Journal of Veterinary Medical Science
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58 巻 , 4 号
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  • 甲斐 ー成, 光野 京子, 後藤 直彰, 網 康至, 安藤 修二, 鹿江 雅光
    1996 年 58 巻 4 号 p. 285-290
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    以前, フレンドウイルスをラットに継代するとラットに振せんと麻痺を誘発する変異株PVCウイルス(PVC111, PVC211, PVC321, PVC441)が分離されることを報告した. 今回, これらのウイルスのマウスにおける病原性について検討した. いずれのウイルスの感染においてもNFSマウスの脊髄には海綿状変性が観察されたが, PVC441ウイルス感染マウスのみが明らかな振せん, 麻痺症状を示した. 長期間を経た後, これらのウイルスが感染したマウスはすべて重度の貧血を伴う白血病を発症した. PVC441ウイルスを用いた実験では神経症状の発現にはウイルス量及び日齢依存性のあることが判明した. PVC441ウイルスを用いてマウスの感受性の系統差を調べたところ, BALB/c, DBA/2, C57BL/6マウスは抵抗性であることがわかった. しかし, BALB/cマウスの脊髄には重度の海綿状変性が観察された. 一方, DBA/2, C57BL/6マウスでは限局された部位で軽度の変性が観察されたのみであった. NFSマウスとこれらのマウスを交配し, 抵抗性の遺伝的背景を調べたところ, 多様な遺伝子が神経症状誘発に関与していることがわかった.
  • 山田 一孝, 宮原 和郎, 佐藤 洋, 中山 和佳子, 佐藤 基佳, 広瀬 恒夫, 加藤 博敏, 池平 博夫, 舘野 之男, 杉原 博, 古 ...
    1996 年 58 巻 4 号 p. 291-295
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    4種類のラット病態モデル(脳卒中易発症ラット, 中大脳動脈閉塞, 肝細胞癌, 水腎症)におけるガドジアミド注を用いた造影MRIの効果を1.5Tあるいは2.0Tの超電導MRI装置を用いて検討した. 脳卒中易発症ラットでは造影前に描出できなかった比較的新しい脳梗塞が検出され, 中大脳動脈閉塞モデルでは脳梗塞による傷害部位が造影された. 肝細胞癌モデルでは造影前に検出されなかった腫瘍が造影直後に検出された. 水腎症モデルでは, 正常腎で造影された腎髄質が造影されなかった. 脳卒中易発症ラットおよび中大脳動脈閉塞モデルの造影効果は血液脳関門の破綻によりガドジアミドが組織に漏出したことにより検出され, 肝細胞癌モデルおよび水腎症モデルでは血流によってガドジアミドが分布した結果として造影効果を示したものと考えられた. また, 水腎症モデルでは尿濃縮の過程が把握できたことから, MRIで腎機能評価を行い得る可能性が示唆された. なお, 造影MRI実施中に造影剤に起因すると考えられる異常症状は認められなかった. 以上の成績より, 造影MRIは安全であり, 腫瘍の検出のみならず種々の病態の評価に有用であると考えられた.
  • 味戸 忠春, 芳賀 嘉久, 本間 惣太, 御領 政信, 岡田 幸助
    1996 年 58 巻 4 号 p. 297-303
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    9週齢の豚に, Actinobacillus pleuropneumoniae(APP)1型菌HA-337株の6.1×103(103群), 105(105群), 107(107群)が鼻腔内投与された. 105群の3頭中1頭及び107群の3頭中2頭が投与後20~48時間に呼吸困難と出血性胸膜肺炎で死亡した. 投与後7日目に剖検された105及び107群の全頭は巣状の線維性胸膜肺炎を呈した. 組織学的に肺炎病巣は甚急性期, 急性期, 亜急性期の3期に分けられた. 甚急性及び急性期死亡例には重度の水腫性, 出血性病変がみられた. 107群の死亡例は重度の水腫と肺胞の出血壊死からなる甚急性病変を示し, 拡張した小葉間への円形または楕円形細胞の多数の浸潤が特徴的であった. 105群の死亡例は肺胞にしばしば渦巻き状を呈する巣状または帯状の円形~楕円形細胞浸潤から成る急性期の肺病巣を示した. 105及び107群の生存例は肺の壊死部を取り囲む線維化からなる亜急性病変を示した. 渦巻き状細胞は限界帯においてより明瞭となった. 免疫組織化学的にApp抗原は, 甚急性及び急性期病変部の肺胞内, 拡張した小葉間中隔, 胸膜及びリンパ管内に菌体として認められた. また, 壊死部が瀰慢性に弱く染まった. App抗原には甚急性期にはマクロファージや浸潤細胞には認められなかったが, 急性期にはマクロファージの細胞質内に色素塊として認められた. 亜急性期例ではApp抗原は肺の壊死部及び限界帯の渦巻き状細胞間に菌体として認められた. 線維化部ではマクロファージ内に大型色素塊として示された.
