人間工学
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52 巻, 3 号
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総説
原著
  • 高林 範子, 山本 真代, 小野 光貴, 渡辺 富夫, 石井 裕
    2016 年 52 巻 3 号 p. 112-123
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    表情の中の微笑みや視線などの非言語メッセージは,看護コミュニケーションにおいて重要な役割を果たしている.これまで,アバタを介した看護コミュニケーション教育支援システムを開発したが,アバタの視線や表情に関する表現性の課題が残された.本論文では,アバタに微笑みと眼球動作モデルを付加した看護コミュニケーション教育支援システムを開発し,システムの活用可能性を検証する目的で,ロールプレイングによるコミュニケーション実験を行った.実験用のシステムモードとして【A:真顔のみ】,【B:微笑み+眼球動作無し】,【C:微笑み+眼球動作有り】の3つのモードを用意した.実験の結果,システムのモードとしては,微笑みと眼球動作のあるCモードが最も高く評価された.自由記述においてもコミュニケーション時の表情や視線が与える効果に気づく意見が多くみられ,本システムによる看護コミュニケーション教育支援の有効性が示された.
  • 須澤 将馬, 小谷 賢太郎, 鈴木 哲, 朝尾 隆文, 篠原 一光, 内藤 宏, 藤井 達史, 石川 貴洋, 松岡 孝, 石田 健二
    2016 年 52 巻 3 号 p. 124-133
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    実車運転中にカーナビ操作課題を行う際に生じるドライバーの精神的負担の評価のための呼吸指標の有効性について検討した.男性10名を対象に,テストコース上で先行車を追従する運転をしながらカーナビ操作を遂行してもらい,5水準の難易度の異なるカーナビ操作を課した際の呼吸活動を胸部および腹部で計測した.計測した呼吸活動データから9種の呼吸指標群(呼吸数,呼吸振幅,呼吸速度,吸気速度,呼気速度,タイミング,ドライブ,分時換気量,呼吸不安定性)を算出した.加えて,課題条件ごとにNASA-TLXを用いて主観的な精神的負担を得た.主観的な精神的負担を分散分析した結果,カーナビ操作条件の主効果が認められ,多重比較の結果,カーナビ操作の難易度の上昇に伴い精神的負担が増加していたが,カーナビ操作の難易度に対する呼吸指標の変化は呼吸指標毎で異なっており,なかでも呼吸数が最もドライバーの精神的負担を反映していることを確認した.
短報
資料
  • 榎原 毅, 山口 知香枝, 庄司 直人
    2016 年 52 巻 3 号 p. 141-149
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,人間工学研究の特色を倫理配慮の観点から明らかにすることを目的とした.人間工学誌2010年2月号~2014年12月号に掲載された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が施行される以前の原著・短報132編を対象に,侵襲や介入の有無,倫理配慮の手続きやアウトカムなど倫理配慮に関する要素をもとに集計を行った.筆者らの解釈による結果では,侵襲を伴う研究はわずかであるが,人を対象とした研究125編のうち介入を伴う研究が93.6%を占めた.また,人間工学研究で扱うアウトカムは広範に及び,「健康」「安全」「人の諸特性」「計測手法・尺度開発」などが多数を占めた.人間工学倫理指針の改定に際し,それら人間工学研究の動向を考慮する必要性を確認した.
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