人間工学
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52 巻, 4 号
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原著
  • 横山 清子, 楯 千弘, 藤巻 吾朗, 安藤 敏弘
    2016 年 52 巻 4 号 p. 165-171
    発行日: 2016/08/20
    公開日: 2017/07/08
    ジャーナル フリー

    グリップを操作部とする機器や道具は数多く存在する.グリップ表面の微細な凹凸形状は,道具や機器の動作や全体の構造に影響を与えない.本研究では,従来から着目されている見栄え,心理的な印象,滑り止めに加え,身体負担低減,操作性や作業性能向上効果を得るための,グリップ表面の凹凸形状の深さや大きさ,形状の定量的な特徴の抽出を目的とする.グリップの表面形状の定量値と握り心地との関係を解析した.グリップ設計のための基礎的研究である.実験では,表面の凹凸形状を変化させた9種類のPLA(ポリ乳酸)樹脂素材の円筒を分析した.因子分析の結果,「硬軟感」「嗜好」「摩擦感」の3因子が抽出された.凹凸の深さが0.1 mm以下のものは,0.3 mm以上のものより,リラックス感や嗜好が高評価であった.9 mm辺の凸矩形より3 mm辺の凸矩形の方が滑りやすさが軽減されていた.

資料
  • 積山 和加子, 沖 貞明, 田中 聡
    2016 年 52 巻 4 号 p. 172-176
    発行日: 2016/08/20
    公開日: 2017/07/08
    ジャーナル フリー

    お好み焼き調理従事者の職業性腰痛の実態を明らかにするために,質問紙調査を実施した.広島県A市のお好み焼き店64店舗に質問紙を郵送した.質問紙は35店舗から返送された(回収率54.7%).回答のあった35名中腰痛ありと回答した者は22名(62.9%)だった.腰痛あり群における疼痛の強さに関しては7名が最重度の腰痛を呈していた.自由記載の「腰に負担のかかる動作」については,立位動作に関する記載が多かった.今回のお好み焼き調理従事者の腰痛の有病率は他調理従事者よりも高く,お好み焼き調理職の腰痛は職業衛生上で大きな問題となる可能性が高いことが示された.

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