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齊藤 典子, 山中 晴道, 長澤 成吉
1991 年 53 巻 1 号 p.
1-4
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ラット肝臓中のグルタチオン-インスリン トランスヒドロゲナーゼ (GIT) 活性を, Fluorescein isothiocyanate-Iで標識したインスリンを基質とし, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いてその減少を観察することによって定量する方法を開発した. 標識したインスリンは, 逆相HPLC分析では結合した蛍光色素量の異なる数種のピークをもつことがわかった. そこで, これらのうちmono-fluorescein-thiocarbamylated insulinの減少を観察することで用量依存的な定量が可能となった. 本法は迅速, 簡便で従来のRIを用いる定量法に替わりうるものと考えられた.
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吉田 康幸
1991 年 53 巻 1 号 p.
5-11
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
創傷性心膜炎牛を剖検所見に基づき繊維素性, 漿液繊維素性, および化膿性心膜炎の3病型に分類し, 血清蛋白濃度および血清蛋白電気泳動所見の診断的意義について検討した. 軽度の低蛋白血症, やや重度の低アルブミン血症, 軽度のαグロブリン濃度の増加, およびβグロブリン濃度の増加傾向が3病型に共通して見られた. γグロブリン濃度は繊維素性および漿液繊維素性心膜炎において減少傾向にある反面, 化膿性心膜炎においては増加傾向にあった. したがって, 化膿性心膜炎を除き, 創傷性心膜炎の血清蛋白分画像は血清蛋白質の非選択性漏出を伴った亜急性炎症型であるといえる. また, その血清蛋白電気泳動図には疾病特異性の高い所見がみられた. すなわち, 細身のアルブミン峰, アルブミン側に主峰を有する鋭角的な2峰性αグロブリン峰の隆起, さらにβグロブリン峰の隆起傾向, しばしば確認される相対易動度の増加, ならびにβおよびγグロブリン峰間に深く広い陥凹を示す傾向によって特徴付けられるものであった. 一方, 化膿性心膜炎では細身のアルブミン峰を除き, これらの所見は不明瞭であるか, または見られず, 一般的な慢性炎症型血清蛋白分画像との鑑別は困難であった.
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松野 年美, 針口 二三男, 岡本 勉
1991 年 53 巻 1 号 p.
13-17
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
古典的な抗マラリア剤パマキンおよびプリマキンなどの8-aminoquinolineの抗コクシジウム活性については, 未だに報告されていない. それら2薬剤につきバタリー試験により, 5種のニワトリコクシジウム : Eimeria tenella, E. necatrix, E. acervulina, E. maxima, およびE. brunetti (いずれも実験室標準株) に対する活性を調べた. 両薬剤は共にE. tenella, E. necatrixに対してのみ有効で, その他のコクシジウムに対しては, 全く無効であった. 前2者に対する有効性については, E. tenellaに対してパマキンは, 飼料中125-250ppmの投与により顕著に症状を抑制する効果を示し, プリマキンは31.2ppm以上の投与で一層優れた抑制効果を発揮したほか, E. necatrixに対しては, パマキンは250ppmで, プリマキンは125ppm以上の濃度で症状の抑制効果を発揮した. これらの試験でパマキンは125-250ppmの濃度で明らかにヒナの増体重を抑制する傾向を示したが, プリマキンは, 500ppm投与の例を除き250ppmまでの濃度ではそのような傾向を示さなかった. また, パマキンのbenzophenone, nitropyrazole, dinitrobenzoie acid, quinoline類との分子化合物ならびに硫酸塩, 亜鉛塩などにつき同様のバタリー試験を行ったところ, それらの化合物はパマキン自身が示した抗コクシジウム活性を失うことなく, 体重増を低下させる影響を著しく軽度なものとし, 広い安全域を示した. 本来強い抗マラリア・抗ピロプラズマ作用のある8-aminoquinoline類に対して感受性を示したE. tenellaやE. necatrixは, 生活環に上皮細胞寄生のほか特に中はい葉由来細胞に寄生する時期を持つという意味でマラリアやピロプラズマのような住血原虫の生活態度に似ており, 他の3種の感受性を示さなかったEimeriaとは異なっている. 本試験結果はこれら8-aminoquimoline感受性の胞子虫の間には生理機構の中に互いに類似した要素のあることを示唆しているのかもしれない.
