カラーネーミング法を用いて, 明所視および暗所視環境下における交通信号灯の見え方を検討した. 10段階評価のカラーネーミング法を採用した. 観測者は色覚正常者5名である.“青”色交通信号灯の色は色度図上の緑青から黄緑の範囲にわたって広く分布しており, 多数の信号灯がCIEおよび日本交通管制施設協会の勧告範囲から逸脱していることが示された. また, 暗所視環境下における交通信号灯の色相変化についても, 明所視環境下と比較して言及した.“青”色信号灯に含まれている青色成分と白色成分は, 暗所視環境下においてはそれぞれ50%および15%増加して観測されることが示された. このことは, 交通信号灯の見え方が運転手の眼の順応状態により大きく変化するということを示唆している. さらに, 我国の“青”色信号灯に対する欠陥についても, 色覚特性から指摘した.
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