本論文は, 条件の異なる2事例から, 分類法の特徴について扱う. 本研究の目的は, 分類法の手順を示すこと, 収集されたデータを分析するための視点を整理すること, 官能検査への効果的適用を試みることである. 分類法は, 要素観よりもむしろ全体観に立った評価法である. そして, 被験者の所有する評価基準により近接したデータを得るために, 被験者への制約が少ない. 第1の事例は, 評価試料18種の職業名について, 無条件分類法を用いた. 第2の事例は, 評価試料30種の職業名に, 5分類の条件つき分類法を用いた. 分類枠の条件の違いは, 1カテゴリー内の評価試料数が少数の場合に, 影響が見られた. 同一条件の場合は, 同頻度分布の集団差は, ほとんど見られなかった. しかし, 同時所属度数の頻度では, 7集団の違いが示された. 7集団の非類似性行列に, 重み付き多次元尺度法を用いた結果, 4次元で十分な収束を得られた.
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