感染症学雑誌
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57 巻, 12 号
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  • 飯村 達
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1051
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
  • 滝沢 慶彦, 高瀬 愛子, 小西 和美, 冨沢 功
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1052-1059
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A群溶レン菌C多糖体 (A-C) に対するヒト末梢リンパ球反応について, 微量全血培養法によるin vitroリンパ球幼若化 (LTF) 反応を用いて6グループについて検討した. すなわち, 新生児 (踏帯血) 12名, 正常小児21名, 正常成人91名, 狸紅熱 (SF) 患者入院時33名, 同患者退院時33名, 急性糸球体腎炎 (AGN) および急性リウマチ熱 (ARF) 患者10名について採血した. 結果は, Stimulationindex (SI) で示し, SI≧3.0を有意な反応 (Significant reaction: SR) とみなした. これらの中で, 成人で最も高い反応 (mSI=11.0, SR率57.1%) を示し, 膀帯血 (mSI=3.5, SR率41.7%), SF患者退院時 (mSI=3.6, SR率33.3%), AGNまたはARF患者 (mSI=5.5, SR率30.0%) では中等度の反応を示し, 正常小児 (mSI=1.2, SR率9.5%) とSF患者入院時 (mSI=1.6, SR率9.1%) では最も低い反応を示していた. 中等度反応群と正常小児との間に統計的有意差は認められなかった. しかしながら, SF患者の退院時におけるLTF反応に有意な上昇が認められた (P<0.05). 濟帯血12例中5例に有意な反応が見られた. また, A-C抗原に反応するリンパ球は, T細胞のみならずB細胞にも存在することが示唆された. これらの結果から, A.C抗原に対するLTF反応は, 特異的反応に一部非特異的反応が関係していることが示唆された.
  • 児玉 博英, 刑部 陽宅, 岡田 伊津子, 畑 祥子, 山崎 茂一, 久保 義博, 高藤 昭, 橋爪 淑子, 尾崎 一郎
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1060-1066
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1. 1980年6月から, 富山県0町の保育所・幼稚園を中心として, 溶連菌感染症・狸紅熱の流行および散発的発生が相次いだ. まず, 6月から7月にかけて, 同町のO小学校校下のA保育所・B幼稚園を中心として, 溶連菌A群M12型・エリスロ・マイシン耐性菌による上気道感染症・狸紅熱様疾患のかなりの規模の流行 (患者数77名) があった. 次いで9月から11月にかけて, 隣接するK小学校校下のC保育所・D幼稚園・E幼稚園を中心として, 同じくA群M12型だが, エリスロマイシン感受性菌による同様疾患の小規模な流行 (患者数21名) が起り, その間同校下の患者2名からはA群B3264型菌も分離された. 12月に入り, 初めのA保育所で流行には至らなかったが, A群M1型菌による狸紅熱が2例発生した.
    2.各患者発生施設の児童について, 情報入手後速かに咽頭溶連菌保菌検査を行い, 流行時または散発発生時には, バックグラウンドの集団に患者分離株と同一の菌型・薬剤感受性パターンの健康保菌者が多数存在することが確認された. しかしながら, O小学校, K小学校校下ともに, 各施設児童の間には流行終息後流行菌型のA群M12型菌保菌者は急激に減少したが, 同年12月には両校下ともにA群M1型菌の保菌者が増えた.
    3. 流行翌年の追跡調査により, 0小校下では流行菌型の保菌者が殆ど見出されなかったが, 12月には前年同期にA保育所に多かったA群M1型菌保菌者がB幼稚園と0小学校に少数見出された. K小校下では, C保育所の1クラスに流行菌型の保菌者が集中して見出された以外は一般に溶連菌保菌率が低く, 前年K小学校に多かったA群M1型保菌者も極めて少なくなった.
  • 森田 盛大, 金 鉄三郎, 茂木 武雄, 高山 和子, 山脇 徳美, 斉藤 志保子, 庄司 キク, 藤宮 芳章, 柴田 芳実, 白取 剛彦
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1067-1074
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    狸紅熱多発 (罹患率201.3) 地区の西目町と非多発 (3.6) 地区の十文字町におけるA群溶連菌の侵襲1動向を明らかにするため, 1972年6月~1975年1月, 両地区の小学生 (1~3学年) 577名及び幼稚園児122名 (西目地区のみ) を対象として, A群溶連菌の保有状況を9回調査した結果, 以下の如き成績が得られた.