  • 大園 隆美, 石黒 直隆, 堀内 基広, 品川 森一
    1996 年 58 巻 4 号 p. 305-310
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    2種類の牛c-myb遺伝子を得た. 1つは, 散発型牛白血病(SBL)胸腺型に由来し75kDa蛋白質(FLMyb)をコードする完全長のc-myb遺伝子であり, 他の1つはSBL子牛型に由来し, 負の制御領域に相当する85アミノ酸を内部欠損した65kDa蛋白質(DELMyb)をコードする遺伝子である. c-myb遺伝子の内部欠損とトランスフォーム能との関係を調べる目的でFLMybとDELMybをコードするレトロベクターを作製し, マウス胎児肝細胞に感染させた. DELMybの高い転写活性能にかかわらず, 半流動寒天およびメチルセルロース中でのコロニー形成能に関してDELMybとFLMybとの間には大きな差はみられなかった. このことは, c-myb遺伝子の内部欠損は転写活性能には有効であるが, 造血系細胞のトランスフォーメーションには直接関与していないことを示している.
  • 高木 久, 福田 俊, 飯田 治三, 佐藤 淳, 佐藤 れえ子, 内藤 善久
    1996 年 58 巻 4 号 p. 311-316
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ビタミンAD3E(V-AD3E)の合剤, ビタミンA(V-A)あるいはビタミンD3(V-D3)の単剤を哺乳期の子牛へ生後7日齢から10日間大量経口投与し, 牛ハイエナ病の発症試験を実施したところ, V-AD3E剤(日量V-A 300万I.U., V-D3 30万I.U., V-E1, 200I.U.)を投与したV-AD3E群(2頭中2頭), その半量を投与したHalf V-AD3E群(2頭中1頭), およびV-A 300万I.U.を投与したV-A群(2頭中1頭)の計4頭に発症が認められたが, V-D3 30万I.U.を投与したV-D3群では観察されなかった. 発症子牛では, V-Aの過剰を示す血中のエステル型のV-A(レチニルパルミテート)が高値を示し, 長骨の成長軟骨板は狭窄や構造の変性などを示した. V-AD3E群はV-A群と比較して, 発症年齢が早く, 体重増加率の低下および後肢だけでなく前肢の成長不全も重度であった. 以上, 牛ハイエナ病は, 子牛の成長軟骨板に対する過剰なV-Aの作用により発症し, さらにV-D3によって発症が促進されるものと推測された.
  • 山田 學, 堀内 俊孝, 織部 智宏, 山本 静雄, 松下 博治, Gentry Patricia A.
    1996 年 58 巻 4 号 p. 317-322
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    新鮮卵巣の小卵胞(直径2~8mm)から吸引採取したウシの卵丘細胞-卵子複合体を試験管内で成熟, 受精させ, 得られた初期胚をさらに12日目まで試験管内で培養した. このときの卵子と初期胚, およびそれらの培養液について, プラスミノーゲン アクチベーター(PA)活性をフィブリンスライド法, フィブリン平板法, ザイモグラフィを用いて調べた. 未受精卵子は成熟に関係なくPA活性は認められなかったが, 卵子を取り巻く顆粒膜細胞は明瞭な活性を示した. 初期胚のPA放出は受精から胚盤胞期までの7日間は低レベルにあったけれども, 受精後7~8日の拡張胚盤胞期に急激な増加をした(p<0.05). この効果的な活性は脱出胚盤胞期まで持続した. さらに, フィブリンスライド法で測定した脱出胚盤胞の活性は, それ以前の活性よりもはるかに大きな溶解窓を示した. また, 拡張胚盤胞期以降の培養基からもプラスミノーゲンアクチベーターはザイモグラフィーによって確認され, 推定される分子量は78kダルトンであった.
