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58 巻, 6 号
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展望
  • 北本 朝展, 川崎 昭如, 絹谷 弘子, 玉川 勝徳, 柴崎 亮介, 喜連川 優
    2015 年 58 巻 6 号 p. 413-421
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2015/09/01
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    地球環境情報統融合プログラムDIASは,大規模かつ多様な地球観測データを中心に,社会経済データなどとも統融合することで,環境問題など社会課題の解決に有用な情報を国内外に提供することを目的とする。DIASは研究データの基盤システムを構築するだけでなく,基盤システム上のアプリケーション開発を主導するコミュニティを確立している点で,世界的にもまれなプロジェクトである。本稿ではまずDIASの概要を紹介し,DIASが基盤システム,アプリケーション開発,研究開発コミュニティという3つのシステムから構成されることを述べる。次にデータ共有の観点から,データアクセス,メタデータ,データポリシーに関するDIASの考え方をまとめる。そして,DIASが国際的な社会課題解決に貢献した例として,チュニジアを対象に行った気候変動予測に基づく洪水対策の立案に資するデータ統合解析を紹介する。最後にDIASの研究開発における今後の方向性について考える。
  • 永崎 研宣
    2015 年 58 巻 6 号 p. 422-437
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2015/09/01
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    SAT大蔵経テキストデータベースは,1億字超の校訂テクストのデータベースとして2008年に全文検索を中心としたWebサービスを開始して以来,着々とサービスを拡充してきている。特に,他のWebサービスやデータベースとの連携サービスに注力している。これら一連のサービスについて「涅槃(ねはん)」と「泥洹(ないおん)」という言葉の使い分け方の調査を例にとって概観する。SATプロジェクトは,単に仏教研究に資するだけでなく,デジタル時代の人文学の在り方を追究しつつ国内外の人文情報学の動向とリンクしながら発展してきている。オープンデータとして見た場合にはまだ十分とは言えないが,そこに向けての準備は進めている。
  • 高田 智和, 矢田 勉, 斎藤 達哉
    2015 年 58 巻 6 号 p. 438-446
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2015/09/01
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    変体仮名は平仮名の異体字であるが,現代の日常生活ではほとんど用いられていない。しかし,1947年以前には命名に使われ,戸籍など行政実務において変体仮名の文字コード標準化のニーズがある。一方,日本語文字・表記史や日本史学の学術用途においても,変体仮名をコンピューターで扱うニーズがある。そこで,活版印刷やデジタルフォントから集字し,学術情報交換用変体仮名セットを選定した。このセットには,変体仮名の機能的使い分けを表現するため,同字母異体も収録した。行政用途の変体仮名と合わせ,2015年10月にISO/IEC 10646規格への追加提案を予定している。
  • 廣川 佐千男, 伊東 栄典, 馬場 謙介
    2015 年 58 巻 6 号 p. 447-454
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2015/09/01
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    科学技術の加速度的発達により,一般社会と専門家の乖離(かいり)は大きく,若者の理系離れも問題となっている。専門家であっても,複合領域や未知の分野の調査は容易ではない。本稿では,わが国の科学技術の基本情報である科学研究費の研究成果の概要を対象とした検索可視化システムを紹介する。本システムでは,概要に現れる単語だけでなく,キーワード,分野,研究者,研究者所属,年度などの単語を異なる色の関連語マップ(Mind Map:マインドマップ)として表示する。単語の属性識別により関連解釈が可能となり,知りたいテーマに関連して,「だれが,どこで,どんな」研究活動を行っているかを把握できる。本稿ではシステムの概要と,探索的検索の事例を紹介する。
  • 岡田 小枝子
    2015 年 58 巻 6 号 p. 455-461
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2015/09/01
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    研究機関や大学と社会をつなぐ科学コミュニケーションである科学技術広報は,国民からの理解や支援と同時に,国民の要望を取り込んだ研究活動を進めたり,海外の研究者や学生を獲得したりするうえで大事な業務を受け持っており,その重要性は年々増している。しかし,どのように目標設定をし,どのような手段で行えばよいのか,その実践はたやすくはなく,業務を担う広報担当者は模索を続けているのが現状である。そうした中,研究機関や大学などの広報担当者が,所属する組織の枠を超えて,広報活動における問題意識・問題点を共有し,それらを通して互いに助け合い,ともに成長していくことを目指して2007年に立ち上がったネットワークが,科学技術広報研究会(Japan Association of Communication for Science and Technology: JACST)である。設立以来,メーリングリスト(ML)での日常的な情報交換や意見交換,勉強会,実務協力,サイエンスアゴラへの参加,ワークショップやシンポジウムの開催など,活発な活動を続けてきた。本稿ではJACSTのこれまでの活動と今後の展望について紹介する。
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