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土田 修一, 臼井 玲子, 臼井 良一, 村松 梅太郎, 江島 博康, 池本 卯典
1991 年 53 巻 1 号 p.
19-21
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
自己免疫性溶血性貧血 (AIHA) に罹患したイヌ1例の自己抗体および赤血球膜タンパクの性状を発症期ならびに寛解期について検討した. 発症期では抗グロブリンテストは陽性を示し, 赤血球よりの解離抗体は自己血球ならびに健康イヌ血球を凝集した. 解離した自己抗体のサブクラスはIgGおよびIgAであった. また, 赤血球膜ゴーストを作製し, AIHAイヌ赤血球膜タンパクをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて解析したところ, AIHAイヌで著明に赤血球膜4.1タンパクの位置に相当するタンパクの増量を認め, その分子量は約81,000であった. 本例は, 化学療法によって寛解を呈したが, その時期における抗グロブリンテストは陰性であった. また, 寛解期の赤血球膜ゴーストには発症期に認められた4.1タンパクの増量は検出されず, 発症期と寛解期赤血球膜タンパクの泳動パターンに差異を認めた. しかし, 赤血球膜タンパクの変化に伴う赤血球型抗原の変異は認められなかった.
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田代 和子, 久保倉 洋子, 加藤 行男, 金子 賢一, 小川 益男
1991 年 53 巻 1 号 p.
23-27
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
土壌, 河川水並びに井戸水にYersinia enterocoliticaO3, O4, O5A, O5B, O6, O6, 30, O9, O13およびYersinia intermediaを接種して接種菌の消長を観察し, 次の成績を得た. 1) 20℃保存の土壌と河川水および4℃保存の土壌において, 供試菌株中O3株が最も急速に死滅した. また, O4, O5AおよびO9株は4℃保存の土壌において, 生菌数が10/g未満になってから35週間以上生残した. 2) O9株は4℃保存の河川水ではO3株よりも急速に死滅したが, 4℃保存の土壌では非病原株と同様に長期間生残した. 3) O3, O5BおよびO9株は4℃保存の土壌および河川水では20℃保存のものより長期間生残した. 4) O4, O5A, O6の非病原株について, 4℃保存の井戸水では菌数減少が認められなかった. 5) 濾口径100μm又は5μmのフィルターで濾過した土壌上清中ではO3株およびO5A株は死滅したが, 0.22μmのフィルターで濾過又は121℃15分間加熱した土壌上清中では両株の菌数減少は観察されなかった.
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後藤 義之, 三浦 康男, 甲野 雄次
1991 年 53 巻 1 号 p.
29-32
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
チュウザンウイルスは牛を含む種々の動物の赤血球を凝集した. 牛赤血球を用いて検査した結果, その凝集性 (HA) は希釈液の塩類濃度に依存し, 0.6モルの時に最も強く現れた. しかし, 希釈液のpHと反応温度の影響は受けなかった. 異なった地域の2頭の牛から分離された2株のウイルスとヌカカから分離された1株のウイルスのHAを比較したが, 株間の差は認められなかった. チュウザンウイルスに感染した牛は高力価のHA抑制 (HI) 抗体を産生した. このHI抗体価は中和抗体 (NT) 価と平行して推移した. HI抗体価とNT抗体価の相関は非常に高く, これらの結果, 牛のチュウザンウイルス感染の診断や抗体調査は, 中和試験のみならず, より簡単なHI試験により実施可能な事が明らかとなった.
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高橋 雄二, Said Ahmed Abdu, 橋爪 昌美, 城戸 靖雅
1991 年 53 巻 1 号 p.
33-36
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
スルファジメトキシン (SDMX) のブロイラー皮膚残留性を検討した. SDMXをブロイラーに1,000ppmの濃度で5日間, 飲水添加投与したところ, SDMXの皮膚からの消失は他の組織および血漿より著しく遅かった. この結果は単回強制経口投与試験 (投与量 : 200mg/kg) においても再現された. 飲水添加投与試験において, 外部と遮蔽した皮膚と無処置の皮膚間のSDMX残留濃度を比較したところ, 有意差は認められなかった. よって, 皮膚中のSDMX残留は飲水, 糞または尿中のSDMXが皮膚に付着して生じたのではないと考えられた. 更に, 静脈内投与 (投与量 : 30mg/kg) 後の胸部, 背部および脚部の皮膚間のSDMX濃度に有意差は認められなかったことから, SDMXは全身の皮膚に均一に分布すると考えられた.
