例するような変化をしている. したがって, 動作を決定づけている最も重要な要素は, 時間であると考えられる. このことから, 生体の内部に, 動作を制御するためのクロックの存在を想定した.
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