  • 小坂 俊文, 中田 陽子, 湯川 眞嘉, 粟屋 晃, 小野寺 節, 桑原 正人, 田中 茂男
    1996 年 58 巻 4 号 p. 323-327
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    血精胸腺因子(FTS)の犬の免疫系に対する影響について, 特にマクロファージおよび多形核白血球の免疫応答について化学発光法を用いて検討を行った. FTSは白血球数および白血球百分率には影響を及ほさなかった. 全血におけるCL活性はFTS投与後72から120時間後に有意な上昇が認められ(p<0.05), 投与96時間後のCL活性は投与前の約3倍だった. 多形核白血球におけるCL活性はFTS投与後24から96時間後に有意な上昇が認められ(p<0.05), 投与48時間後のCL活性は投与前の約7倍だった. FTSはまたマクロファージ活性を投与後24から96時間の間で有意に上昇させ(p<0.01), 投与24時間後および48時間後のCLカウントは投与前の約100倍であった. これらの結果よりFTSは犬のマクロファージ及び多形核白血球に対する有効で有用な免疫賦活物質であることが示唆された.
  • 小松 武志, 山本 欣郎, 坪田 敏男, 阿閉 泰郎, 鈴木 義孝
    1996 年 58 巻 4 号 p. 329-335
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    野生個体1頭と飼育個体3頭から採取した精巣組織材料を用いて, ニホンツキノワグマ(Selenarctos thibetanus japonicus)における精子形成サイクルについて, 光学顕微鏡および電子顕微鏡による観察を行った. 光顕による観察から, 精子細胞の核およびアクロソームの形態学的変化に基づいて, 精子細胞を11ステップに分類した. さらに, この精子細胞の形態学的変化, 減数分裂像および精子細胞の管腔への遊離時期を指標にして, 精上皮サイクルを8ステージに区分した. 一つの精細管横断面は, 大抵単一のステージによって占められていた. ステップ1-2の精子細胞は, よく発達したゴルジ装置を持ち, ステップ3-5では核膜表面を被うアクロソームに沿って, 三日月状に観察された. ステップ6の精子細胞は先端を基底膜方向に向け, 精子細胞の細胞膜とアクロソーム外膜とが接着した. ステップ9においては, アクロソームがセルトリ細胞の細胞質ヘ突出している像が観察され, ステップ11になると, 精子細胞の細胞質のほとんどがセルトリ細胞に取り込まれ, 精子細胞そのものは精子として管腔へ遊離した.
  • 安藤 光一
    1996 年 58 巻 4 号 p. 337-342
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    アカハライモリ脳動脈系および脈絡叢におけるneuropeptide Yならびにvasoactive intestinal polypeptide免疫陽性(NPY-IR, VIP-IR)神経の支配様相について, 免疫組織蛍光法および化学的交感神経切除(6-OHDA処理)を用いて調べた. 今回の研究結果と前回の組織化学的所見の統合帰結から, 下記した4つの支配特性を指摘することができる. (1) 脳動脈系および脈絡叢へのNPY-IRおよびVIP-IR神経供給は後者神経の著しい低密度, もしくは欠如によって特徴づけられる. (2) NPY-IR神経のほとんどは交感神経起源であり, VIP免疫活性を欠く. (3) 脳動脈系を支配するNPY-IR神経の一部は, 個体によっては脳頚動脈あるいは前幹枝に見出される内在性ニューロンに起因する. (4) 副交感神経支配には, NPYおよびVIP免疫活性を欠くアセチルコリンエステラーゼ陽性神経が主に関与している. NPYの薬理学的作用, 有尾両生類の脳構造の特異性に準拠すれば, NPY-IR神経によるイモリ脈絡叢の優勢支配は, 本神経が叢内微細循環や脳脊髄液産生に対する機能的役割以外に, 脳実質と脈絡叢間の栄養素, 酸素および代謝産物の輸送活動に重要な調節因子として作動していることを示唆する.