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清家 昇, 酒井 実, 金川 弘司
1991 年 53 巻 1 号 p.
37-42
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ウシ切断2分離胚 (分離胚) を寒天包埋した場合としなかった場合, あるいは透明帯に還納した場合としなかった場合に分けて凍結した. 解凍後, 形態的に移植可能な分離胚はそれぞれ26.3%, 36.4%, 39.5%, および40.0%であり, 各グループ間に統計的な差 (P<0.05) は認められなかった. また, 子牛への発生も透明帯に還納した分離胚で25.0%, 還納しなかった分離胚で26.7%であり, 両者間に差は認められなかった. 移植時期の異なる1卵性双子牛の作出試験における新鮮胚および凍結胚の受胎率は各々69.2%および11.1%となり, 13個の胚から1組の移植時期の異なる雄の1卵性双子牛が得られた. この切断2分離胚は凍結後移植前に43日間液体窒素中に保存された. この双子牛の血液型検査によって1卵性である事が確認され, 両者共誕生時期は異なるものの発育状態に類似性が見られた. ウシ分離胚の一方を凍結保存後移植する事により移植時期の異なる1卵性双子牛を作ることが可能であった. このことは, 予め, 一方の分離胚 (新鮮胚) から子牛を得ることにより, 他の分離胚 (凍結) の性判別, 泌乳能力および後代検定成績の推定された子牛の誕生を可能にすることを示唆している.
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郭 登賦, 久保田 浩司, 小沼 操, 児玉 洋
1991 年 53 巻 1 号 p.
43-48
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
Oncorhynchus masouウイルスDNAのBamHI切断断片を組み込んだリコンビナントプラスミドを用い, サケ科魚類からのウイルスDNAの検出を試みた. プローブとしてウイルスDNAに特異な2種類のリコンビナントプラスミドを用いた. 培養によるウイルス分離法の成績と比較し, ウイルスDNAは不顕性感染魚あるいは死亡魚より2週間はやく検出可能であった. また, 北海道内で養殖されていた魚や自然の川の魚からもウイルスDNAが検出された. 本法の検出感度は細胞あたり10コピーのウイルスDNAであった.
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足立 吉數, 原 正三, 熊澤 教眞, 平野 孝一, 上野 郁子, 江川 滉二
1991 年 53 巻 1 号 p.
49-52
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
外国から輸入された11種類 (生落花生, アーモンド, とうがらし, ココアビーン, ブラックペッパー, そば, ウォルナッツ, はと麦, 大豆, ポップコーン, ピスタチオナッツ) 12食品中のアフラトキシンB
1を酵素抗体法及び高速液体クロマトグラフィーを用いて検索した. その結果, 酵素抗体法によって7種の異なる食品からアフラトキシンB
1が検出され, そのうちの4種は液体クロマトグラフィーでも検出された. しかし, それらの食品に含まれるアフラトキシンB
1の量は, 法によって定められている10ppb以下であった. ちなみに, 酵素抗体法によるアフラトキシンB
1の検出限界は1pgであった. これらの結果から, 輸入される食品はアフラトキシンB
1に広範囲に汚染されている可能性が示唆される.
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小坂 俊文, 桑原 正人, 遠藤 淳, 玉口 宏, 小出 英興
1991 年 53 巻 1 号 p.
53-57
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
SL系マウスの骨髄性白血病に由来するM1細胞を用い組換え型ヒトTNF (rH-TNF) またはマウスに誘導したTNF血清 (TNS) によるアルギナーゼの活性発現について検索した. M1細胞はrH-TNFまたはTNS存在下で培養すると増殖はただちに抑制され, それにともなって貧食能のある細胞に分化するが, rH-TNFあるいはTNSでは細胞障害性は認められなかった. TNS処理による貧食能を持つ細胞への分化はrH-TNF処理よりも早かったが, これはTNFの種特異性あるいはその他の分化誘導因子が含まれているためと考えられる. rH-TNFあるいはTNS処理により, アルギナーゼがM1細胞の培養液中に増加し, これは貧食能の増加と相関していた. これらの結果よりin vitroにおけるM1細胞の分化はアルギナーゼ活性の誘導を伴って起こることが示唆された.