    1) A群溶連菌は5.2% (320/6, 206検体) の陽性率で分離されたが, 有意の地区差はなかった. また, いずれかの検査で分離陽性となった児童は36.5% (255/699名) であったが, 有意の地区差はなかった. 2回以上分離陽性となった児童は54名 (7.7%) であったが, 同一菌型の再分離されたのは7名 (1%) に過ぎなかった. なお, この期間中, 西目地区では39名の狸紅熱患者が発生したが, 十文字地区では全く発生しなかった.
    2) 分離率は概ね1~2月と5月に高く, 9月に低率であったが, 西目地区の分離率のみが狸紅熱発生とほぼパラレルに推移した. また, 年齢的には8~9歳の分離率が最も高く, この年齢群におけるA群溶連菌の伝播搬送的役割が示唆された. 男女差はなかった.
    3) 分離菌型は10種類であったが, 西目地区での12型と5型が十文字地区より, また, 十文字地区でのB3264型と1型が西目地区より有意高率に分離された.
    4) 両地区の狸紅熱発生差は上記成績によっても十分解明されず, 他の因子の検討が必要と考えられた.
  • 第1編群別 (A, B, C, G群), 型別 (A, B群) の推移 (1980.11~1982.11)
    中島 邦夫, 奥山 道子, 奥田 清
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1075-1082
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    大阪市内の健康学童の咽頭から分離される溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) の疫学的研究を行った. 期間は1980年11月から1982年11月までで, 実施は隔月毎に13回行った. 菌検出方法はN-O培地とRegular培地 (5%緬羊脱線維血液加寒天平板培地) を併用した. 群別はPhadebact Streptococcustestでスクリーニング後, 家兎免疫血清を用いる凝集反応によって確認した. なお, A, B群については型別を実施した.
    月別に学級別に溶血レンサ球菌の検出率を比較すると15%弱から80%弱の幅がみられた. 最も多くみられたのは40~50%台である. 群別中最多にみられたのはA群であるが, ときにはB群の方が多いこともあった. C群は僅かに分離したのみであった. G群はC群よりも多く検出したが全般的にみてA, B群よりも少数であった. 月別にみたA群型別では, その最多分離株はT-12型, T-6型, T-B3264型, T-13型と変化した. 学級別にA群型別を検討すると, 最多分離i株が異り, 旧6年生と6年生はT-12型, 5年生と4年生はT-6型, 3年生はT-13型, 2年生はT-13型とT. B3264型, 1年生はT-B3264型, 新1年生はT-8型であった.
    B群菌は従来の報告よりも多くの比率で検出した. その型別で最も多く分離したのはBlaとIII型であった. B群の型別は月別にみても, また学級別にみても特に差異は認められなかった. 学級別, 個人別にA群菌検出回数を人数別に比較した. その結果, A群菌を多く検出した2年生と5年生には菌の頻回検出者が多くみられた. 同様のことがB群菌でも観察された.
  • 第2編薬剤感受性
    中島 邦夫, 奥山 道子, 奥田 清
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1083-1090
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    大阪市内の健康学童の咽頭より分離したA, B, C, G群溶血レンサ球菌の各種抗生剤に対するMICを測定した.
    PC系ではPCG, ABPC, AMPC, ACPC, SBPCについて検討した. PCGが各群菌に対して最も優れ, 次いでABPC, AMPCの順であった. ACPCとSBPCは最も劣っていたが耐性菌はなかった. またB群菌に対する各薬剤のMICは他群菌よりも劣っていた.
    cephalosporin系はCER, CET, CEZ, CCLとCEXを検査した. CERが各群菌に対してPCGと同様の効果を示して最も優れ, CCLとCEXが最も劣っているものの耐性菌はみられなかった. またB群に対する各薬剤のMICは他群菌よりも劣っていた.
    macrolide系はerythromycin, oleandomycin, josamycinの3剤を検討した. 何れも幅広い分布を示し, A, B, G群菌では耐性菌が検出された.
    TCは各群菌に幅広いMICを示し, かつ耐性がみられた.
    CPはA, B群菌で幅広い分布のMICがみられ, かつ耐性菌を分離した. しかし, C, G群菌には耐性菌はなかった.