  • 嶋田 照雅, 鹿野 創人, 橋口 理恵, 松木 直章, 小野 憲一郎
    1996 年 58 巻 4 号 p. 343-347
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Babesia microti(BM)ならびにBabesia rodhaini(BR)感染初期の細胞性免疫応答におけるLyt-2陽性(Lyt-2+)およびL3T4陽性(L3T4+)T細胞の役割を明らかにするため, モノクローナル抗体投与によりLty-2+あるいはL3T4+T細胞を枯渇したマウスについて, BMおよびBR感染後の経過ならびに遅延型過敏反応を検討した. Lyt-2+T細胞枯渇マウスは, BM感染には強い抵抗性を示したものの, BR感染には逆に高い感受性を示した. 一方, L3T4+T細胞を枯渇したマウスでは, BM感染には高感受性を, BR感染には抵抗性を示した. 遅延型過敏反応は, BM感染ではLyt-2+T細胞の枯渇により有意に増強されたのに対し, L3T4+T細胞の枯渇により有意に抑制された. 一方, BR感染では, 遅延型過敏反応にいずれのT細胞枯渇の影響も認められなかった. これらの結果から, BMおよびBR感染初期の細胞性免疫応答におけるLyt-2+およびL3T4+T細胞の役割は異なっており, これがBMおよびBR感染マウスの感染経過の相違に関連するものと考えられた.
  • 平川 篤, 坂本 紘, 清水 亮佑
    1996 年 58 巻 4 号 p. 349-354
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    実験的重度肺水腫犬を用い, Positive end-expiratory pressure (以下PEEP)に対する心肺機能ならびに肺血管外水分量に及ぼす影響について検討した. 肺水腫は, 左心房内のバルーンを膨脹すると同時に肺動脈に温ブドウ糖液を急速静注することにより作成した. 肺血管外水分量(extravascular lung water : EVLW)は, 熱とNaを用いる二重指示薬希釈法で測定した. 実験犬は, EVLWが200~300%増加するまで(maximal edema), PEEP=0cmH2O(zero end-expiratory pressure, 以下ZEEP群)で換気し, その後2群に分け6頭はZEEPのままで, 残りの6頭はPEEP=10cmH2O(以下PEEP群)で換気した. その結果, ZEEP群では3時間以内に全例死亡したのに対し, PEEP群では4時間にわたり6頭全て生存した. EVLWは, ZEEP群ではmaximal edemaからやや増加傾向を示したのに対し, PEEP群は有意な変化は認められなかった. PaO2は, ZEEP群では低下傾向であったが, PEEP群では4時間を通じ有意に増加した. これらのことより, PEEPは重度の実験的肺水腫犬に対しても肺機能を改善するが, これらの効果はEVLWの減少によるものではないということが明らかになった.
  • 瀧川 義康, 小林 栄樹, 井出 誠弥, 山根 康義, 田中 義夫, 山岸 郭郎
    1996 年 58 巻 4 号 p. 355-357
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    PRRSウイルスに対する血中抗体を検出する方法としてELISA法を開発した. 抗原の作製にはPRRSウイルスを感染させたMARC-145細胞を使用した. 実験感染による経過血清と任意の血清に対する結果は間接蛍光抗体法(IFA法), イムノペルオキシダーゼ法(IPMA法)より感度が良好であった. ELISA法は多数の血清を同時に試験ができるため, PRRS抗体を検出するのに有用な方法である.
  • 真瀬 昌司, 旭 節夫, 今井 邦俊, 中村 菊保, 山口 成夫
    1996 年 58 巻 4 号 p. 359-361
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    七面鳥鼻気管炎ウイルス(TRTV)を高感度かつ特異的に検出するRT-PCR法を確立した. 2組のプライマーをTRTV3B株のF蛋白遺伝子の塩基配列に基づいて設定した. これらのプライマーでのNested PCR法による検出感度は0.4TCID<50>に相当した. 本法を野外SHSの1発症例に応用したところ, 鶏の気管と鼻腔からTRTVを検出することができた. 今回用いたRT-PCR法は, TRTV遺伝子検出の感度と特異性が高く, TRTVとSHSの関与を調べるうえで有用であることが示された.
  • 村田 英雄, 今田 忠男
    1996 年 58 巻 4 号 p. 363-364
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    日本シカ(以下シカ)の末梢血好中球の各種刺激物質に対する化学発光反応性をウシ及びヒト細胞の反応性と比較した. シカ好中球はウシやヒト細胞と同様に, オプソニン処理ザイモザン, コンカナバリンA及びフォルボールエステルには強く反応した. しかし, ヒト好中球を刺激するFMLPに対しては, ウシ細胞と同じく, 反応しなかった.