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桑原 康人, 北川 均, 佐々木 栄英, 石原 勝也
1991 年 53 巻 1 号 p.
59-64
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
犬糸状虫類似のシリコンチューブを右心房および三尖弁口部に挿入した犬糸状虫症caval syndromeの人工モデルについて, 右心系循環動態を計測した. 実験は, 数個の結び目をつくったチューブを15~25本挿入した結束群 (6例), 結び目をつくらずにそのまま7~11本を挿入した少数群 (3例), 29~37本を挿入した多数群 (3例) で実施した. チューブ挿入後, 全ての例において, 血管造影剤が右心室から右心房に逆流するのが認められ, その程度は多数群で最も重度であった. 心電図において, 心房性または心室性の期外収縮が認められた. 右心房圧のa波およびv波は全例で上昇したが, v波の上昇は多数群で特に著しかった. 肺動脈圧は低下もしくはわずかに上昇する傾向にあり, 総肺血管抵抗は増加した. 右心拍出量は全例で減少した. これらの右心系循環動態の変化は, 肺循環が比較的良好に保たれている自然発症例の循環動態と類似していた.
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長谷川 承, 左向 敏紀, 竹村 直行, 小山 秀一, 本好 茂一
1991 年 53 巻 1 号 p.
65-68
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
我々は陽イオン交換カラムを使用した高速液体クロマトグラフィー (以下HPLC) による, イヌ糖化ヘモグロビンの測定法を確立した. イヌヘモグロビンは, 2つのmajorピーク (HbA0) と, HbA1a, HbA1b, HbA1cからなる3つのminorピークに分画された. 臨床的に正常な犬38頭と糖尿病犬10頭でのHbA1cの平均値はそれぞれ2.60および6.41%であった. またHbA1の平均値はそれぞれ3.58および7.41%となり, 糖尿病犬のHbA1c及びHbA1は正常犬に比較して有意な高値を示した (p<0.01). イヌ糖化ヘモグロビンの測定におけるHPLC法の有用性は高く, インスリン療法のモニターへの臨床応用が可能であろうと考えられた.
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熊澤 教眞, 岩尾 健, 加藤 英一
1991 年 53 巻 1 号 p.
69-71
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
腸炎ビブリオD-3株とR-13株は15, 25および35‰人工海水中で25℃で飼育するアマガイの体内から投与後7日以内に消失した. 大腸菌YS-2株は15‰人工海水中で飼育する貝の体内で10
2/gレベルで14日間生残したが, 35‰人工海水中で飼育する貝からは7日以内に消失した. アマオブネガイ科巻貝類がこれらの菌を排除する能力は貝の生息水域の水の塩分濃度に依存しており, アマガイの排除能は海産のアマオブネよりも弱く, 汽水産のイシマキガイよりも強いように見える.
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中村 義男, 河津 信一郎, 南 哲郎
1991 年 53 巻 1 号 p.
73-79
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
Anaplasma centraleおよびA. marginaleの構成蛋白質と抗原決定基の性状をSDS-PAGE, イムノブロット, ELISAで比較解析した. その結果, 分離株に共通の蛋白質と, 種あるいは株に特異的な蛋白質が検出された. 構成蛋白質のうち, 主要蛋白質の分子量は38~40kdで, それらの分子量には種により若干の差異がみられた. 主要蛋白質はイムノドミナントな表面蛋白質で, 種に共通する少なくとも2つの蛋白質抗原決定基を有していた. それらのうちの1つは糖鎖を含むことが示唆された. さらに, A. marginaleの主要蛋白質上には種特異的抗原決定基も同定された.
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鷲巣 月美, 友田 勇, kaneko Jiro J.
1991 年 53 巻 1 号 p.
