VDTを用いたデータ入力のような作業では, 静的筋負担をもたらすといわれている. そこで, 肘掛けの高さを変えることのできる椅子を試作し, その効果について検討した. 実験条件は, 椅子の肘掛けの高さに関しては22~28cmとし, キーボードの位置は机の端においた場合と机の端から8cm離した場合の2条件とした. 5名の男子被験者を用い, ランダムに表示される文字を両手で入力させた. その結果, 肘掛けの高さを被験者の体格にあわせることにより, 肘掛けなしの条件よりも, 筋活動は小さく, 誤答率は小さくなった. しかし, 肘掛けの高さによっては, 肘掛けなしの条件よりも筋活動が増加した. したがって, 使用者の体格にあった高さの肘掛けの使用は, 入力作業の負担軽減に効果のあることが示唆された.
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