大阪市内の健康学童の咽頭より分離したA, B, C, G群溶血レンサ球菌の各種抗生剤に対するMICを測定した.
PC系ではPCG, ABPC, AMPC, ACPC, SBPCについて検討した. PCGが各群菌に対して最も優れ, 次いでABPC, AMPCの順であった. ACPCとSBPCは最も劣っていたが耐性菌はなかった. またB群菌に対する各薬剤のMICは他群菌よりも劣っていた.
cephalosporin系はCER, CET, CEZ, CCLとCEXを検査した. CERが各群菌に対してPCGと同様の効果を示して最も優れ, CCLとCEXが最も劣っているものの耐性菌はみられなかった. またB群に対する各薬剤のMICは他群菌よりも劣っていた.
macrolide系はerythromycin, oleandomycin, josamycinの3剤を検討した. 何れも幅広い分布を示し, A, B, G群菌では耐性菌が検出された.
TCは各群菌に幅広いMICを示し, かつ耐性がみられた.
CPはA, B群菌で幅広い分布のMICがみられ, かつ耐性菌を分離した. しかし, C, G群菌には耐性菌はなかった.
A, B, C, G群菌に対する各抗生剤の耐性の組み合わせを検討した. その結果, A群12型にはmacrolideと, TCまたはCPの二者または単独に結合した耐性菌がみられた. TC単独耐性はA群4, 12, 13型とB群1a, 1b, 1c, II, III, IIIR型にみられた. CP単独耐性はA群4, 12型, B群1a型に認められた. TC・CP二剤耐性はA群12型とB群1a, 1b型に認めた.なお, B群1c型に1株だけ, EM, OL, JM, TC, CPに対する5剤耐性菌を検出した.
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