81-86
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
犬, 牛, 馬およびヒトの血清胆汁酸を3α-ヒドロキシデヒドロゲナーゼ (3α-HSD) 固定化酵素カラムを組み入れたHPLCにより分析した. 胆汁酸組成および抱合様式は動物種により大きく異なっていた. 犬および牛においてはコール酸が62.9%, 83.5%を占め, 主な一次胆汁酸であるのに対し, 馬およびヒトではケノデオキシコール酸が68.4%, 46.3%と主要一次胆汁酸であった. 抱合様式は犬および馬においてはタウリン抱合が94.4%, 85.3%と優位であるのに対し, 牛およびヒトではグリシン抱合が31.0%, 49.4%と優位であった. クロマトグラムでは確認不能なピークがいくつか認められたが, 3α-HSDカラムを取り外して同一サンプルを分析することにより, これらのピークはC-3α位に水酸基を有する胆汁酸であることが確認された.
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納 敏, 一条 茂, 太田 千佳子, 渡辺 太郎, Benkele Wilmot, 後藤 仁
1991 年 53 巻 1 号 p.
87-91
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
子牛に対する初乳給与は, 移行抗体の付与あるいは局所免疫の面からも, 各種感染症, とくにロタウイルス (RV) 下痢症などによる被害の防止に重要なことがよく知られている. 本研究では正常牛の初乳から硫安塩析により精製濃縮された免疫グロブリン (Ig, 純度90%, RV抗体1 : 6250~31250, VP2, VP4, VP6, VP7と特異的反応) を, 子牛における安全性を確認した上で, 子牛のRV感染症の治療と予防に供した. 10~40日齢の乳用雄子牛25頭と1~5日齢の黒毛和種17頭における治療試験では, このIg単独投与による治療効果はほとんど認められなかった. しかしこのIgを生後直後より, 下痢症の有無に関係なく投与したとき, 黒毛和種子牛例では投与群の85% (53/62) が下痢を示したが, そのうち15% (9/62) が死亡したのに対し, 全例下痢を示した対照群の死亡率は56% (75/134) と著しく高かった (P<0.001). またこれら両群における糞便からのRV検出率は47% (25/53) で, とくに便性状の悪い例で高率であった. このように, 子牛のRV感染に対するIg投与はある程度の予防効果が期待できると考えられた.
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神沼 修, 局 博一, Matias Job Manaet, 西村 亮平, 菅野 茂
1991 年 53 巻 1 号 p.
93-99
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
本研究は短時間の鼻閉塞が上気道の反射活動に及ぼす影響を知ることを主目的として行われた. 全身麻酔を施した犬で, 上気道開大筋の代表である鼻翼 (AN) および後輪状披裂筋 (PCA) の活動を他の呼吸性指標とともに同時記録し, 鼻閉塞時の反射活動を気管閉塞時のそれと比較した. 呼気相末期から連続する3呼吸の間鼻閉塞を行うと, 吸気努力の出現とともに, 上気道は陰圧 (-2.41~-3.04kPa) となり, ANおよびPCAの吸気性活動は顕著に増加した (AN : 257~1080%増加, PCA : 164~308%増加). 両筋の活動は気管閉塞の場合でも高まったが, PCAの活動増加は47.0~86.3%とその増加度が鼻閉塞に比べ明らかに小さい (P<0.05) のに対し, ANでは202~760%とその差は顕著ではなかった (P>0.05). また, 鼻閉塞では, 吸気時間 (T
1) が延長するとともに, 吸気勾配の低下が観察された. 鼻閉塞時におけるこれらの呼吸活動の変化は, 上喉頭神経の切断によって減少したが, とくにPCAでは明瞭であった. これらと同様な成績は, 下気道から分離した上気道に対して, 外部から人工的に陰圧を負荷した場合にも認められた.
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杉井 俊二, 廣田 好和
1991 年 53 巻 1 号 p.