    A, B, C, G群菌に対する各抗生剤の耐性の組み合わせを検討した. その結果, A群12型にはmacrolideと, TCまたはCPの二者または単独に結合した耐性菌がみられた. TC単独耐性はA群4, 12, 13型とB群1a, 1b, 1c, II, III, IIIR型にみられた. CP単独耐性はA群4, 12型, B群1a型に認められた. TC・CP二剤耐性はA群12型とB群1a, 1b型に認めた.なお, B群1c型に1株だけ, EM, OL, JM, TC, CPに対する5剤耐性菌を検出した.
  • 吉原 丘二子, 新井 秀雄, 永瀬 金一郎
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1091-1094
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A群レンサ球菌T2株のトリプシン消化菌およびペプシン消化菌を用い, 健康学童血清98検体の凝集価を測定し, ASP試薬による凝集価と比較した.平均凝集価はASPでは33, トリプシン消化菌では188, ペプシン消化菌では425とそれぞれ有意の差を示したが, それぞれの凝集価の間には相関がみられた.
  • 健康小・中学生ならびに溶連菌感染症を対象にして
    奥山 道子, 中島 邦夫, 奥田 清
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1095-1107
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    溶血レンサ球菌の菌体外産物に対する血清抗体として, 従来広く測定されてきたASO値と, による測定法が開発され, その測定が簡便になったAHD (antihyaluronidase) 値, ANAD (anti-NADase) 値の4者について測定し, その相互関係と, A群溶血レンサ球菌検出回数及び同菌感染症との関連について検討した.
    対象は大阪市立少年保養所入所の小・中学生と, 大阪市内E小学校児童であるが, これら小・中学生においては, ASO値320倍以下が83.3%, めた.
    ASOと各抗体値の相関々係をみると, ASO-ASKでは相関係数r=0.705, ASO-ANADではr=0.702, ASO-AHDではr=0.467であり, ASO-AHDでは相関はみられなかった.
    E小学校児童について採血前一年間の隔月に計6回, 咽頭溶血レンサ球菌の検索を実施し, A群菌を検出した回数と, 血清抗体値との関連を検討したところ, 菌検出回数が多い程, 抗体値が高値を示した例が多く, 菌を一度も検出しなかった例では, 異常値の比率が低かった. また, 菌を検出した例のうち, ASO値が低値であった例について他の抗体値の反応をみると, 陽性を示した例はASK・AHDでは25.0%みられたが, ANADでは7.1%に留まった.
    また, 溶連菌感染症21例について, これらの抗体値の上昇を比較したところ, ASO, ASKはそれぞれ16例, AHDでは14例, ANADでは11例に上昇をみた. このうち単独で上昇したのは, AHDの3例のみであった. また, 2管同時に上昇したのは, ASO, ASKに2例, AHD, ANADに2例みられた.
  • 冨沢 功, 滝沢 慶彦, 小西 和義, 清水 長世, 辻 正周, 今川 八束, 村田 三紗子, 松原 義雄, 瀬尾 威久, 相楽 裕子, 八 ...
    1983 年 57 巻 12 号 p. 1108-1114
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    われわれは, 狸紅熱患者に抗生物質を10日間投与して, 再排菌について検討した.
    患者は1980年12月から1981年5月までの6ヵ月間に, 札幌市立病院と都立4病院に入院した294例である.
    最も多く使用された抗生物質は, ACPC (35.7%) で, 次にTAPC (25.2%), ABPC (13.3%), CEX (6.1%) およびB.PC-G (BenzathinePGG) (6.1%) である.
    投与量は31~40mg/kgが, また投与開始病日は3病日が最も多かった.
    治療開始前に153例からgroup A streptococciを分離した.また全例とも治療中は菌は検出されなかった.
    再排菌があったのは9例 (5.9%) である.薬剤別ではB.PC-G (14.3%), ABPC (11.5%), ACPC (6.8%) で, この他の薬剤からは再排菌はなかった.
    今迄にわれわれが実施した7日間治療法における再排菌は, 741例のうち37例 (5.0%) に認められたが, 今回の10日間治療法における再排菌率は, 今迄の7日間治療法のそれとの間に有意差を示さなかった.
  • 1983 年 57 巻 12 号 p. 1167-1169
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
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