Journal of Veterinary Medical Science
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58 巻 , 6 号
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  • 坂本 紘, 渡辺 洋一郎, 上村 利也, 鮫島 浩, 池ノ上 克
    1996 年 58 巻 6 号 p. 489-493
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    日本ザーネン種山羊は妊娠母体と胎子の生理学, 生化学を研究するモデルとして使用されつつあるが, その基礎的研究はまだ緒についたばかりである. 今回, 急性低酸素血症における母親と胎子の循環系とカテコラミンの反応を研究することを目的に基礎的実験を行った. 在胎約120日(満期147日)の日本ザーネン種妊娠山羊5頭を用い, 麻酔下に子宮切開を行い, 胎子の頸動静脈にカテーテルを挿入し, 前胸部に心電図電極を装着した. 母親の大腿動静脈にもカテーテルを挿入した. 術後4日以上経過し, 生理的慢性実験モデルとなった後, 低酸素負荷実験を行った. 低酸素負荷により, 母体のpHは変化せず, pO2は84mmHgから40mmHgヘ低下した(p<0.05). 胎子は軽度のpHの低下(p<0.05)とpO2の低下(22mmHgから16mmHg, p<0.05)を認めた. 母親の心拍数と血圧は有意に上昇した. 一方胎子の心拍数は有意に低下し, 血圧は一過性に上昇した. 母親のカテコラミンは変化しなかったが, 胎子のエピネフリンとノルエピネフリンは有意に上昇した. 本研究により, 日本ザーネン種山羊の母親と胎子の低酸素血症における生理反応が初めて報告された. 今回の結果は, サルやヒツジで報告された結果と同様であり, またヒトの反応とも類似している. 以上より日本ザーネン種山羊は周産期医学を研究する実験モデルとして有用であると考えた.
  • 溝辺 牧男, 近藤 房生, 豊嶋 千俊, 熊元 一徳, 寺田 孝則, 奈須 久岳
    1996 年 58 巻 6 号 p. 495-499
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    内面逆相型カラム付き高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた血清の直接注入によるδ-bilirubin(Bδ), diconjugated bilirubin(DCB), monoconjugated bilirubin(MCB)およびunconjugated bilirubin(Bu)の分析法を開発した. HPLCの分析条件は, 移動相にアセトニトリル:0.5Mトリス塩酸緩衝液(20:80, v/v, pH7.2), UV検出波長450nm, 検出感度0.01AUFS, チャートスピード4mm/minであった. 標準血清として用いたヒト閉塞性黄疸患者血清からは, 直接注入によってBδ, DCB, MCBおよびBuがそれぞれ4.4, 6.4, 9.2および14.5分に溶出した. 薬剤フリーの豚血清に標準物質のBuおよびDCBを添加した時の平均回収率は, それぞれ91.9%および95.9%であった. 本分析条件を用いて黄疸獣畜の血清を直接注入法により分析した結果, 4種類のビリルビンピークが得られた. なお, ビリルビンのピーク高の合計と標準の生化学的検査法によって測定された総ビリルビン値との間には, 一定の相関が認められた.
  • 杜 杰憲, 高橋 善博, 加世田 雄時朗, 内田 和幸, 山口 良二, 鈴木 勝士, 小川 博之, 大塚 宏光
    1996 年 58 巻 6 号 p. 501-504
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    過去12年間に収集したChediak-Higashi症候群(C-HS)の黒毛和種牛56頭の中で血統書の入手できた44頭の分析の結果, 親牛が無症状であること, C-HS発症雌牛が正常牛を生んでいること, ほぼ雌雄同数に発症することなどから, 本症は常染色体性劣性に遺伝すると考えられた. そこで, ある地域を選び, 発症牛の母親8頭の子牛について先験法による分離比分析を行ったところ, 常染色体性単純劣性遺伝であることが裏付けられた. さらに, 同地域の36頭の母牛が生んだ257頭の子牛(そのうちC-HS牛8頭)において, 発症率から求めた遺伝子頻度(0.1764)に基づいて求めた保因牛, 発症牛の期待値と観測値をX2検定した結果, この方法によっても, 本症が常染色体性単純劣性であるとの仮説と矛盾しなかった.