101-105
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
カルシュウム依存性および非依存性インベルターゼ結合性ウシ免疫グロブリンをインベルターゼ結合セファローズ4Bカラムを用いたアフィニティ・クロマトグラフィーにより分離した. これらのウシ免疫グロブリンの結合特異性を検討するため種々の阻止試験を行った. その結果, カルシュウム依存性, 非依存性インベルターゼ結合性ウシIgGの結合はインベルターゼとマンナンにより最も効率よく阻止され, マンノース, グルコース, メチルα-D-マンノピラノシドによる阻止は弱く, また糖蛋白による阻止は殆ど認められなかった. 以上の成績から, インベルターゼ結合性ウシIgGはマンノースで構成される糖側鎖を有するインベルターゼあるいはマンナンに高い結合特異性を示すことが示唆された.
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阿久沢 正夫, 森園 充, 安田 宣紘, 岡本 嘉六, 松元 光春, 岡本 光司
1991 年 53 巻 1 号 p.
107-112
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
難治性で大きな血腫が発生した黒毛和種牛 (血腫牛) において, in vitroの検査で血小板のコラーゲン凝集能の低下が認められた. PT (プロトロンビン時間) およびPTT (部分トロンボプラスチン時間) による外因性および内因性凝固に関する検査の結果は, 対照群と統計的有意差は認められなかった. コラーゲン以外の血小板凝集惹起物質であるADP, セロトニン (5-HT), トロンビン, アラキドン酸, エピネフリン, リストセチンによる凝集は, 血腫牛において対照牛と同様なパターンを示した. 血小板のコラーゲンで惹起した放出能には低下が認められた. 血小板の凝集能および放出能の低下は, 本疾患がストレージプール病 (貯蔵プール欠乏症) であることを示唆していた. この血小板機能不全が, 本疾患における難治性で大きな血腫の主要な原因と推測された. 血小板機能の低下している血腫牛の全例において, 末梢血の好酸球に含まれる好酸性顆粒は, 数が少なく, 大型であった. 好酸球の大顆粒は, 通常の好酸球顆粒と同様にペルオキシダーゼ陽性でPAS染色陰性であった.
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三宅 陽一, 村上 隆宏, 金田 義宏
1991 年 53 巻 1 号 p.
113-116
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
これまで知られていない新しい型の染色体の転座例 (1/21) がホルスタイン種牛で見い出され, それが3世代, すなわち転座保有の種雄牛からの娘牛 (6/11頭) と孫牛 (4/7頭) へとほぼ1:1の比で伝播することが認められた. 種雄牛の異母きょうだいである雄牛5頭には同型の染色体異常は認められず, この転座がその父牛に由来する可能性は否定された. C分染法による分析の結果, 3世代の転座保有牛 (種雄牛1頭, 娘牛5頭, 孫牛3頭の計9頭) の転座染色体は二動原体型を示していたことから, この転座が比較的新しく発生したものであることがうかがわれた. さらに, 今回の転座は個体の外貌などの表現型に対して何らかの影響を及ぼしているようには思われなかった.
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清宮 幸男, 伊藤 博, 大島 寛一
1991 年 53 巻 1 号 p.
117-119
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
盲目, 猛進, 旋回運動, 反弓強直などの顕著な神経症状を示した61日齢の黒毛和種の雌子牛を検査した. 肉眼的に, 大脳皮質領域に帯黄色小巣状の病巣が散在していた. 組織学的に, 中枢神経系, とくに大脳皮質領域の浮腫性空胞化と神経細胞の壊死が多発性, 巣状あるいは層状にみられ, 腎臓の近位尿細管上皮細胞核内に抗酸性封入体が観察された. 腎臓の鉛濃度は湿重量で9.4ppmであった. 以上の所見から, 本症例は鉛中毒と診断された. 汚染源として水道管に塗布されていた含鉛防錆塗料が疑われた.
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實方 剛, 吉川 哉子, 大槻 公一, 坪倉 操
1991 年 53 巻 1 号 p.
121-122
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
原因不明の微熱症状を呈する患者が飼育していたペットのキバタンから, Yersinia pseudotuberculosis (血清群3) を分離した. 本報告は, 日本における家庭で飼育されているトリからの初めてのYersinia pseudotuberculosisの分離報告例である.
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藤田 道郎, 織間 博光, 清水 幹子, 本好 茂一, 片山 正夫, 宮坂 勝之
1991 年 53 巻 1 号 p.
123-124
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
筋弛緩を伴った麻酔下の猫に対し, ヘリウム拡散法で機能的残気量 (FRC) を求めた. その結果, FRCと体長およびFRCと体重との間には正の相関を認めたが, 性差は認められなかった.
