機械と人間の組合せとして考えるべき航空機の設計にあたっては, 性能, 信頼性, 経済性など, これらの中には人間工学からの要求を含むが, いろいろな相反する要求の間の最良の妥協点を求めることが必要である. 座席のすわり心地や照明など, 狭い意味での居住性, 気温, 気圧の変化あるいは騒音からクルーを守ること, クルーのワークロードや適応能力の限界を知って各種の自動装置を設けること, 更にバイロットが操縦して大変気持がよい航空機にすること, およそこの順に問題が難しくなるように思われる. 航空機を設計する立場からいえば, 上記の各段階において, 人間工学の分野から適切な理論やデータが供給されること, 更に進んで両分野の協力研究が活発に行なわれることを期待する.
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