  • 池森 豊, 太田 正史, 梅田 浩二, ペラルタ ロバート, 黒木 雅彦, 横山 英明, 児玉 義勝
    1996 年 58 巻 4 号 p. 365-367
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    2種類の鶏卵黄抗体を用いて消化管における動態試験を行った. ヒドロキシメチルセルロースフタレート(HPMCP)抗体粉末(HAP)とコントロール抗体粉末(CAP)を子牛に経口的に投与し, ELISA法により抗体活性を測定したところ, 投与後2時間目には, CAPおよびHAP投与牛の第4胃における抗体価はそれぞれ128倍と256倍であったが, 4時間目には, 2倍および64倍に低下した. これらの結果から, HPMCPを含む抗体粉末は胃液に対してより抵抗性があり, 小腸でより確実に作用する可能性が示唆された.
  • 片岡 康, 山下 利治, 須永 静二, 今田 由美子, 石川 整, 木嶋 眞人, 中澤 宗生
    1996 年 58 巻 4 号 p. 369-372
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    豚血清中のS. suis type 2抗体を検出するためのELISA法を開発し, 併せて野外調査を行った. ELISA抗原は, 精製莢膜抗原の反応性が最も優れ, S. suisの他の血清型や他の病原細菌に対する抗血清との交差反応は認められなかった. と畜場出荷豚の血清中S. suis type 2抗体の保有率を調べた結果, 汚染農場の抗体陽性率は17.O%, 汚染地域農場は9.8%, 清浄農場では3.4%であり, 汚染農場と清浄農場との間に有意差が認められた.
  • 潘陳 眞眞, 山本 譲, 伊藤 義彦, 潘 英仁, 林 良博
    1996 年 58 巻 4 号 p. 373-376
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    アポトーシスとは別に, 突き出し型細胞死が正常ラットの副腎の毛細血管内で観察された. 透過型電子顕微鏡でみた突き出し型細胞は細胞質の密度が低く, 小胞体が拡張していた. 突き出る部位は血管内皮の小孔または内皮の破損部位であった. 血管内に突き出て細胞膜が破れても, 核, ミトコンドリア, 分泌顆粒は形態学的に正常な像を呈していた. 突き出し型細胞は髄質の全域及び皮質の網状層に観察された.
  • 齋藤 明人, 管野 徹, 村上 洋介, 村松 昌武, 山口 成夫
    1996 年 58 巻 4 号 p. 377-380
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    日本で分離された豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRS)遺伝子の3'末端から1713塩基の配列を決定した. この領域にはオープンリーディングフレーム(ORF)が3個認められた. これらのORFはPRRSの主要な構造蛋白をコードしていた. 各ORFのアミノ酸配列の相同性はアメリカ分離株とは高く, ヨーロッパ分離株とは低い結果が得られ, それらの分離ウイルス株間の, 抗原性比較の成績と一致した. さらに, サブゲノムmRNAのcDNA塩基配列からUA(A/G)CCが連結遺伝子と推定された.
  • 竹村 直行, 小山 秀一, 本好 茂一
    1996 年 58 巻 4 号 p. 381-384
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    両房室弁閉鎖不全による重度のうっ血性右心不全の犬2例を経験した. 2例とも老齢の雄小型犬であった. うっ血性心不全の原因は主に三尖弁閉鎖不全で, 発咳などの左心不全症状はほとんど見られなかった. 三尖弁閉鎖不全は続発性ではなく, 原発性であると考えられた.
  • 鴨川 修, 富田 豊, 兼子 松義, 山田 俊治, 久保 正法, 清水 実嗣
    1996 年 58 巻 4 号 p. 385-388
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    3頭の豚繁殖・呼吸障害症候群罹患豚の扁桃と肺からコロナウイルス4株を分離した. 分離ウイルスはポリクローナル抗体を用いた中和試験では豚伝染性胃腸炎ウイルスと区別できなかったが, 単クローン抗体を用いた蛍光抗体法で区別され, 呼吸器型コロナウイルス(PRCV)と同定した. 検査豚由来2農場の子豚30頭の調査では, それぞれ29, 15頭が分離ウイルスに対する中和抗体が陽性であり, わが国にもPRCVの存在することが明らかとなった.
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