高齢者にとって点眼容器の使いにくさは治療のアドヒアランスを阻害する要因であるにもかかわらず,薬剤の効果の研究に比べると容器のユーザビリティへの注目度は低いと言える.そこで,治療目的で点眼をしている高齢者に点眼動作の困難性と点眼容器の使用性についてインタビューを行い,テキストマイニング法を用いて点眼容器の使用性に関する評価項目を抽出することを目的とした.その結果,点眼容器の使用性の評価基準として①キャップの「開けやすさ」,②容器の「硬さ-柔らかさ」,③容器の「大きさ」,④容器の形状「平型」「丸型」,⑤容器のフィルムの剥がしやすさ,⑥ワンプッシュが1滴,⑦1滴の適量,⑧プッシュから滴下の時間の8項目があげられた.容器の柔らかさへの言及は75歳以上の高齢者に多く,1回のプッシュで,一定の速度ですみやかに眼球に1滴だけが注入できる容器が望ましいことが示唆された.