人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
32 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 長谷川 徹也, 神代 雅晴
    1996 年 32 巻 3 号 p. 115-121
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    VDTを用いたデータ入力のような作業では, 静的筋負担をもたらすといわれている. そこで, 肘掛けの高さを変えることのできる椅子を試作し, その効果について検討した. 実験条件は, 椅子の肘掛けの高さに関しては22~28cmとし, キーボードの位置は机の端においた場合と机の端から8cm離した場合の2条件とした. 5名の男子被験者を用い, ランダムに表示される文字を両手で入力させた. その結果, 肘掛けの高さを被験者の体格にあわせることにより, 肘掛けなしの条件よりも, 筋活動は小さく, 誤答率は小さくなった. しかし, 肘掛けの高さによっては, 肘掛けなしの条件よりも筋活動が増加した. したがって, 使用者の体格にあった高さの肘掛けの使用は, 入力作業の負担軽減に効果のあることが示唆された.
  • 加藤 象二郎, 門尾 孝是, 西 修二
    1996 年 32 巻 3 号 p. 123-129
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究では, 操縦者の心拍数を指標として, 加速度のような物理的要因の介在しない精神的要因優位の模擬飛行条件と, 精神的・物理的要因の複合する実機飛行条件との差異を検討した. さらに, 模擬飛行時心拍数による実機操縦時心拍数推定の統計測度についても検討した. (1) 模擬飛行条件下での特定飛行時期 (離着陸時) において特異的心身反応のみられる心拍数の統計測度は, 最大平均心拍数であった. (2) 模擬飛行課目別の最大平均心拍数は, 離陸や着陸で最も高く, G負荷の大きいアクロバット飛行 (MTT) がこれらの課目についで高いものであった. 心拍数増加にはG負荷より精神的要因が大きく影響することが理解された. (3) 模擬飛行条件下で得られた平均心拍数および最大平均心拍数は, いずれの課目においても実機飛行時の平均心拍数より低いものであった. (4) 実機操縦時の心拍数推定の統計測度としては, 模擬飛行条件下で得られた“最大心拍平均値+1.0σ”によって得られる値が良好であった.
  • 藤 家馨, 井手 将文, 松尾 清美
    1996 年 32 巻 3 号 p. 131-137
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    車いす使用者が使いやすい通路について検討した. 被験者は脊髄損傷者7名で, このうち6名は頸髄損傷者であった. 実験室内に設置された5mの模擬通路を各人の車いすで走行したときの状況を, 地上高8mに設置したビデオカメラで記録し分析した. 直線路, L字路の車いすでの通過, 直線路での車いす相互のすれ違い, および車いすの回転について検討した. 車いすの全幅と全長を基準に, 直線路では300mm以上が使いやすい通路幅であり, L字路では400mm以上, すれ違いでは2台の車いす幅に350mmを加えた幅以上が使いやすい通路幅であった. 車いすを90度回転するのに必要な正方形の大きさは, 一辺が車いすの全長に300mmを加えた長さ以上であれば回転しやすい大きさであった. また, 180度回転では400mmを加えた長さ以上であった.
  • 柴崎 弘, 圓川 隆夫, 伊藤 謙治
    1996 年 32 巻 3 号 p. 139-148
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究は, 微細位置決め作業に対する視覚・触覚フィードバックの効果を明らかにすることを目的とし, 親指を用いてノギススライダを位置決めする作業について調査した. 実験1では視覚フィードバックの影響を調べるために, アナログ表示とデジタル表示の比較を行い, アナログ表示が動作時間を短くすることがわかった. 実験2では触覚フィードバックの影響を調べるために, 位置決め分解能を1.0mmから0.01mmまで変化させ, 分解能が小さいほど動作時間が大きくなり, その度合いに被験者による個人差が顕著に現れることを明らかにした. さらに, スライダの時間-変位曲線を粗微動の観点から詳細に検討することにより, 視覚は微動位置決め時に, 触覚は粗動開始時と微動位置決め時の両方に働くことが明らかとなった. 特に微動時における触覚と指による協調動作の滑らかさが重要となり, その技能は動作時間の Fitts の法則からの乖離度により評価しうることが示唆された.
  • ステアリングホイールの意匠性評価を事例として
    仁科 健, 田中 一男, 永田 雅典
    1996 年 32 巻 3 号 p. 149-158
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    SD法によるステアリングホイールの意匠性評価を事例として, Tucker モデルを用いた感性の個人差分析のデータ解析方法を提案する. 個人差とは, イメージ空間の個人差と対象因子スコアの個人差を意味するが, 本論文ではイメージ空間の個人差分析を特に強調する. 提案する解析手順は2つの部分からなる. まず, 嗜好に直接関係する形容詞を除いたイメージ形容詞データから, イメージ空間の個人差を抽出する. 次に, 嗜好とイメージ空間との関連を解析する. 個体差分析の基本的数理は, Tucker モデルを用いて導出される因子間相関の個体差にある. 提案する解析方法をステアリングホイールの意匠性評価に応用した. その結果, 3つのイメージ空間が抽出され, また, 嗜好とイメージ空間との関連の個人差を抽出することができた.
  • 稗田 一郎, 口ノ町 康夫
    1996 年 32 巻 3 号 p. 159-161
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top