工業における, 検査工程の自動化について, 人間工学と密探な関係のある, 官能検査を中心に展望を試みた. 今日, 機械工業を中心とし, て省力化, 自動化が熱心に進められている. しかし, 検査部門の自動化は, いくつかの理由で他の部門に比べ遅れている. 今後, 無人化工場といった全体的自動化を達成するためには, ぜひとも行なわなければならないものである. 検査は, 計測と判定に大別されるが, いずれの要素についても, 人間的要素がからみ合っており, これが自動化のうえで他の工程と同列に考えることのできない点であると, ここに, 人間工学として, 関与すべき課題がある. 本文では, オン・ラインで使用される自動探傷装置と研究室, 実験室などで使用される官能試験装置に分けて紹介した. また, 人間工学, 心理学などで行なわれる実験の自動化についてもふれておいた. 人間と検査機械の関係についても, 最後に若干述べておいた.
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