  • 鈴木 正嗣, 梶 光一, 山中 正実, 大泰司 紀之
    1996 年 58 巻 6 号 p. 505-509
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    北海道東部産のエゾシカ胎子87例で胎齢を推定し, 受胎日の変異と外部形態の発達過程とを明らかにした. 胎子の体重(W)と胎齢(T)との間には, T=(√^3(W)+2.730)/0.091関係式が認められた. この式を用いて胎齢を算出し, 捕殺日からの逆算により求められた推定受胎日は, 10月7日から翌1月17日の範囲で変異していた. しかし, その多くは10月中旬から11月上旬にかけて集中していた. また, 11月下旬以降に受胎したと思われる胎子9例のうち, 6例が1歳メスから採取された標本であった. これは, 北海道東部個体群の良好な栄養状態が, 1歳メスの成長と性成熟を冬期間にも可能にすることを示唆している. 胎子の外部形態においては, 感覚毛や一般被毛の発現時期と白斑の発現時期とが重複していなかった. また, いくつかの発達過程上の変化が, 特定の体重で起こることも確認された. これらの特性を利用することにより, 胎子成長は4段階のステージに分割できた. 各ステージにおける胎子の外部形態的特徴は, エゾシカ以外のニホンジカでも簡便な胎齢推定に役立つと考えられる.
  • 坂本 紘, 竹之下 真理, 朝倉 康夫, 茨 聡, 池ノ上 克
    1996 年 58 巻 6 号 p. 511-514
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Arginine vasopressin(AVP)は, 抗利尿ホルモン作用以外に強力な血管収縮作用を有し, その循環作用が注目されてきている. そこで, AVPの新生児循環不全に対する治療薬としての適否を検討する目的で, その循環作用について, dopamineと比較検討した. 実験は, 無麻酔下の山羊新生子を用いて, AVP(20mIU/kg/min)とdopamine(20μg/kg/min)をそれぞれ静脈内に持続投与した. AVPは有意に心拍数, 心拍出量を低下させたが, dopamineは心拍数に有意な変化を与えず, 心拍出量を増加させた. 肺動脈圧は, dopamineにより有意に上昇したが, AVPでは変化しなかった. 一方, 体動脈圧は, AVPにより有意に上昇したが, dopamineでは変化しなかった. 肺/体血管抵抗比は, AVPでは有意にコントロール値よりも低下したが, dopamineでは有意に上昇した. 新生児の肺血管は収縮しやすく, 容易に肺高血圧症を呈する. その場合, 動脈管および卵円孔における右-左短絡による胎児循環遺残症と, それによる低酸素症の進行が問題となる. AVPは, dopamineに較べ肺動脈圧を変化させずに, 選択的に体血圧を上昇させる循環作用を有するため, 新生児の循環不全に有効な治療薬である可能性が示唆された.
  • 坂本 紘, 三角 一浩, 松田 義雄, 池ノ上 克
    1996 年 58 巻 6 号 p. 515-519
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    妊娠山羊における降圧剤投与の子宮血流, 胎子循環に与える影響を検討した. 実験動物には, 日本ザーネン種妊娠山羊を用いた(n=11). 母子の動静脈にカニュレーションを行い, 子宮動脈起始部に電磁血流計, 胎子胸壁には心電図電極を装着した. 実験は手術後72時間以上たった時点で行い, 降圧剤として, カルシウム拮抗斉nicardipine(0.02mg/kg)またはα1, β遮断薬labetalol(0.5mg/kg)を2分かけて静注し, 各種パラメーターの観察を60分間にわたって行った. 測定項目は母体心拍数(MHR), 母体血圧(MABP), 子宮血流量(UBF), 胎子心拍数(FHR), 胎子血圧(FABP), 胎子動脈血液ガスであった. 統計学的検討には, 分散分析, t-testを用い, 5%未満の危険率をもって有意差ありとした. 両薬剤とも投与後5分の拡張期血圧低下が最低(-20%)となり, その程度に差はなかった. Nicardipineでは投与後5分でUBFが平均12%減少し, 母体拡張期血圧の低下度との間に相関が見られた. 母体心拍数の有意な上昇が認められた. Labetalolでは投与後10分でUBFは平均19%低下したが, 母体血圧との関連は見られなかった. また, nicardipine投与後に見られた心拍上昇は見られず, 軽度の心拍数減少が見られた. 両薬剤とも, 血圧低下に伴うUBFの有意な減少は見られたが, 胎子循環, 胎子血液ガスに悪影響を及ぼさないことが観察された. 大動物を使った慢性実験モデルは, ヒト妊娠中における降圧剤を研究していく上で重要な方法である.