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河岡 義裕
1991 年 53 巻 1 号 p.
125-126
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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由来宿主の異なるA型インフルエンザウイルスのニワトりとマウスにおける増殖及び病原性を比較した. ニワトリでは鳥類由来ウイルスは増殖したが, 哺乳動物 (ヒト, ブタ, ウマ) 由来のウイルス増殖は認められなかった. マウスでは, 調べた鳥類及び哺乳動物由来のすべてのウイルスが増殖したがマウス継代により致死的病原性を獲得したのは哺乳動物由来のウイルスのみであった.
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川本 哲, 高橋 清志, 小沼 操, 久保田 修一, 根城 博一, 黒沢 隆, 其田 三夫
1991 年 53 巻 1 号 p.
127-128
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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小型ピロプラズマ感染における原虫血症の推移を再調査したところ, T. sergenti初感染牛の原虫寄生赤血球の比率は感染成立約1週間後から上昇しはじめ約30日後にピークとなり, 以後低下傾向をとったが, 回復約1週間後で再び上昇しはじめ, 第2のピークを形成した.
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樋口 誠一, 下村 澄人, 吉田 博信, 星 史雄, 川村 清市, 安田 純夫
1991 年 53 巻 1 号 p.
129-131
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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フタトゲチマダニの成ダニの中腸上皮内におけるBabesia gibsoniの発育について観察した. 飽血後8日の中腸上皮内では, 円形のチゴートからクラブ型のキネートに発育する形態変化が観察された.
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小泉 伸夫, 本多 英一, 熊谷 哲夫, 岡崎 克則
1991 年 53 巻 1 号 p.
133-135
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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EHV-1の増殖及び細胞融合活性はTM, MNいずれの添加によっても阻害された. 一方, 感染細胞による赤血球吸着活性はTM添加では阻害されなかった. 以上の結果から, EHV-1の細胞融合蛋白及び血球吸着蛋白は, それぞれ異なる過程を経て成熟するものと考えられた.
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岡崎 克則, 渡辺 誠, 本多 英一, 熊谷 哲夫
1991 年 53 巻 1 号 p.
137-139
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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BHV-1 Los Angeles株を気管内に接種されたウサギはgIを強く認識していた. 経鼻接種されたウシも同様であった. 一方, 静脈内接種されたウサギは糖蛋白gIII及びgIVを強く認識した. 中和試験の成績から, gIVあるいは/及びgIIIに対する抗体が強い中和活性を示すものと考えられた.
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坪田 敏男, 高橋 芳幸, 金川 弘司, 合田 克己
1991 年 53 巻 1 号 p.
141-142
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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1985年8月から11月にかけて, のぼりべつクマ牧場で飼育されている雌エゾヒグマ4頭について, 着床遅延中の胚回収の試みとして, 麻酔下において子宮内灌流を行った. 4頭中1頭において, 直径0.7mmの着床していない胚を回収することができた.
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黒沢 隆, 八木沢 和夫, 山口 寛二, 高橋 清志, 小谷 忠生, 安藤 由章, 其田 三夫
1991 年 53 巻 1 号 p.
143-145
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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創傷性第二胃腹膜炎の超音波画像診断を行った. 健康牛では腹側の五ヶ所で第二胃が高率に観察できた. 第二胃底は腹膜に接し30ないし60秒間隔で一回, 二段階の収縮をした. 健康牛に針金を投与したところ4ないし18日後には収縮による第二胃底の背側方への動きは僅かになった. 第二胃と腹膜の間にはX線では確認できなかった膿瘍をともなう結合織の増生像が観察できた.
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佐藤 満雄, 明石 博臣, 平井 清司, 木村 良男, 高橋 雅人
1991 年 53 巻 1 号 p.
147-148
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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BALB/cマウス脾細胞とミエローマ細胞の融合により, 牛コロナウイルス掛川株に対する単クローン性抗体を作製し, 12抗体を得た. そのうち2つの抗体は, 赤血球凝集抑制活性を示し, 免疫沈降反応により, ウイルス粒子のペプロマー蛋白質のサブユニットの一つと考えられる93キロダルトン (kDa) の蛋白を沈降させた. またこれらは同時にウイルス中和活性も有していた. その他ヌクレオカプシド蛋白質と考えられる53kDaの蛋白質と反応する抗体が2つ得られた.