  • Jusa Enuh Raharjo, 稲葉 右二, 河野 通大, 真下 仁志, 広瀬 修
    1996 年 58 巻 6 号 p. 521-527
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    MARC-145細胞で増殖した豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスは4℃, 室温および37℃でマウス赤血球に対し赤血球凝集(HA)を示したが, 牛, めん羊, 山羊, 馬, 豚, モルモット, スナネズミ, ガ鳥および鶏赤血球に対してはHA陰性であった. HA活性はウイルス材料をTween 80処理後エーテル処理によって増強された. Tween 80およびエーテル(TE)処理ウイルスのHA価はTE非処理ウイルスのHA価よりも8~16倍高く, かつより明瞭なHA像を示した. Tween 80による前処理の至適条件は, 最終濃度0.06-0.125%(v/v)Tween 80で15-60分, ついで50%(v/v)エーテルで5-15分氷中振とう処理であった. 細胞内および細胞外ウイルス材料中のウイルス産生曲線はHA素産生のそれに類似していたが, HA素産生は細胞内ウイルス材料の方が若干早かった. HA反応は抗血清によって特異的に抑制された. 豚血清のHA抑制抗体価は中和抗体価とよく相関した.
  • 大石 明広, 濱田 聡子, 坂本 紘, 紙谷 茂, 柳田 宏一, 窪田 力, 渡辺 洋一郎, 清水 亮佑
    1996 年 58 巻 6 号 p. 529-535
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    肉用黒毛和種牛の橈骨, 尺骨, 中手骨, 基節骨, および踵骨隆起の骨端発育についてX線学的に検討した. 各月齢毎に, それぞれの骨端部について化骨標準像を評価した. 骨成熟過程については, 橈骨遠位では8段階, 尺骨遠位では8段階, 中手骨遠位では7段階, 基節骨近位では5段階, さらに踵骨隆起では8段階の化骨標準像がそれぞれ分類評価された. 骨端線の閉鎖完了は基節骨近位が最も早期にみられ(12~14ヵ月齢), 尺骨遠位が最も遅かった(35~37ヵ月齢). 骨点数の変動曲線については, すべての骨端において, 出生後5ヵ月齢までは急勾配の化骨変動状況であり, 10ヵ月齢以降化骨変動状況は平垣な勾配を示していた. また, 以上の骨発育状況において, 肉用牛の飼養目的や飼養環境の違いによっても骨発育程度には特に有意差はみられなかった.
  • 桃井 康行, 加藤 大智, 尹 和榮, 間 弘子, 高木 茂美, 亘 敏広, 後飯塚 僚, 辻本 元, 長谷川 篤彦
    1996 年 58 巻 6 号 p. 537-541
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    馬の長距離輸送後にはしばしば発熱および発咳などの呼吸器症状が認められる. 今回, これら輸送後に認められる輸送熱の病態を解析する目的で輸送前および輸送後の馬の血清中顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor, G-CSF)活性をマウスのG-CSF依存性細胞株(NFS-60)を用いて測定した. 2歳馬26頭に対して1,580km, 約36時間の輸送を行い, その前後における血清中G-CSF活性の測定を行った. その結果, 輸送中の最高体温が39℃未満の17頭では輸送後のG-CSF活性は輸送前のG-CSF活性と比較して有意な変化を示さなかったのに対し, 39℃以上の発熱を呈した9頭では輸送後のG-CSF活性は輸送前のG-CFS活性と比較して有意な上昇を示した. また輸送後のG-CSF活性と白血球増加の間には正の相関が観察された(r=0.75). これらの結果は, G-CSF活性の上昇によって示される病原体の感染が輸送熱の発生に深く関わっていることを示している.
  • 佐藤 良彦, 和田 浩彦, 松浦 昌平, 青柳 高弘, 荒川 皓
    1996 年 58 巻 6 号 p. 543-546
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ジュウシマツ由来Salmonella Typhimurium (S.Typhimurium)の病原性を調べるため, 3日齢の鶏を用いて接種試験を行った. 試験1では, ジュウシマツ由来S.Typhimuriumを1羽当たり104CFU, 108CFU経口接種し1週間観察した. 排菌は両試験区とも接種翌日から認められ, 1週間継続した. 肝臓, 脾臓および盲腸内容の保菌は両試験区とも全羽に認められ, 盲腸内容の菌量は概ね108CFU/gであった. 病理組織学的検査では, 肝臓の巣状壊死がほぼ全羽に観察された. 試験2では, ジュウシマツ由来S.Typhimuriumの病原性を鶏由来S.Typhimuriumと比較するため, 以下の試験を行った. ジュウシマツ由来および鶏由来S.Typhimuriumを1羽当たり104CFU接種し3週間観察したところ, 排菌はジュウシマツ由来区が鶏由来区より有意に早く, 3週間継続した. 肝臓, 脾臓および盲腸内容の保菌は両試験区において同程度認められ, 盲腸内容の菌量は概ね108CFU/gであった. 病理組織学的検査では, 肝臓の巣状壊死がほぼ同程度に観察された. 以上の成績から, ジュウシマツ由来S.Typhimuriumは鶏に対し感染性と病原性を有し, その病原性は鶏由来S.Typhimuriumとほぼ同程度であることが示唆された.
  • 玄間 剛, 亘 敏広, 穐山 清健, 宮下 直子, 辛 〓実, 岩附 研子, 甲斐 知恵子, 見上 彪
    1996 年 58 巻 6 号 p. 547-550
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    東京地区における近年のイヌジステンパーウイルス(CDV)感染症について疫学的調査を行った. 罹患犬は臨床徴候から呼吸器・消化器症状に神経症状が付随するものと, 神経症状のみを示すものの2つに大別された. 調査対象の62頭のうち, 34頭が前者で28頭が後者に属していた. これらの結果から, 野外において性格の異なるCDVの存在が示唆された.
  • 平川 篤, 坂本 紘, 三角 一浩, 上村 利也, 清水 亮佑
    1996 年 58 巻 6 号 p. 551-553
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    実験的に誘発した犬の低酸素性肺動脈血管収縮(HPV)に対するNO吸入の効果を検討し, その成績をもとに肺高血圧を伴ったVena Cavae Syndrome(VCS)症例に対し臨床的応用を試みた. 低酸素症により有意に上昇した肺動脈圧(PAP)はNO吸入により有意に低下し, VCSにおいてもPAPは低下した. 以上の結果より, NO吸入は犬のHPVを可逆化し, さらにVCSの犬糸状虫摘出術中の肺高血圧の悪化を回避できると考えられた.
  • 福冨 豊子, 實方 剛, 明石 博臣
    1996 年 58 巻 6 号 p. 555-557
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    下痢を呈した3ヵ月齢の子豚3頭と同居豚2頭の計5頭の糞便からレオウイルス5株(OS-320~OS-324)を分離した. 分離株は, 交差中和試験により2型に型別された. HA試験の結果, OS-320株は他のレオウイルスとは異なる性状を有することが示唆された. 中和抗体検査の成績から, 2型ウイルスは岡山県内の豚に広く浸潤していることが明らかとなった. 本論文は豚からレオウイルス2型が分離された最初の報告である.