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岡田 洋之
1991 年 53 巻 1 号 p.
149-151
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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ヒツジの甲状腺C細胞について抗ラットカルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP), 抗ウシクロモグラニンAおよび抗ヒトクロモグラニンA抗血清を用いて免疫組織化学的検索を行った. ほとんどのC細胞は抗ウシクロモグラニン抗血清に対し強陽性を, 抗ヒトクロモグラニン抗血清に対し弱陽性を示した. これに対し抗CGRP抗体には一部のC細胞のみが強陽性を示した.
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小山 弘之, 常見 恵美, 宝達 勉
1991 年 53 巻 1 号 p.
153-157
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
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ウシ胸腺細胞を免疫したマウス脾細胞とマウスミエローマ細胞を融合しモノクローナル抗体BLMo-15を得た. 本抗体はウシTリンパ球と羊赤血球によるEロゼット形成を阻止したこと, および分子量56,000のポリペプチドを認識していたことより羊赤血球レセプター (SRBCr: CD
2) を認識する抗体と考えられた. ウシTリンパ球の既知モノクローナル抗体との反応性パターンの異同をフローサイトメトリーで解析した結果よりBLMo-15はウシTリンパ球CD
2を検出する有効な抗体であることが明らかとなった.
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横田 正春, 橋本 衛, 松井 勤, 奥 信明, 木田 美智子, 石川 恵三, 宮川 肇, 大中 隆史, 中島 邦夫
1991 年 53 巻 1 号 p.
159-160
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
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堺市の下水道内で捕獲したドブネズミ18頭 (♂7頭, ♀11頭) について, 内部寄生虫の検査を行った. このうち, 16頭のネズミから, Orientostrongylus ezoensisの寄生が認められた. 本種は, 最初, 北海道のドブネズミにおいて発見された後, 東京, 神戸などのドブネズミおよび福岡県のクマネズミからも報告されている. 今回, 堺市内のドブネズミにもO. ezoensis分布していることが確認された. これらのネズミにおいては, その他にNippostrongylus brasiliensis, Capillaria hepatica, Trichosomoides crassicauda, Heterakis spumosaの線虫4種を認めた. さらに, 5頭の糞便からコクシジウムのオーシストを認めたが, その他の条虫, 吸虫等は見られなかった. 検出した寄生虫のうち, C. hepaticaは人畜共通の寄生虫であり, 公衆衛生上注意を要すると考えられた.
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保富 康宏, 朝岡 秀行, 高橋 清志, 川上 善三, 小沼 操
1991 年 53 巻 1 号 p.
161-162
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
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健康な非摘脾牛にTheileria sergenti merozoiteを皮下接種しConcanavalin A (Con A) とT細胞成長因子 (TCGF) による末梢血単核球の増殖反応を観察したところ, Con Aでは観察期間中変化は見られなかったが, TCGFでは接種後1~3ヵ月に有意な上昇が見られた (p<0.1~p<0.05). このことからT. sergenti感染牛におけるTCGFに反応するT細胞の増加が示唆された.
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小俣 吉孝, 及川 弘, 神田 政典, 三日月 幸治, 竹原 徳馬, Venturini Cecilia, 斎藤 篤志, 鈴木 直義
1991 年 53 巻 1 号 p.
163-165
発行日: 1991/02/15
公開日: 2008/02/15
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Isospora felis自然感染ならびに未感染ネコにToxoplasma gondiiを接種し, 継日的にoocystの排泄, および間接蛍光抗体法による血清中抗I. felis・IgG抗体価と抗T. gondii・IgG抗体価を検索した. I. felis感染および未感染ネコの抗I. felis抗体価は, 共に4倍以下であったが, T. gondii接種後, 一過性ながら4
2ないし4
3倍まで上昇した. 抗T. gondii抗体価は接種後14日目から上昇し, 以後4
6ないし4
9倍を持続した. T. gondii死虫体を接種したI. felis感染ネコにおいても同様の結果が観察された.
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