  • 天野 弘, 柴田 昌利, 梶尾 規一, 両角 徹雄
    1996 年 58 巻 6 号 p. 559-561
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Haemophilus parasuisのSW124株(血清型4)と長崎株(血清型5)の病原性をSPF豚での同居感染試験で調べた. 供試豚10頭は3群に群別した. I群の2頭にSW124株108CFUを鼻腔内接種し, 残り2頭を鼻腔内接種豚と同居させたところ, 4頭全例が本菌に不顕性感染した. II群の4頭には長崎株を用いて同様に感染試験を行ったところ, 4頭全例がグレーサー病により死亡した. 対照群2頭は異常を示さず本菌の分離も陰性であった.
  • 金杉 洋美, 長谷川 貴史, 山本 哲郎, 安部 茂, 山口 英世
    1996 年 58 巻 6 号 p. 563-565
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    シクロホスファミド処置犬に腸球菌加熱死菌体標品(FK-23)を経口投与し, 白血球数再構築促進能の至適用量を検討した. 100mg/kgのFK-23及び遺伝子組換えヒトG-CSF(rhG-CSF)は好中球数を増加させて白血球の再構築を促進した. FK-23のその効果はrhG-CSFのそれより弱いようであったが, 両者の白血球数再構築促進能に統計学的有意差はなかった. 10mg/kgのFK-23には若干の好中球数増加効果があったが, 200及び400mg/kgのそれにはその効果がなかった.
  • 丸尾 幸嗣, 杉本 健, 鈴木 馨, 代田 欣二, 山根 義久, 野村 達次
    1996 年 58 巻 6 号 p. 567-569
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌ肥満細胞腫瘍2例をSCIDマウスに移植したところ, 両腫瘍とも初代移植に成功し, 累代移植が可能となった. また, SCIDマウス移植腫瘍と原腫瘍の組織学的特徴は類似しており, これら肥満細胞はいずれも結合織型と思われた. そのうち, 1株はSCIDマウスに移植後, 気管気管支リンパ節, 大網, 腸間膜, 後胸膜, 後腹膜に転移した. これらSCIDマウス継代肥満細胞腫瘍は肥満細胞腫瘍の増殖および転移の研究に有用と思われた.
  • 山田 英一, 今山 行夫, 片野 修一, 長島 文幸, 柴田 武志
    1996 年 58 巻 6 号 p. 571-575
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Ethylene tetrafluoroethylene(ETFE)タイを用いた犬の前十字靭帯断裂に対する包外固定法を18例(6.0~46kg)の臨床例に応用した. 本方法の特徴は, 1) 術式が容易であった. 2) 手術中において微調整しながら適度な固縛力によって安定させることができた. 3) 膝関節の周囲組織に対して広範囲な切開等を行なわないため, 手術侵襲が従来方法より少ない方法であった.
  • 望月 学, 釜田 尚彦, 伊藤 輝夫, 清水 元太郎, 山田 裕, 廉沢 剛, 西村 亮平, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1996 年 58 巻 6 号 p. 577-580
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    泌乳量に応じて濃厚飼料給与量を調節するA群と完全飼料を自由に摂取させるB群各5頭の乳牛について, 分娩後の第一胃液中および血中エンドトキシン(ET)濃度の変動を検討した. 第一胃液のpH低下に伴い, 第一胃液中のET濃度は両群ともに上昇したが, その値はB群の方が軽度に高値を示した. またA群の3頭およびB群のの全頭で血中ET濃度の上昇が見られたが, その変動は必ずしも一定のパターンを示さなかった.
  • 田中 雅之, 小尾 岳士, 詫間 博, 國米 則秀, 東原 りか, 平松 計久, 清水 悠紀臣
    1996 年 58 巻 6 号 p. 581-582
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    七面鳥鼻気管炎(TRT)ウイルス8597/CV94株に対するモノクローナル抗体(mAb)のうち, F1蛋白を認識し中和抗体活性をもつ2つのmAbが, Vero細胞でのTRTウイルスによるシンシチウム形成・細胞融合を阻止した. このことから, F1蛋白上の中和エピトープに細胞融合活性が存在するものと考えられた.
  • 近藤 千雅, 牧田 登之
    1996 年 58 巻 6 号 p. 583-585
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    部分肝切除後のラット再生肝を用いて, グルタールアルデヒドと四酸化オスミウムによる二重固定, エポン包埋した電顕試料の厚切り切片におけるブロモデオキシウリジンの簡素化した免疫染色方法を確立した. 二重固定の試料では, 10%Na-ethoxide溶液による切片の樹脂の除去に加え, トリプシンによる切片の消化によってブロモデオキシウリジンを証明できた. また従来用いられてきた塩酸処理は必要ではなかった.
  • 高橋 敏雄, 長峯 範行, 木島 まゆみ, 鈴木 祥子, 高木 昌美, 田村 豊, 中村 政幸, 村松 昌武, 沢田 拓士
    1996 年 58 巻 6 号 p. 587-589
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1983~1993年の間に, 日本全国各地で病豚から1,046株の豚丹毒菌(Erysipelothrix species)が分離された. それらの血清型を調べた結果, 943株が型別された. その他の103株は, 既知の型別用抗血清では型別できなかった. 型別された株の中で, 血清学的にE.rhusiopathiaeと分類されたものは938株(99.5%)あり, これらは1a型(40.4%), 2型(34.3%), 1b型(6.2%), 6型(3.3%), 5型(1.8%), 21型(1.1%)など13種類の血清型に属していた. 一方, E.tonsillarum(血清型7型と23型)として同定されたものは, 病豚由来株全体のわずか0.5%であったことから, その病原学的意義は乏しいことが示唆された.
  • 藤沢 倫彦, 光岡 知足
    1996 年 58 巻 6 号 p. 591-593
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    健康な成イヌの糞便より主として分離されたホモ発酵型Lactobacillusの菌株について, 炭水化物の分解性状等の表現型の性型によって同定を行ったところ, Lactobacillus salivarius group biovar VIaおよびbiovar VIbであった. また, これら菌株についてDNA相同性試験を行い, 分類学的検討を加えた結果, L.salivariusと同定されていたこれら菌株は, Lactobacillus animalisであることが判明した.
  • 小林 秀樹, Munthali Gift, 貝賀 眞俊, 両角 徹雄, 三谷 賢冶, 伊東 伸宣, 塩野 浩紀, 山本 孝史
    1996 年 58 巻 6 号 p. 595-598
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1991年に国内のヤギの肺および関節液からそれぞれ分離したLG1株とSF1株は同一性状を示した. 生化学的性状はブドウ糖分解, アルギニンおよび尿素非分解, テトラゾリウム塩還元, フォスファターゼ産生, カゼインおよび凝固血清の分解である. 血清学的にこれらの株はMycoplasma mycoides subsp. mycoides(Mmm), M.mycoides subsp. capri, M.sp.Group 7と交差した. これらの結果から分離菌株はMmm SCまたはLC typeのいずれかであることが示唆された. さらに, Mmm類縁マイコプラズマとのDNAホモロジー, PCRおよびPCR産物のRFLP解析によりこれらの野外分離株はMmm LC typeと同定された.
  • 杉村 崇明, 津田 知幸, 鈴木 敏仁, 村上 洋介
    1996 年 58 巻 6 号 p. 599-601
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    口蹄疫不活化ワクチンからVirus-Infection-Associated(VIA)抗原の精製を試みた. アジュバントに吸着しているVIA抗原は, pH.7.6, 塩濃度0.3Mのリン酸緩衝液中で撹拌することによって回収できた. 牛での感染実験を行い, 感染細胞由来とワクチン由来の2種のVIA抗原を用いて抗VIA抗原抗体を測定し比較した. ワクチン由来のVIA抗原は, 抗原性, 抗体の力価および持続期間が, 感染細胞由来のVIA抗原とほぼ同一であり, ロ蹄疫清浄国で生産し得る診断用抗原として有用であった.
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